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歯科コラム

もう数年も虫歯を放置しています。これは放っておくと何か問題が起こりますか?

2017年08月15日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯を放置し続けるとどんな問題が起こるのか」です。
決して良い例ではないですが、虫歯を放置すれば虫歯はどんどん進行していきます。

象牙質まで進行し、それでも放置すれば歯の神経まで進行、そして神経も破壊してしまいます。
しかしそれはあくまで歯が残っている状態での話です。
虫歯治療を一切行わずに何年も放置すれば、一体どのような事態が起こるのでしょうか。

1. 虫歯菌は自然には消えない

まず知っておいてほしいのが、虫歯菌は自然にはなくならないという事実です。
冒頭で説明したとおり、虫歯は治療しない限り進行し続けて最終的に歯をボロボロにさせてしまいます。
しかしそれで終わりではないのです。

虫歯の症状としては確かにそれが末期ですが、それでも治療しなければ虫歯菌は生き続け、
全く別の場所で悪さをするようになります。では一体どんな悪さをするというのか?
今度はお口の中に限らず、身体全体に被害を及ぼすほどの悪さをするようになるのです。

2. 副鼻腔炎

副鼻腔炎は1970年代から減少傾向にある病気なので、今初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
副鼻腔炎とは副鼻腔の粘膜に細菌が感染して起こる病気で、炎症によって鼻水や咳や頭痛を引き起こします。
虫歯を放置し続けることで、この副鼻腔炎を起こす可能性があるのです。

なぜなら、上顎の奥歯の箇所が副鼻腔に近い位置になっているからです。
歯の根の先から出た虫歯菌が副鼻腔に溜まることで副鼻腔炎が引き起こされるのです。
もし副鼻腔炎になってしまえば従来の虫歯治療では治せず、抗生物質を1ヶ月ほど飲み続けることになります。

3. 骨髄炎

虫歯を放置することで歯の根の中に存在する虫歯菌が顎の中に広がると、骨髄が虫歯菌に感染します。
そうなると顎の骨を腐らせてしまい、骨髄炎を引き起こしてしまうのです。
骨髄炎の症状は辛く、熱や嘔吐を繰り返すことになります。

治療するにも時間が掛かり、状態次第では入院して抗生物質を点滴し続けなければなりません。
最も、近年では抗生物質が発達しているため、効果的な治療を受けることは可能です。
とは言え仮に骨髄炎が慢性化してしまうと、再発を繰り返してなかなか治らなくなってしまいます。

4. 歯肉が腫れて痛む

本来なら、虫歯がお口に中に及ぼす被害は虫歯という文字どおり歯のみになります。
しかし、長く放置することで歯だけでなく歯肉にまで被害を及ぼしてしまいます。
これは歯の神経が死ぬことがきっかけであり、
歯の神経が死ぬことでそれが腐って歯の根の先から虫歯菌をバラまく形になります。

そうなると身体の防御機能が反応し、虫歯菌の侵入を防ぐために袋を作って覆おうとするのです。
そして細菌を覆った袋が大きくなることで歯肉が腫れ、痛みも感じるようになるのです。
この場合、状態次第では歯肉を切開して大きくなった膿みの袋を除去しなければなりません。

5. 脳梗塞・心筋梗塞

虫歯菌は歯や神経を破壊すると、今度は血液の中にまで侵入してきます。
血液は血管の中を通っているため、虫歯菌は血管を通じて全身に回ってしまうのです。
この時、虫歯菌が脳に回れば脳梗塞を起こす可能性がありますし、
心臓に回れば心筋梗塞を起こす可能性があるのです。

最も、実際にこうした事態が起こる可能性は数値としてはごく稀です。
しかし現に虫歯の放置が原因で脳梗塞や心筋梗塞を招き、死亡したというケースもあるのです。
この場合の死因としては脳梗塞や心筋梗塞ですが、そのきっかけとなったのは虫歯の放置です。
虫歯の長年の放置が命にかかわる病気を招くことがある…これが虫歯の放置の最も怖い事実です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯を放置し続けるとどんな問題が起こるのかについてまとめます。

1. 虫歯菌は自然に消えない :虫歯菌は治療しない限り生き続け、やがて歯だけでなく全身に被害を及ぼす
2. 副鼻腔炎 :歯の根の先から出た虫歯菌が副鼻腔に溜まることで起き、鼻水や咳や頭痛を引き起こす
3. 骨髄炎 :骨髄が虫歯菌に感染することで起き、熱や嘔吐といった辛い症状を引き起こす
4. 歯肉が腫れて痛む :歯の根の先から虫歯菌がバラまかれることで起き、歯肉が腫れて痛む
5. 脳梗塞・心筋梗塞 :虫歯菌が血管を通じて脳や心臓に回ることで起き、実際に死亡例もある

これら5つのことから、虫歯を放置し続けるとどんな問題が起こるのかが分かります。
虫歯になりたての頃なら、例え放置しても被害を受けるのは歯のみに留まります。
しかしそれでもなお放置し続けることで、お口の中とは関係なく全く別の病気を招く恐れがあるのです。

副鼻腔炎、骨髄炎、脳梗塞、心筋梗塞、いずれも一見虫歯とは無関係に思えますが、
これらは虫歯を放置し続けることで起こり得る病気です。特に脳梗塞や心筋梗塞は命にかかわる病気であり、
虫歯の放置が命を失う要因になり得ることを忘れてはなりません。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』