ホーム > 歯科コラム > 妊娠中でもホワイトニングできますか?

歯科コラム

妊娠中でもホワイトニングできますか?

2019年03月15日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。今回のテーマは「ホワイトニングできないケースについて」です。妊娠中は、それまでに比べて医療において様々な制限がつきます。

例えば体調不良の際は薬の類の多くが飲めなくなりますし、悪阻の時期であれば長時間の治療は体調的に考えて不可能でしょう。では、審美治療となるホワイトニングをすることはできるのでしょうか。

妊娠中のホワイトニングについて

妊娠中のホワイトニングはおすすめできません。国で禁じられているわけではないですが、妊娠中のホワイトニングの希望を受け付ける歯科医院はほとんどないでしょう。その理由は、ホワイトニングで使用する薬剤の胎児への影響です。

ただ、ホワイトニングの薬剤がお腹の胎児に影響するのかについては現状不明です。つまり、影響がないかもしれないですし、影響があるかもしれません。そして影響がある可能性がゼロではない以上、妊娠中のホワイトニングはおすすめできないのです。

ホワイトニングの必要性

妊娠中のホワイトニングはそもそも必要なのかという問題もあります。ホワイトニングは100%審美目的の審美治療であって、健康目的の治療ではありません。ですから、ホワイトニングしないことで身体が不健康になるわけではありません。

この審美目的の治療を敢えて妊娠中のタイミングで行う意味はなく、患者さんに余程の事情がない限りおすすめできないでしょう。妊娠中は我慢して、問題のない時期になったらホワイトニングすれば良いのです。

ホワイトニングできる時期

妊娠中にホワイトニングを考えた場合、それができる時期は少しだけ先になります。出産後は授乳が始まりますが、ホワイトニングの薬剤が母乳に影響がある可能性も否定できないため、ホワイトニングできるのは授乳を終えてからになります。

例えば病気で手術を行う場合、手術という治療において少なからずリスクが発生します。しかしそれでも手術を行うのは、身体の健康において必要な治療だからです。一方、審美治療にそのような緊急性はないため、リスクがあるタイミングで行うべきではありません。

ホワイトニングできない人

妊娠中にホワイトニングできように、患者さんの状態によってはホワイトニングできないケースは他にもあります。次のケースでは歯科医の判断によってホワイトニングできない可能性があります。

・虫歯や歯周病がある人
虫歯や歯周病がある人でもホワイトニングはできますが、それは虫歯や歯周病の治療を終えてからです。つまり虫歯や歯周病がある場合、ホワイトニングよりもこれらの治療を優先しなければなりません。

・重度の知覚過敏の人
ホワイトニングで使用する薬剤は知覚過敏の要因になるため、重度の知覚過敏の人はホワイトニングを避けた方が良いでしょう。

・18歳未満の人
ホワイトニングに明確な年齢制限はないですが、18未満の人だと歯が成長途中であるため、ホワイトニングの薬剤が歯へのダメージになることを考慮して基本的におすすめできません。

・無カタラーゼ症の人
無カタラーゼ症の人は、ホワイトニングの薬剤に含まれる過酸化水素を分解できません。有害物質として身体の中に残ってしまうため、ホワイトニングできません。

妊娠中は歯の健康に注意

妊娠中は虫歯や歯周病になりやすくなるため、ホワイトニングよりも歯の健康への注意が必要です。最も、「お腹の胎児に歯のカルシウムを吸収される」と言われるのは間違いで、悪阻による歯磨きのしづらさ、悪阻の嘔吐による口腔内の環境の問題などが理由です。

また、妊娠中は女性ホルモンのバランスが乱れて歯周病菌の働きが活発になります。さらに、妊娠中の歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高めてしまいます。このため、妊娠中は歯の審美よりもむしろ健康に注意すべきです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングできないケースについてまとめます。

1. 妊娠中のホワイトニングについて :胎児への影響が不明のため、妊娠中はおすすめできない
2. ホワイトニングの必要性 :完全な審美治療であるホワイトニングを妊娠中にする必要性はない
3. ホワイトニングできる時期 :薬剤の母乳への影響も考慮して、出産して授乳を終えてから
4. ホワイトニングできない人 :虫歯や歯周病がある人、重度の知覚過敏の人、18歳未満の人など
5. 妊娠中は歯の健康に注意 :歯の審美よりも健康に注意すべき。妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい

これら5つのことから、ホワイトニングできないケースについて分かります。ホワイトニングの薬剤による胎児への影響の有無は、現状では不明です。しかし不明だからこそ、影響があることを考えて妊娠中のホワイトニングはおすすめしていません。

そもそもホワイトニングは歯の健康とは関係なく、完全な審美目的の治療です。ですから敢えてリスクのある妊娠中に治療する必要性はなく、無事に出産して授乳を終えてから、後は好きなタイミングでホワイトニングすれば良いのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』