精密根管治療

アメリカ式精密根管治療」について

「アメリカ式根管治療」とは主にアメリカの根管治療専門医が行う術式を用いた治療方法です。複雑な形をした根管を治療するには、より精度の高い診断装置、強拡大装置、治療器具、殺菌性のある根管充填材料が必要です。

治療前にCT撮影をして、レントゲンではわからない3次元的な根の形や、病気の位置を把握します。またこの時点でレントゲンではわからない破折も見える場合があります。

通常の根管治療で使用する「ステンレススチール」のファイルやリーマーの他に、形状記憶合金である「ニッケルチタン」性のファイルを使用します。また専用のモーターを使用しますが、形状記憶で柔らかく、根管の形を追従し形態を損ないづらいのが特徴です。

唾液の中には数千億の細菌がいると言われております。精密根管治療では「ラバーダムシート」と呼ばれるゴムのシート(もしくは「ZOO(特殊なバキューム装置)」)を用いて根管内に唾液が侵入しないように治療を行います。

他にも「マイクロスコープ」という歯科用顕微鏡を用いて治療を行います。最大20倍強の拡大で根の中を見ながら治療を行います。

1回の治療時間に60分〜180分の時間を頂いております。治療期間が長くかかればかかるほど予後が悪くなる可能性があります。(※薬を作用させるために長くかける場合もあります。)

最終的に詰める薬:根管充填剤にはMTAセメントというものを使用します。強アルカリによる殺菌効果があり、殺菌効果の持続時間が長く続きます。また膨張性もあるので緊密な根管充填が可能です。

数パーセントの確率で、根の先にできた病気が精密根管治療だけでは治らない場合があります。その場合には「外科的根管治療」が必要になります。

根管治療を行っても根が割れてしまうと抜歯の適応となり、精密根管治療も意味がなくなってしまします。精密根管治療後は根が割れないように「ファイバーコア」を入れて下さい。その後は早めに補綴処置を受けてください。
※元々割れている場合やヒビが入っている根は、アメリカ式精密根管治療の対象にはなりません。