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歯科コラム

歯周病はどうやって治療するのですか?

2020年09月11日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病の治療方法の紹介」です。
歯周病は歯の骨の病気であって、歯の病気ではありません。

そのため、虫歯のように歯を削っても治すことはできず、
歯周病の治療方法は虫歯の治療方法とは全く異なります。
ここでは歯周病の治療方法について解説し、一般的なものではない治療方法にも触れていきます。

歯石の除去

歯石とは歯と歯の間、歯と歯肉の境目などにこびりついている白い塊です。
歯石はプラークが石灰化したものであり、蓄積されることで歯周病の進行を招きます。
実際に歯石がある人は歯磨きすれば分かりますが、歯石を歯ブラシで除去することは不可能です。

歯石は歯科医院で医療器具を使っての除去が必要であり、その歯石の除去が歯周病治療の基本です。
また、歯周病になると歯と歯肉の境目に溝が発生し、その溝に細菌が溜まります。
溝の中も歯ブラシで対処できないため、治療時には歯周ポケットの清掃も行います。

プラークコントロール

プラークコントロールとは、プラークを効率良く除去しつつ、プラークを減らすことを意味します。
その方法として歯磨きを連想するでしょうが、歯磨きはプラークコントロールの方法の一つでしかなく、
つまり「歯磨き=プラークコントロール」ですが「プラークコントロール=歯磨き」ではありません。

例えば、規則正しい食生活を心掛ければプラークの付着を抑えられるため、
食生活の改善もプラークコントロールに含まれます。
歯磨きにしても磨き残しを減らす精度が必要で、プラークコントロールは患者さん自身で行います。

フラップ手術

歯周病治療の基本は口の中を清潔にすることであり、
そのため歯科医院では医療器具を使って歯石の除去を行うと解説しました。
ただ、歯周ポケットに溜まった細菌は歯周病が進行すると対応できなくなってしまいます。

と言うのも、歯周ポケットの溝は歯周病の進行度に比例して深くなるからで、
あまりに深くなってしまった場合は医療器具が届かなくなってしまうのです。
この場合はフラップ手術で歯肉を切開し、歯根を露出させて歯周ポケットの中を直接清掃します。

デブライドメント

歯石を除去する治療は、正確にはスケーリングと呼ばれます。
これに対して、プラークを除去するための治療がデブライドメントです。
もっとも、プラークの除去は歯磨きでも可能ですが、デブライドメントは徹底した除去が可能。

歯周ポケットの溝に蓄積したプラークまで綺麗に除去できます。
とは言え、プラークは時間が経って食事をすれば再び発生して歯に付着するため、
デブライドメントを行った後でもしっかりとしたプラークコントロールが必要です。

レーザー治療

全ての歯科医院で対応しているわけではないですが、レーザーを使った治療方法も存在します。
方法としては、歯周ポケットにレーザーを照射することでプラークや歯石を除去、
従来の医療器具では届きにくい箇所にも対応できるのが大きなメリットです。

ただし、レーザー治療は歯周病治療における補助的な位置づけとなっており、
現在ではレーザー治療をメインとした歯周病治療は行っていないでしょう。
また、レーザー治療においては科学的根拠に乏しいとも言われており、賛否両論あるのが事実です。

骨の再生療法

歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされますが、溶かされた歯槽骨を再生させる治療方法も存在します。
もっとも、確実に再生できるとは限らず、また対応できる症例も限られているため、
「歯槽骨を再生させる治療」ではなく「歯槽骨の再生を促す治療」と解釈してください。

これにはGTR法やエムドゲイン法がありますが、いずれも歯周病治療において必須のものではなく、
あくまで骨の再生を希望する場合の自由診療として扱われています。
また、GTR法やエムドゲイン法は対応できる歯科医院も限られているでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療方法の紹介についてまとめます。

1.歯石の除去:歯周病治療の基本。専用の医療器具を使い、歯周ポケットに溜まった歯石も除去する
2.プラークコントロール:歯周病治療の基本。プラークの除去・発生を防ぐためのもの
3.フラップ手術:歯周病が進行して歯周ポケットが深くなった場合、清掃目的で歯肉を切開する
4.デブライドメント:プラークを徹底的に除去する。歯周ポケットに溜まったプラークも除去できる
5.レーザー治療:一般的な治療方法としては確立しておらず、科学的根拠に乏しいという意見もある
6.骨の再生療法:GTR法やエムドゲイン法。必須の治療ではなく、自由診療の扱いになる

これら6つのことから、歯周病の治療方法の紹介について分かります。
歯周病治療の基本は歯石の除去とプラークコントロールになりますが、
歯周病の進行度によってはこれら以外の治療も必要になってきます。

もちろん、大きな治療は患者さんの身体にも負担となってしまうため、
歯周病は虫歯同様に初期の段階での早期治療を心掛けてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』