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歯科コラム

歯並びが悪い人は歯周病になりやすいと聞きましたが、それはなぜですか?

2018年12月10日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯並びの悪さが招く歯周病のリスク」です。歯並びが悪いとどんな問題があるか?…その答えとして真っ先に挙がるのは審美性の問題でしょう。

歯並びが悪いと口元の見た目が悪くなりますし、実際に矯正治療を受ける方のほとんどが、「口元を美しくしたい」が目的です。しかし歯並びの悪さが引き起こす問題はそれだけではなく、歯周病になるリスクも高めます。

歯並びの悪さで歯磨きの精度が落ちる

歯並びが悪く凸凹していると、歯磨きがしづらくなります。そして歯磨きがしづらくなれば歯磨きの精度が落ち、磨き残しが増えてしまいます。特に歯と歯が重なる箇所などはプラークが溜まりやすく、そのため歯石もできてしまうでしょう。

つまり、歯並びが悪いことで効率良いプラークコントロールができなくなるのです。このため歯並びが良い人に比べると歯周病になりやすく、虫歯においても同様のことが言えるのです。また、歯が重なっている場合などはデンタルフロスも効果的に使用できません。

歯並びの悪さで口呼吸になる

歯並びが悪いと、状態によっては口呼吸になります。口呼吸にあると呼吸時に乾燥した空気を直接口の中に取り込むため、酸欠状態の環境を好む嫌気性菌の働きが活発になってしまいます。

そして歯周病の原因菌も嫌気性菌のため、「口の中が乾燥する=歯周病の原因菌が活発に働く」ということになります。それはつまり、歯周病になるリスクを高めることになるのです。

歯並びの悪さで噛み合わせが悪くなる

歯並びが悪ければ、当然噛み合わせも悪くなります。そして、噛み合わせの悪さが歯周病になるリスクを高める原因になります。と言うのも、噛み合わせが悪いと噛んだ時に特定の歯に負担をかけることになります。

負担がかかると歯はもちろんですが、その歯を支える歯肉にもダメージを与えてしまい、歯肉に炎症が起こって歯周病になってしまうことがあるのです。噛み合わせの悪さは、他にも肩こりや頭痛や腰痛、さらには顎関節症になるリスクを高める原因にもなります。

歯周病の意外な知識

歯周病は虫歯同様に一般的な病気ですが、あまりよく知らないという方も多いですね。そこで、歯周病についての意外なことをお伝えします。

歯周病は女性の方がなりやすい

歯周病の原因菌の中には、女性ホルモンをエネルギーとするものがあります。このため、女性ホルモンの分泌か過剰になる時期においては女性が歯周病になるリスクが高くなります。

若い人でも歯周病になる

実際、日本人の成人の約7割が歯周病をもっているとされていますし、初期の歯周病に相当する歯肉炎においては小学生の子供でもなる可能性があります。

口臭がすると歯周病の可能性が高い

歯周病の自覚症状の一つとして、「口臭がする」があります。歯周病で口臭がするのは、歯周病の原因菌の繁殖、歯肉からの出血や膿みなどが原因です。

タバコを吸うと歯周病になりやすい

喫煙者が歯周病になるリスクは、非喫煙者の5倍以上とされています。また、喫煙することで歯周病の発覚が遅れやすく、そのため重症化しやすい傾向があります。

インプラントでも歯周病になる

人工の歯、人工の歯の根、いずれも人工物であるインプラントも歯周病になります。正確にはインプラント周囲炎と呼ばれ、歯周病は歯の骨の病気ですから、例え歯が人工物でも発症します。

歯周病が進行すると手術が必要になる

手術と言ってもお腹ではなく歯肉を切開する手術です。歯周病治療の基本はプラークや歯石の除去ですが、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、歯肉を切開しなければこれらを除去できなくなります。

歯並びが悪い人の歯磨き

確かに、歯並びが悪いと歯磨きの精度が落ちて歯周病になるリスクが高まります。しかし、次の方法を実践すれば歯磨きの精度を大幅に高めることができます。

ブラッシング指導を受ける

定期検診や予防歯科ではブラッシング指導を行っています。その人の歯並びに合わせた磨き方を指導するため、歯並びが悪い人でもプラークの除去率が高まります。

プラークテスターを使う

プラークテスターを使えば磨き残したプラークを染色し、目で見える状態にできます。このため、磨き残したプラークを確実に除去できます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯並びの悪さが招く歯周病のリスクについてまとめます。

1. 歯並びの悪さで歯磨きの精度が落ちる :歯並びが凸凹していることで歯磨きがしづらいため
2. 歯並びの悪さで口呼吸になる :口呼吸になると、口の中が歯周病の原因菌が活発に働ける環境になる
3. 歯並びの悪さで噛み合わせが悪くなる :歯肉に負担をかけ、歯周病になるリスクを高める
4. 歯周病の意外な知識 :歯周病は女性の方がなりやすい、若い人でも歯周病になるなど
5. 歯並びが悪い人の歯磨き :ブラッシング指導やプラークテスターの使用により、精度を高められる

これら5つのことから、歯並びの悪さが招く歯周病のリスクについて分かります。歯並びの悪さは単に審美性だけでなく、健康面においても問題をもたらします。それは、虫歯や歯周病になるリスクを高めてしまうことです。そう考えると、矯正治療は審美性を高めるだけでなく、大切な歯を守れるメリットもあると言えます。

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