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歯科コラム

総入れ歯になった場合、噛み方にコツなどはあるのでしょうか?

2017年04月06日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「総入れ歯の噛み方のコツ」です。
総入れ歯にしたての頃は、なかなか上手に噛めずに苦労するでしょう。

最も、上手に噛めないのは総入れ歯に不慣れなせいもありますが、
やはり総入れ歯では天然の歯と同様の噛み方ができないのが事実です。
そこで、総入れ歯で上手に噛むためのコツをお伝えするので、不自由さの解消に役立ててください。

1. 総入れ歯の咬合力

上下の歯で噛みしめた時の力を咬合力と呼びますが、これは単純に噛む力の数値でもあります。
さて、天然の歯の咬合力を基準にした場合、総入れ歯の咬合力はそのおよそ3割とされており、
つまり天然の歯の3割ほどの力でしか噛むことができないことになります。

このため、総入れ歯では天然の歯と全く同じものは食べられないことを知っておかなければなりません。
とは言え、噛むのを恐れてやわらかいものだけ食べていると、噛む刺激が脳に伝わらなくて認知症を招きます。
「全く同じものは食べられないけどやわらかいものだけ食べてはいけない」…この事実を心得ておきましょう。

2. 前歯と奥歯の役割

前歯と奥歯はそれぞれ異なった役割を持っており、前歯は噛む、奥歯はつぶすのがその役割になります。
これは天然の歯も同じことなのですが、総入れ歯の場合はこの基本を守って噛む必要があるのです。
総入れ歯は天然の歯と違って歯の根がないことから、簡単に外れてしまいます。

仮に前歯だけを使って食事したとすると、前歯だけに負担が掛かることから奥歯が浮き上がってしまうのです。一方だけに力が掛かることで浮き上がる…言わばシーソーと同じ原理です。
このため、前歯で噛んで奥歯でつぶすという基本を守り、前歯と奥歯を均等に使うようにしましょう。

3. 両側の歯の使い方

総入れ歯では前歯と奥歯がシーソー状態であるように、両側の歯もやはりシーソー状態になっています。
つまり、片側の歯だけで噛むクセがあると反対側の歯が浮き上がってしまうのです。
これを防ぐ方法は一つであり、それは両側の歯で均等に噛むことです。

ちなみに、両側の歯で均等に噛むこと自体は難しくないですし、慣れも技術も必要ありません。
厄介なのは、既に片側の歯だけで噛むクセがついている場合です。
入れ歯がシーソー状態になることを頭に入れ、必ず両側の歯で均等に噛めるようクセを直してください。

4. 慣れないうちはやわらかいものを食べる

総入れ歯ではあまり硬いものは食べられないものの、
噛まずにすむようなやわらかいものだけを食べるのは脳に悪影響を及ぼします。
しかし、慣れないうちは焦らずにやわらかいものを食べて総入れ歯の噛み方に慣らしていきましょう。

最初から硬いものを食べるとどうしても上手に噛めないですし、
そもそもその硬さのものを食べるのが不可能なのかもしれません。
やわらないものから徐々に慣らしていけば上手に噛めるようになりますし、
どこまでのものが食べられてどこまでのものが食べられないかも分かってくるでしょう。

5. 噛み合わせの調整の必要性

総入れ歯に慣れるまでの時間には個人差がありますが、
どうしても上手に噛めない時には歯科医院に行って相談してみましょう。
もしかすると不慣れなのが原因ではなく、噛み合わせが合っていない可能性もあるからです。

噛み合わせの悪さは天然の歯においても問題ですが、入れ歯の場合はさらに問題です。
噛み合わせが合っていないことで上手に噛めなくなりますし、何より入れ歯自体にダメージも与えます。
実際に総入れ歯の使用後は調整のための通院が定期的に必要になりますし、
上手に噛めない状態が長く続く時には、噛み合わせが合っていないことを疑ってみてください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、総入れ歯の噛み方のコツについてまとめます。

  1. 総入れ歯の咬合力 :天然の歯の3割ほどの咬合力しかないため、天然の歯と全く同じものは食べられない
  2. 前歯と奥歯の役割 :前歯で噛んで奥歯でつぶす、この噛み方の基本を守らないと一方が浮き上がる
  3. 両側の歯の使い方 :両側の歯で均等に噛まないと、反対側が浮き上がる
  4. 慣れないうちはやわらかいものを食べる :やわらかいものから徐々に慣らしていくと良い
  5. 噛み合わせの調整の必要性 :あまり上手に噛めないなら、噛み合わせが合っていない可能性がある

これら5つのことから、総入れ歯の噛み方のコツが分かります。
噛み方のコツが分かっても、実際に慣れるまでにはどうしても時間が掛かります。
しかし、うまく噛めなくても根気よく噛む練習をしていきましょう。

慣れるまでには個人差があるため、知人や友人がすぐに慣れたからといって焦ることはありません。
ここで説明した噛む基本を守りつつ、やわらかいものから徐々に慣らして上手に噛めるようになりましょう。
そして、どうしても上手に噛めない時には単に不慣れなのだと判断せず、歯科医院で相談してください。
もしかすると噛み合わせが悪いなど、思わぬ要因で上手に噛めない可能性もあるからです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』