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歯科コラム

「甘いものを食べると虫歯になりやすい」と言いますが、その理由を教えてください

2018年10月01日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「甘いものを食べると虫歯になりやすい理由」です。子供の頃、誰もが「甘いものを虫歯になる」と注意された経験があると思います。

そして年数が経って自分が親になれば、同じことを子供に注意するのではないでしょうか。最も、そうやって注意するからにはその理由を知っておく必要があります。そこで、ここでは甘いものを食べると虫歯になりやすい理由について説明します。

虫歯菌の働きとエネルギー

そもそも虫歯はその原因菌…つまり虫歯菌の出す酸で歯が溶かされることで起こります。ではなぜ虫歯菌は酸を出すのか?…簡単に言えばそれが虫歯菌の仕事だからです。さて、仕事と言えば私達も普段仕事をしていますが、仕事をするにはエネルギーが必要です。

食事をして体調を整え、エネルギーが充実している時ほどよく働けます。これは虫歯菌も同じで、エネルギーを得るほど虫歯菌も活発に働いて多くの酸を出します。そして、虫歯菌にとってエネルギー源となるのが糖なのです。

糖は甘い食べ物に含まれていますから、甘いものを食べるのは虫歯菌にエネルギーを与えることになります。つまり、「甘いものを食べればそれが虫歯菌のエネルギーとなって働きを活発にさせてしまう」、それが甘いものを食べると虫歯になりやすい理由です。

甘いものを食べなければ虫歯にならないか

甘いものを食べると虫歯になりやすい…では甘いものを一切食べなければ虫歯にならないのでしょうか?…それは違います。例え甘いものを食べなくても、歯磨きなどのケアを怠れば虫歯になってしまいます。確かに、甘いものを食べると虫歯菌が酸を出すスピードが速くなります。

しかし、甘いものを食べなくても虫歯菌は酸を出すため、放っておけばやがて虫歯になってしまいます。虫歯を予防するには虫歯菌が潜むプラークを除去しなければならず、そのために歯磨きは欠かせません。つまり虫歯菌が存在する以上、その虫歯菌が潜むプラークを除去しなければ虫歯の予防はできません。

甘いものを食べなければ虫歯菌の働きは活発にならないため、確かに虫歯になるリスクは減少します。しかしそれはきちんとケアをしていることが前提であり、ケアをしなければリスクの減少にはならないのです。虫歯を予防するには食生活の意識だけでなく、しっかりとしたケアを考えなければなりません。

虫歯を予防できる歯磨きの仕方

「甘いものを食べると虫歯になりやすい」と注意されたように、「歯磨きしないと虫歯になる」と注意された経験のある方もほとんどだと思います。これについては少し補足が必要で、ただ歯を磨ければ虫歯を予防できるわけではありません。

歯磨きにおいて大切なのは量ではなく質ですから、プラークを効率良く除去できる精密な歯磨きができていなければ虫歯の予防効果は半減します。ちなみに、精密な歯磨きをするためには以下の方法が効果的です。

方法1. デンタルフロスを使用する

デンタルフロスは歯と歯の間など、歯ブラシでは届かない箇所を綺麗にできます。このため、ブラッシングだけの歯磨きに比べてプラークの除去率がより高まります。ブラッシングだけの場合はプラークの除去率は6割ほどですが、デンタルフロスの使用でさらに2割高まります。

方法2. ブラッシング指導を受ける

歯科医院の検診や予防歯科では、ブラッシング指導を受けることができます。自分の歯並びに合った磨き方を指導してもらえるため、それを覚えることで歯磨きの技術が向上します。正しい歯の磨き方を知るには、このブラッシング指導を受けるしか方法はありません。

方法3. プラークテスターを使用する

プラークテスターを使用すれば磨き残したプラークを染色できるため、プラークを目で確認して確実に磨き残しをなくせます。また、数日連続して使用することで磨き残しのパターンが分かり、自分の歯磨きの弱点を把握できます。

…このような方法で歯磨きの精度を高められます。最も、歯磨きだけでは虫歯予防として不充分のため、糖の摂取を控えるなどの食生活の改善、さらには定期的な検診の受診が必要です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、甘いものを食べると虫歯になりやすい理由についてまとめます。

1. 虫歯菌の働きとエネルギー :虫歯菌は糖をエネルギーにして多くの酸を出す
2. 甘いものを食べなければ虫歯にならないか :歯磨きなどのケアを怠れば虫歯になる
3. 虫歯を予防できる歯磨きの仕方 :デンタルフロスを使用する、ブラッシング指導を受けるなど

これら3つのことから、甘いものを食べると虫歯になりやすい理由について分かります。虫歯の原因は虫歯菌の出す酸で歯が溶かされるためですが、虫歯菌にとって酸を出すことは仕事です。仕事はエネルギーを得るほど活発になり、その点は私達も同じですね。

そして虫歯菌にとってのエネルギーは糖であり、糖は甘いものに含まれています。つまり甘いものを食べると虫歯になりやすい理由は、甘いものに含まれる糖が虫歯菌の働きを活発にさせるエネルギーになってしまうからです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』