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歯科コラム

虫歯と歯周病は全く別物ですか?もし別物なら、なぜ予防方法がほとんど同じなのですか?

2018年12月24日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯と歯周病の比較」です。虫歯と歯周病は全く別の病気ですが、予防方法に至ってはほとんど同じです。

しかし、考えてみるとそれは疑問に思うことかもしれません。なぜ病気としては別物なのに予防方法は同じなのか?…そう思う方も多いのではないでしょうか。そこで、ここでは虫歯と歯周病において予防方法を中心とした比較をしていきます。

虫歯と歯周病の予防方法が同じ理由

虫歯は歯の病気、歯周病は歯の骨の病気、虫歯と歯周病は病気の種類も発症する箇所も全く違います。しかし、それぞれの原因菌がプラークに含まれるという共通点があります。みなさんも知っているとおり、プラークは歯の表面に付着する細菌の棲み処です。

つまり、虫歯も歯周病もプラークの除去が予防の基本になるわけで、そのため予防方法が同じなのです。最も、原因菌が異なる以上、一方が予防できてもう一方が予防できないケースもあり、虫歯がないからといって歯周病がないとは限らないですし、その逆においても同様です。

虫歯と歯周病はどちらが怖いのか

一般的には虫歯の方が怖いと考える方が多いと思います。と言うのも、歯周病には目立った自覚症状ないですが、虫歯には痛みという分かりやすい自覚症状があります。歯の痛みは非常に辛いですから、そのため歯周病より虫歯の方が怖いと考える方が多いのです。

しかし実際にはどちらも怖い病気であり、どちらの病気も最終的には歯を失います。虫歯は歯が溶かされてボロボロになり、歯周病は歯を支える骨が溶かされて歯が抜け落ちてしまい、虫歯と歯周病は比較できないくらいどちらも怖い病気です。

歯が痛くなければ虫歯も歯周病もないと言えるのか

自分の歯は健康だと断言する理由として、「歯が痛くない」は何の参考にもなりません。まず歯周病ですが、元々歯周病は歯に痛みを感じることがなく、重症化して歯がグラつかない限り歯が痛むことはないでしょう。

一方虫歯は歯が痛むものの、虫歯のケースによってはそうでないこともあります。例えば初期の虫歯、神経を失った歯の虫歯、神経を失って虫歯治療した歯の二次虫歯、これらの虫歯にはいずれも痛みがなく、そのため「歯が痛くない=虫歯がない」とは限りません。

虫歯と歯周病の治療方法

虫歯と歯周病は予防方法こそ同じですが、治療方法は全く違います。虫歯治療の基本は歯を削って詰め物で処置することで、歯周病治療の基本はプラークや歯石を除去して口の中を清潔な状態にすることです。

ただしこれらは基本治療であり、どちらの病気も進行した場合は全く別の治療を行うこともあります。虫歯の場合は神経の除去や根管内を清掃する根管治療、歯周病の場合は歯肉を切開して直接歯周ポケットを清掃するフラップ手術が必要な場合があります。

虫歯や歯周病になりやすい人

虫歯や歯周病になりやすい人を考えると、歯磨きをきちんとしない人を連想すると思います。確かにそのとおりですが、それ以外にも意外な理由によって虫歯や歯周病になりやすい人がいます。

歯並びが悪い人

歯並びが悪いと歯磨きがしづらくなりますから、歯磨きの精度が落ちます。そうなると磨き残しが増えてしまい、プラークが蓄積されて虫歯や歯周病になりやすくなります。

女性(歯周病)

歯周病は女性の方がなりやすいとされており、これは歯周病菌が女性ホルモンをエネルギーにするからです。妊娠時など、女性ホルモンが過剰に分泌される時期は歯周病になりやすくなります。

唾液の量が少ない人

唾液は細菌を洗い流す役割を担っており、食事の時に唾液がたくさん出るのはそのためです。しかし、唾液の量が少ないとその役割が不充分になり、虫歯や歯周病になりやすくなります。

家族が虫歯や歯周病になっている人

虫歯菌も歯周病菌も唾液を介して人から人にうつります。このため、家族が虫歯や歯周病になっているとこれらの原因菌をうつされる可能性があります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯と歯周病の比較についてまとめます。

1. 虫歯と歯周病の予防方法が同じ理由 :どちらの原因菌もプラークの中に含まれているため
2. 虫歯と歯周病はどちらが怖いのか :どちらも怖く比較できない。虫歯も歯周病も最終的に歯を失う
3. 歯が痛くなければ虫歯も歯周病もないと言えるのか :言えない。歯が痛まないケースの虫歯もある
4. 虫歯と歯周病の治療方法 :予防方法は同じだが、治療方法においては虫歯と歯周病で全く異なる
5. 虫歯や歯周病になりやすい人 :歯並びが悪い人、女性(歯周病)、唾液の量が少ない人など

これら5つのことから、虫歯と歯周病の比較について分かります。虫歯と歯周病では原因菌が異なりますが、どちらの原因菌もプラークの中に含まれています。つまりどちらもプラークの除去が予防の基本となり、同じ予防方法になっているのです。とは言え、起こる症状や治療方法は全く異なるため、虫歯と歯周病の共通点はほとんどありません。しかしもう一つ大きな共通点があり、それは進行すると最終的に歯を失うことです。

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