歯科コラム
虫歯よりも歯周病で歯を失う人が多いのはなぜ?
2020年09月04日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病で歯を失う人が多い理由」です。
口の中の病気と聞いて真っ先に連想するのは虫歯であり、虫歯が重症化すると歯を失います。
ただ、歯を失う要因を挙げた時に最も多いのは、意外にも虫歯ではなく歯周病です。
では、なぜそこまで歯周病で歯を失う人が多いのでしょうか。
そこで、ここでは歯周病と歯を失うことをテーマにして解説していきます。
歯周病は骨の病気
勘違いしている人が多いのですが、歯周病は歯の病気ではありません。
歯周病の文字は「歯の周りの病気」と書き、その文字が示すとおり歯の骨の病気です。
歯は歯肉に埋まっていますが、実際には歯槽骨と呼ばれる骨によって支えられています。
ところが、歯周病になると細菌が悪さをして歯槽骨を溶かしてしまい、
そうなると歯は支えを失うため不安定になってしまうでしょう。
そして、不安定になった歯はやがて抜け落ちる…これが歯周病で歯が抜ける理由です。
歯周病は静かなる病気
虫歯と歯周病を比較した時、最も明確な違いとして挙げられるのが自覚症状です。
知ってのとおり虫歯には「痛み」という辛い自覚症状がありますが、
歯周病にはそのような分かりやすい自覚症状はなく、そのため静かなる病気とも呼ばれています。
こうして、自覚症状を基準に考えると歯周病よりも虫歯の方が怖いと思うでしょうし、
おそらくほとんどの人が歯周病よりも虫歯にかかる方を嫌がるでしょう。
しかし、自覚症状の少なさこそ歯周病の怖さであり、歯を失う人が多い理由にもなるのです。
歯周病で歯を失う人が多い理由
例えば、現在あなたが歯に痛みを全く感じないとしたら、口の中が健康だと解釈するでしょう。
そして口の中が健康である以上、歯科医院で診察を受けようとは考えないと思います。
それは一般的な考えかもしれませんが、実はその考えが歯周病で歯を失うことにつながります。
なぜなら歯周病は自覚症状が少なく、前述した考え方では歯周病の発症に気づけないからです。
発症に気づけないからこそ歯周病はどんどん進行してしまい、
気づいた時には既に重症化して歯を失う結果になってしまうのです。
歯周病の発症を知るには
自覚症状が少ない以上、自分で歯周病の発症に気づくのは難しいでしょう。
実際、虫歯の場合も歯に痛みがなければ虫歯に気づく人はほとんどいないのでしょうか。
ただ、確実に発症を知る方法があり、それは歯科医院で検診を受けることです。
検診では医師が患者さんの口の中の健康状態を確認しますから、
自覚症状のない歯周病も発見できますし、初期男性の虫歯ですら発見可能です。
そのため、定期的に検診を受けて歯周病の有無を確認してもらうと良いでしょう。
歯周病の治療方法
歯周病が発症した場合、治療の基本は口の中を清潔にすることです。
そのため、もちろん歯科医院でも歯石の除去などを行いますが、
患者さん自身が毎日のプラークコントロールを行うことも必要になってきます。
軽度の歯周病ならこれらの方法で治せますが、重症化している場合は歯周ポケットが深くなっており、
清掃するためには歯肉を切開する手術を行わなければならない可能性もあります。
また溶かされた歯槽骨は再生しないため、進行度次第では抜歯が必要です。
歯周病の予防方法
歯周病予防の基本は毎日の歯磨きで、その点は虫歯の予防方法と変わりません。
もっとも、せっかくの歯磨きも磨き残しが多ければ予防の効果は充分でないため、
回数を重ねることよりも磨き残しを減らす精密さが求められるでしょう。
また、歯周病は細菌の感染によって発症する病気ですから、
風邪と同じように身体の免疫力を高めることも予防につながります。
例えば、疲労やストレスが蓄積された状態では歯周病の原因菌に感染しやすくなってしまうでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病で歯を失う人が多い理由についてまとめます。
1.歯周病は骨の病気:歯周病は歯の病気ではなく、歯の骨の病気である
2.歯周病は静かなる病気:歯周病は目立った自覚症状がなく、そのため静かなる病気と呼ばれる
3.歯周病で歯を失う人が多い理由:目立つ自覚症状がないため発症に気づかず、重症化してしまう
4.歯周病の発症を知るには:歯科医院で検診を受けること。歯周病だけでなく虫歯も発見できる
5.歯周病の治療方法:基本は歯石の除去やプラークコントロールなど、口の中を清潔にすること
6.歯周病の予防方法:精密さを意識した磨き残しの少ない歯磨き、身体の免疫力を高める
これら6つのことから、歯周病で歯を失う人が多い理由について分かります。
「歯が痛くない=口の中が健康」と解釈してしまう人が多い限り、
歯周病で歯を失う人が多い現状は変わらないでしょう。
歯周病には目立った自覚症状がありません。それは一見歯周病が軽い病気に思える要素ですが、
自覚症状がないからこそ発症しても気づきにくく、重症化させてしまう人が多いのです。
つまり、目立った自覚症状がないことが歯周病の怖さでもあるのです。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』