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歯科コラム

神経を抜くってどういうこと?

2017年11月30日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯の神経を抜くことについて」です。
歯科治療の中で虫歯治療に限定すると、みなさんはどんな治療内容を連想するでしょうか。

「歯を削る」、「詰め物や被せ物を入れる」、「歯を抜く」…おそらくこの3つを連想すると思います。
確かに歯を削って詰め物や被せ物を入れるのは虫歯治療の基本ですし、末期段階なら抜歯を行います。
しかしもう1つ、「神経を抜く」という治療内容もあるのです。

神経を抜くケース

虫歯が歯の神経にまで到達、もしくはその付近にまで到達している場合、
治療において歯の神経を抜かなければならないケースがあります。
これは歯の神経が虫歯の原因菌に侵され、炎症を起こしてしまっているためです。

こうした歯の神経を抜いて処置する治療を根管治療と呼んでおり、
具体的にはC3段階まで虫歯が進行している場合に行います。
虫歯になった場合、大抵の方は痛みという自覚症状によって自分が虫歯であることに気付きます。

そして、この時点で虫歯を放置することで痛みややがて激痛に変化します。
これは虫歯が歯の神経まで到達したことが理由であり、
逆に言えば「激痛を感じるほどの虫歯治療では歯の神経を抜く」と考えれば良いでしょう。

根管治療とは

歯の神経を抜く治療、それは根管治療です。
根管治療とは専用の医療器具を使い、細菌に感染した神経を全て除去して根管内の洗浄・消毒を行います。
その後、根管に薬を詰めることで歯の機能の回復をはかる治療です。

ちなみに根管治療の根管とは文字どおり歯の根を意味していますから、
「根管治療=歯の根の治療」と捉えるとイメージしやすいと思います。
さて、この根管治療には以下の2つの問題があります。

治療が痛い
治療の難易度が高い

まず「治療が痛い」ですが、これは麻酔を使用することで対処が可能なので、特に大きな問題ではありません。
問題はもう1つの「治療の難易度が高い」で、根管内は直接見られない上に形状も患者さんによって異なります。このため、非常に難易度の高い治療になるのです。

仮に細菌を残した状態で根管治療を終えてしまえば、後に細菌が増殖してトラブルを招いてしまいます。
その意味でも、根管治療を受ける際は患者さんも歯科医院選びにこだわらなくてはなりません。
腕の悪い医師から治療を受けてしまうと、根管治療のやり直しということもあり得ます。

根管治療後の注意点

根管治療をした歯は治療によって神経が除去されているため、
栄養が行き届きにくくなって他の歯より脆くなっています。
また、神経を除去したことで痛みを感じなくなるため、歯の異変に気付く自覚症状を失った状態になります。

そこで重要になってくるのがメンテナンスです。
例えば虫歯にかかった時、多くの方は痛みを感じることで虫歯を自覚します。
しかしそれを感じなくなる以上、例え虫歯が再発してもそれに気付けなくなってしまうのです。

このため、定期検診を受けて患部のメンテナンスを行い、
虫歯の再発などがないかを定期的に歯科医に確認してもらうことが大切です。
もちろん、ブラッシングを中心とした自身のプラークコントロールも欠かしてはいけません。

根管治療を受けずにすむためには

ここまでの根管治療の説明を読んだ方は、根管治療に嫌なイメージを持ったことでしょう。
「神経を抜くことの怖さや痛さ」、「治療の難しさ」…これらの点から明らかに厄介な治療だと分かりますからね。
そうなると、できるだけ根管治療を受けたくないというのが患者さんとして当然の心理だと思います。

そこで根管治療を受けずにすむ方法を説明すると、
それは簡単で虫歯に気付いた時にいち早く治療を受けることです。
虫歯の痛みに気付きつつも放置すればやがて虫歯は歯の神経まで進行し、根管治療が必要になってきます。

もっと確実なのは日頃から定期検診を受けることです。そうすれば虫歯も初期段階で発見できるため、
根管治療が必要になるほど虫歯が進行してしまうことはないでしょう。
そうすれば、少なくとも虫歯が原因での根管治療の必要性はなくなります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯の神経を抜くことについてまとめます。

1. 神経を抜くケース :虫歯が歯の神経、もしくはその付近にまで進行してしまった時
2. 根管治療とは :専用の医療器具によって細菌に感染した神経を除去し、根管内を洗浄・消毒する治療
3. 根管治療後の注意点 :歯が脆くなっているため、定期的にメンテナンスを受けなければならない
4. 根管治療を受けずにすむためには :定期検診を受けていれば、そこまで虫歯を進行させることはない

これら4つのことから、歯の神経を抜くことについて分かります。
根管治療は虫歯の進行度によって虫歯治療の際に行います。
逆に言えば、そこまで虫歯を進行させなければする必要のない治療です。

歯の神経を抜くことで「痛み」という大切な自覚症状を失いますし、根管治療は何より痛みがあります。
当然患者さんとしてはやりたくない治療でしょうし、
その意味でも虫歯の早期発見と早期治療を大切に考えましょう。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』