ホーム > 歯科コラム > 現在妊娠中ですが、生まれてくる子供のために必要なデンタルケアはありますか?

歯科コラム

現在妊娠中ですが、生まれてくる子供のために必要なデンタルケアはありますか?

2017年06月19日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「妊娠中に必要なデンタルケア」です。
女性が妊娠すると、体調面や食事の面などあらゆる面でお腹の赤ちゃんに影響を与えます。

だからこそ妊娠中の喫煙や飲酒は厳禁と言われていますし、体調を壊した時も市販の風邪薬は飲めません。
さらに、女性のお口の状態もお腹の赤ちゃんに様々な影響を与えます。
このため、お腹の赤ちゃんの健康を守るためにも妊娠中の女性はデンタルケアが必要です。

1. 虫歯を予防する

妊娠の有無にかかわらず虫歯予防は大切ですが、妊娠している場合は普段以上の予防の心掛けが必要です。
その理由は2つあり、1つは母親が妊娠中に虫歯になると、その子供が虫歯になる確率が高くなるからです。
正確な根拠は現状ではないものの、それを示す明らかなデータが挙がっているのです。

もう1つの理由は、妊娠中は虫歯にかかりやすいからです。悪阻でお口の中が不衛生になりますし、
体調上の問題でどうしてもダラダラ食いをしてしまうので、虫歯にかかるリスクが高くなるのです。
このため普段虫歯になった経験がない女性も、妊娠中は虫歯になるリスクが高いと思って注意してください。

2. 歯周病を予防する

これも虫歯と同様で、普段から予防が大切です。しかし、妊娠中は普段以上に歯周病にかかりやすくなり、
さらに妊娠中の歯周病はお腹の赤ちゃんに悪影響をもたしてしまうのです。
まず妊娠すると歯周病にかかりやすい理由ですが、これは女性ホルモンが関係してきます。

妊娠すると女性ホルモンの分泌が活発になりますが、
歯周病菌の中には女性ホルモンをエサするものもあります。
これらの点から、女性が妊娠すると歯周病菌の働きが活発になってしまうのです。
次にお腹の赤ちゃんへの悪影響ですが、妊娠中の歯周病は早産や低体重児出産のリスクを7倍以上高めます。

3. 悪阻中の歯磨き

デンタルケアの基本は歯磨きですが、悪阻の時期には歯磨きすら満足にできません。
しかし、ここで歯磨きを怠ってしまうとお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまいます。
このため歯磨きは絶対に必要ですし、悪阻で辛い時の歯磨きの仕方をアドバイスしておきます。
まず、磨くタイミングは食後にこだわる必要はなく、体調の良い時に行ってください。

歯ブラシを奥に突っ込むと気分が悪くなりやすいので、奥から手前にかき出すイメージで磨きましょう。
また、妊娠中は歯磨き粉の香りや味で気分が悪くなるという女性もいます。
その場合は普段使っているのとは違う歯磨き粉を購入して使ってもいいですし、
それでもダメなら歯磨き粉を使わずに磨いても大丈夫です。

4. 検診を受ける

虫歯や歯周病を予防する、もしくは発見して治療するためにも、妊娠中は検診を受けることが大切です。
とは言え、悪阻で辛い時に無理に検診を受ける必要はありません。一般的におすすめとされているのは、
妊娠4ヶ月頃の時期です。このくらいの時期なら悪阻もおさまって安定期にさしかかっていますし、
もし虫歯や歯周病が見つかってもタイミング的に安定期中に治療を終えることができます。

また、妊娠中に検診を受ける場合はその旨を歯科医に伝えてください。
そうすれば治療時間などを考慮してくれるでしょうし、今後のデンタルケアのアドバイスだってもらえます。
妊娠中は丁寧な歯磨きがしづらく虫歯や歯周病を招きやすいため、必ず検診を受けてください。

5. 食事で栄養を摂取する

お腹の赤ちゃんは、お母さんのお腹から影響を摂って育つということは知っているでしょう。
これはお腹の赤ちゃんの歯にも言えることで、実はこの時点で永久歯の大半が作られているのです。
そして、丈夫な永久歯になるかどうかは摂取する栄養素で決まってきます。

基本はカルシウムで、これはお腹の赤ちゃんだけに限らず、お母さんの歯にも良い影響を与えます。
また、タンパク質は歯の基質を作るために必要ですし、
ビタミンAやビタミンC、ビタミンDも歯の形成に関係してくる栄養素です。
これらをバランスよく摂取して、いずれ生えてくる赤ちゃんの歯を丈夫にしてあげましょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、妊娠中に必要なデンタルケアについてまとめます。

  1. 虫歯を予防する :妊娠中に虫歯になると、生まれてくる子供も虫歯になりやすいというデータがある
  2. 歯周病を予防する :妊娠中に歯周病になると、早産や低体重児を出産するリスクが7倍以上高まる
  3. 悪阻中の歯磨き :悪阻で辛くても歯磨きを欠かしてはいけない。体調の良いタイミングで磨けば良い
  4. 検診を受ける :受けるタイミングは悪阻がおさまって安定期にさしかかる妊娠4ヶ月頃がベスト
  5. 食事で栄養を摂取する :赤ちゃんがお腹の中にいる段階で永久歯の大半が作られる

これら5つのことから、妊娠中に必要なデンタルケアが分かります。
デンタルケアと言っても特別なことをする必要はなく、普段と同じ方法で虫歯や歯周病を予防してください。
ただし、妊娠するとそんな普段と同じ方法を実践するのが困難になってしまいます。

しかし、だからと言って何もケアしなければ虫歯や歯周病にかかってしまいますし、
そうなるとお腹の赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまいます。
体調の良い時にできる範囲で構わないので、お口の中のケアを怠らないようにしてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』