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歯科コラム

歯周病が人にうつるって本当ですか?どうやってうつるのですか?

2019年04月22日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病は人から人にうつる」です。
「歯周病は人にうつる」と聞いたことがある人も多いと思います。

これについて半信半疑の意見が多いのでお答えすると、
「歯周病がうつる」は表現としては正しくなく、正しくは「歯周病菌がうつる」です。
今回、その点について分かりやすく説明していきます。

「歯周病菌がうつる」とは?

ある人が中期段階の歯周病だとして、それがそっくりそのまま別の人にうつることはなく、
そのため「歯周病がうつる」は表現として正しくありません。
しかし、ある人が持つ歯周病菌が別の人に移動する…つまりうつることはあります。

これは風邪と同じですね。38度の熱がある人の風邪が他の人にうつっても、
その瞬間にうつされた人に38度の熱が出るわけではなく、風邪の原因菌がうつるわけですからね。
歯周病も直接症状がうつわけではないですが、その原因菌がうつるのは事実です。

歯周病菌はどうやってうつる?

歯周病菌は唾液を介して人から人にうつります。つまり唾液を介す行為によってうつるわけですが、
行為から考えてそれは家族、友人、恋人など親しい間柄でしかうつることはありません。
具体的な行為としては「回し飲み」、「食器の共用」、「歯ブラシの接触」、「キス」などが挙げられます。

歯周病にかかっている人の唾液には歯周病菌が含まれていますから、
唾液を介すことで歯周病菌を受け取ってしまう形になるのです。
そして、歯周病菌を受け取ることで歯周病が発症する可能性が出てきます。

歯周病菌は親から子へもうつる?

うつります。歯周病は重度段階まで進行すると歯が抜け落ちてしまいますが、
その症状から高齢の人がかかる病気のイメージがあります。
しかし歯周病にはそのような年齢の限定はなく、例え小学生の子供でも発症することがあります。

最も、小学生くらいの年齢なら代謝も活発なため歯が抜けるほど歯周病が進行することはまずないでしょう。
しかし初期の歯周病に該当する歯肉炎にかかる子供はたくさんいますし、
もっと小さな子供を対象とした母子感染も問題になっています。

歯周病菌をうつされないためには?

唾液を介す行為でうつるわけですから、それをしなければ100%うつることはありません。
とは言え、家族や友人や恋人とそれに該当する行為を完全に避けることは不可能でしょう。
ですから、うつされない方法よりも歯周病自体を予防することを考えましょう。

<歯周病の予防方法>

精密な歯磨き

デンタルフロスや歯間ブラシを使い、プラークの除去率を少しでも高める歯磨きをしてください。
歯磨きにおいて大切なのは頻度ではなく精度ですから、
予防歯科や定期検診を受けて正しい歯磨きの方法も知っておくと良いでしょう。

生活習慣の改善

歯周病は生活習慣病ですから、日常生活の中に発症のリスクを高める要因がいくつもあります。
例えばストレスや疲労によって身体の免疫力が低下すると歯周病菌に感染しやすくなります。
このため、日常生活の過ごし方を見直して生活習慣を改善することも歯周病の予防において大切です。

定期検診の受診

定期検診では歯のクリーニングやブラッシング指導、生活習慣改善のアドバイスなどを行います。
これらはいずれも歯周病の予防効果を高めることにつながりますし、
定期検診をきちんと定期的に受診していれば、歯周病にかかっても早期発見と早期治療が可能です。

…歯周病を予防するにはこれら3つのことが効果的です。
家族や友人や恋人と一緒に予防すれば、お互い歯周病菌をうつしあうこともなくなります。

歯周病菌をうつされたら気づく?

歯周病菌をうつされてもそれに気づくことは不可能です。
そもそもプラークがある以上は歯周病菌もそこに含まれていますから、
ある意味歯周病菌は口腔内で常に存在していると考えても良いでしょう。

また、例え歯周病にかかってもそれに気づくのは難しく、
目立った自覚症状の起こらない歯周病は「静かなる病気」とも呼ばれます。
歯周病の有無を確実に知るには、歯科医院で診察を受けることです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病は人から人にうつるについてまとめます。

1. 「歯周病菌がうつる」とは? :歯周病が症状ごとうつることはないが、歯周病菌は人から人へうつる
2. 歯周病菌はどうやってうつる? :唾液を介してうつる。行為としては「回し飲み」や「食器の共用」など
3. 歯周病菌は親から子へのうつる? :うつる。実際に歯周病の母子感染が問題になっている
4. 歯周病菌をうつされないためには? :家族、友人、恋人同士で予防意識を高めること
5. 歯周病菌をうつされたら気づく? :気づかない。歯周病にかかったとしても気づきにくい

これら5つのことから、歯周病は人から人にうつるについて分かります。
歯周病は人から人にうつりますが、正確にはその原因菌…つまり歯周病菌がうつります。
しかし、歯周病菌が相手にうつるということは、相手が歯周病にかかるリスクが高まるということです。
それもその相手は自分にとって親しい関係の相手になるため、
うつるのは原因菌とは言え、そうならないように普段から予防意識を高めなければなりません。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』