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歯科コラム

歯周病ですが痛みなど全くないですし、歯周病がなぜ怖い病気なのか分かりません

2019年04月08日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病の怖さを知る」です。
歯周病と虫歯を怖さで比較した場合、おそらくほとんどの人が後者…つまり虫歯の方が怖いと考えるでしょう。

なぜなら虫歯は歯が痛むからで、一方の歯周病にそのような痛みは感じないからです。
だから歯周病は怖くないと考える人がいますが、それは大きな間違いです。
歯周病は虫歯同様に怖い病気ですし、むしろ虫歯よりも怖い一面もあるのです。

痛みを感じないことの怖さ

確かに歯周病になっても痛みはほとんど感じませんが、それこそが歯周病の怖さです。
これは歯周病に限ったことではなく、病気において痛みを感じないのは非常に怖いことで、なぜなら痛みは病気の発症に気づくきっかけとなる大切な自覚症状だからです。

例年のように流行するインフルエンザで考えてみてください。発熱や関節の痛みは確かに辛いですが、これらの症状があるからこそインフルエンザを自覚して病院に行きます。
一方、仮に発熱も関節の痛みもなければ普段の体調と変わらないと思ってしまうでしょう。

そうなれば誰もが外出して、その結果ほとんどの人がインフルエンザに感染してしまいます。
歯周病は痛みがない点では辛さや苦しさはないですが、その分だけ病気を自覚しにくい問題があります。
このため重症化もしやすく、それが虫歯にはない歯周病ならではの怖さと言えるでしょう。

歯を失う怖さ

勘違いしやすいのですが、歯周病は歯肉の病気ではありません。
「歯の周りの病気」と書く点から歯の周り…すなわち歯肉の病気と考える人がいます。
確かに歯周病になると歯肉が腫れますが、あくまでそれは初期の歯周病の症状です。

正確には歯周病は歯の骨の病気であり、進行することで歯を支える歯槽骨が溶かされてしまいます。
それは歯が支えを失うことを意味しており、支えを失えば歯は抜け落ちてしまいます。
つまり、歯周病になると最終的に歯を失ってしまうのです。

実際、歯を失う要因として最も多いのは歯周病ですから、大切な歯を一生守る上で歯周病は天敵のような存在です。
虫歯の痛みは確かに辛いですが、歯周病には歯を失うという怖さがあるのです。

インプラントでも安心できない怖さ

インプラントは人工の歯の根を再現することで天然の歯に近い感覚を得られます。
このため、歯を失った時の手段として第二の永久歯と呼ばれるほどの画期的な治療方法です。
さて、インプラントをしている人はその歯において虫歯は全く怖くないでしょう。

何しろ、いくら天然の歯と言ってもそれは人工の歯ですから、天然の歯のように虫歯になることは絶対にないからです。
しかし歯周病は別で、歯の骨の病気である歯周病はインプラントでも発症します。

正確にはインプラント周囲炎と呼ばれる症状で、いくら歯が人工物でも周囲の歯周組織や骨が天然のものであるため発症するのです。
しかも、インプラント周囲炎は歯周病以上に進行が早い特徴があります。

生活習慣病の怖さ

歯周病は生活習慣病であり、その怖さは日常生活の過ごし方次第で発症のリスクが高まることです。
歯周病も虫歯同様、プラークに含まれる原因菌の感染によって発症するため、しっかり歯磨きしていれば予防できると思うかもしれません。

確かに歯磨きは歯周病予防において大切ですが、あくまでそれは予防のための基本であり、歯周病は日常生活の過ごし方次第で予防が難しくなる病気です。
例えば疲労が溜まって身体の免疫力が低下すれば、歯周病の原因菌に感染しやすくなってしまいます。

また、喫煙している人はその行為自体が発症のリスクを高め、同時に重症化しやすいリスクまで高めます。
とは言え、普段の生活習慣をすぐに改善するのは実際のところ難しいでしょう。
それはすなわち予防の難しさを意味しており、それもまた歯周病の怖いところです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の怖さを知るについてまとめます。

1. 痛みを感じないことの怖さ :痛みを感じないことは、歯周病に気づくきっかけを失うことにもなる
2. 歯を失う怖さ :歯周病は歯肉ではなく歯の骨の病気。進行すると最終的に歯を失う
3. インプラントでも安心できない怖さ :人工の歯であるインプラントでも歯周病になる
4. 生活習慣病の怖さ :日常生活の過ごし方次第で発症しやすくなり、予防も難しくなる

これら4つのことから、歯周病の怖さを知るについて分かります。
歯周病は痛みがないから怖くないと思われがちですが、それは全くの逆で、痛みがないからこそ怖いのです。
なぜなら、口腔内の健康においては「歯が痛くない=健康」と考える人が多いからです。

しかし歯周病に痛みがない以上、歯の痛みの有無は口腔内の健康を判断する根拠にはならず、そのためあなたの歯が痛くなくても実は歯周病になっている可能性があることになります。
そう考えると怖く思えてしまうとおり、歯周病は怖い病気なのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』