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歯科コラム

神経を抜くと虫歯になりやすい?

2018年01月16日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯の神経を抜くと虫歯になりやすいのか」です。
歯の神経を抜くデメリットはいくつかありますが、その中に「虫歯になりやすい」というのがあります。

さて、これは本当なのでしょうか。歯の神経を抜く以上、その人は虫歯になって治療したことになりますし、
虫歯が歯の神経まで進行している点を考えると、今後同じ目に遭わないように予防を徹底するでしょう。
それでも歯の神経を抜くと虫歯になりやすくなるというのは、一体なぜなのでしょうか。

自覚症状を失う問題

歯の神経を抜くと、患部は痛みを感じなくなります。
痛みを感じないという点からこれをプラスに捉える人がいますが、それは大きな間違いです。
と言うのも、痛みは健康に異状をきたしたことに気付くための大切なきっかけになるからです。

これは虫歯に限ったことではないですが、痛みという自覚症状があるからこそ病気に気付けます。
お腹が痛むことでお腹の病気に気付き、頭痛がすることで頭の病気に気付く、
さらに言えば、歯が痛むことで虫歯に気付けるのです。

しかし神経を抜くことで痛みを感じなくなるため、患部に再度虫歯が起こっても歯は痛みません。
歯が痛まないからこそ虫歯に気付けず、治療しないことで重症化してしまいます。
つまり歯の神経を抜けば、いつの間にか虫歯になっている事態が起こるのです。

栄養が供給されない問題

栄養を摂らないと不健康になる…これは歯においても言える事実です。
歯の神経はただ痛みを伝えるだけでなく、歯に栄養を送る役割も果たしています。
そんな歯の神経が失われてしまえば、当然歯に栄養が行き届かなくなるのです。

栄養が供給されない歯は他の歯に比べて脆く、欠けや割れが起こりやすい状態になります。
さらに細菌に対する抵抗力も弱まるため、すぐに虫歯になってしまいます。
また虫歯とは無関係ですが、栄養が供給されないことで歯も変色して見た目も悪くなってしまうのです。

詰め物や被せ物の材質の問題

神経を抜くほどの虫歯となると、治療時に歯を削る範囲も広くなります。
治療後は詰め物や被せ物で処置しますが、これらの材質によっては虫歯の再発が起こりやすくなります。
例えば銀歯にした場合、プラークが付着しやすい上に接着も剥がれやすい特徴があります。

このため詰め物や被せ物と歯との間に隙間が生じ、
そこから細菌が侵入して二次虫歯を引き起こしてしまうのです。
この二次虫歯を予防するには、セラミックの詰め物や被せ物を使用するのが効果的です。

神経を抜かない治療方法

そもそも虫歯治療では、できるだけ神経を抜かずに治療することを前提に考えています。
しかし、虫歯の進行状態によってはどうしても抜かなければならないことがあります。
ただ最近では、そんな場合でも神経を抜かずにすむ治療方法を採用している歯科医院もあります。

ドックベストセメント治療
殺菌力の非常に高い薬剤を使用して、神経に入り込んだ細菌を無菌化する治療方法です。
ちなみに薬剤には鉄イオンと銅イオンが成分として含まれています。

3MiX法
虫歯をある程度残しつつ、表面を処理して神経を残す治療方法です。
神経の部分に薬剤を詰め、その後は仮の詰め物で期間をあけます。
それで痛みが出ないようであれば、改めて詰め物をしっかりと入れて処置します。

…こうした治療方法が存在します。ただし必ずしも適用できるとは限らず、
虫歯の状態によってはやはり神経を抜かなければならないケースもあります。

定期検診の重要性

神経を抜いた歯は虫歯になりやすく、さらに痛みという自覚症状が失われることから、
「虫歯になりやすい上に気付きにくい」という問題が生じます。
そして、この問題を解消できる方法が歯科医院の定期検診です。

定期検診ではお口の状態を歯科医がチェックするため、
痛みを感じなくても仮に虫歯になっていた場合は確実に発見して治療できます。
これで虫歯が重症化しやすい問題を防ぐことができるでしょう。

さらに、お口のクリーニングやブラッシング指導によって予防効果が高まるため、
虫歯になりやすいリスクを大幅に減らすことができます。
このため、神経を抜いた人は3ヶ月に1回は歯科医院で定期検診を受けましょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯の神経を抜くと虫歯になりやすいのかについてまとめます。

1. 自覚症状を失う問題 :痛みを感じなくなるため、痛みによって虫歯に気付くことができなくなる
2. 栄養が供給されない問題 :歯が不健康になって脆くなり、細菌にも感染しやすくなる
3. 詰め物や被せ物の材質の問題 :銀歯にした場合は二次虫歯のリスクが高まる
4. 神経を抜かない治療方法 :ドックベストセメント治療など、神経を抜かない治療方法も存在する
5. 定期検診の重要性 :虫歯になりやすく重症化しやすい点から、定期検診を受けることが重要になる

これら5つのことから、歯の神経を抜くと虫歯になりやすいのかが分かります。
歯に栄養が行き届かない、さらには詰め物や被せ物の材質の問題で、
神経を抜いた歯は虫歯になりやすくなります。
さらに自覚症状が失われることで虫歯に気付きにくく、その影響で虫歯が重症化しやすくなってしまうのです。

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