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歯科コラム

歯磨きした時に歯肉から出血するのはなぜですか?

2020年09月18日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯肉からの出血と歯周病」です。
歯磨きをした時、歯ブラシに血液が付着して驚いた経験がある人もいるでしょう。

この場合の出血は歯肉から起こっているのですが、問題は何が原因で出血したのかということです。
そこで回答すると、歯肉から出血する原因はいくつか考えられますが、
それらの中で最も可能性が高いのは歯周病の発症です。

歯周病とは

歯周病は「歯の周りの病気」の文字からイメージできるとおり、歯の病気ではありません。
また、歯肉の病気と思っている人もいますがそれも違い、正確には歯の骨の病気です。
歯は歯槽骨と呼ばれる骨によって支えられていますが、歯周病の原因菌は歯槽骨を溶かしてしまいます。

そして、歯槽骨が溶かされることで歯は支えを失い、最後には抜け落ちてしまうのです。
もっとも、歯槽骨が溶かされるのは歯周病がある程度進行した状態であり、
発症時に起こる症状は歯肉の腫れ・変色のみで痛みもほとんどありません。

歯周病になると歯肉から出血する理由

元々歯肉には多くの毛細血管が集まっているため、歯周病以外の理由で出血することもあります。
例えば、歯を強く磨きすぎると歯肉を傷つけるため、出血を引き起こしてしまいます。
歯周病の場合、発症すると歯肉に炎症が起こって患部に白血球が集まります。

つまり、身体の防御機能が働いて血液が集合する状態となり、
これに加えて歯肉から張りが失われるため、ささいな刺激で出血しやすくなるのです。
そのため、通常の歯磨きでも刺激となって歯肉からの出血を引き起こしてしまいます。

歯周病の自覚症状

歯肉からの出血は歯周病の自覚症状の一つ、他にも次のような自覚症状が挙げられます。

歯肉が腫れる・変色する

歯周病の発症によって歯肉が炎症を起こすことで、歯肉の見た目に変化が起こります。

口臭がする

口臭の原因は様々ですが、歯周病が原因によって起こる口臭は特にニオイがキツイのが特徴です。

歯が伸びたように見える

歯周病の進行によって歯肉退縮が起こると、歯根が露出して一見すると歯が長く伸びたように見えます。

知覚過敏が起こる

歯肉退縮によって歯根が露出した場合、歯根が刺激を受けることで知覚過敏が起こります。

歯が動く

ここまでの自覚症状が起こると歯周病は重症化しており、歯槽骨が溶かされているため歯が動きます。

歯肉からの出血に加えて、このような自覚症状が確認できた場合は歯周病を疑うべきでしょう。
いずれにしても、歯肉から出血する時点で口の中が健康とは言えないため、
少しでも早く歯科医院に行って診察を受けてください。

歯周病の予防方法

歯周病を予防するためには3つの方法があります。

磨き残しの少ない精密な歯磨き

歯磨きによるプラークの除去は歯周病予防の基本です。
もちろん、磨き残しが少ないほど歯磨きの効果が高いため、
デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯磨きを実践してください。

身体の免疫力を高める

歯周病は細菌に感染することによって発症する病気であり、
細菌の感染は身体の免疫力を高めることで大幅に感染のリスクを減らせます。
まずは、ストレスや疲労を解消することを考えて、免疫力低下を防ぐことから始めていきましょう。

生活習慣を改善する

例えば、食生活を改善して糖の摂取を控えることは歯周病予防につながります。
さらに、タバコを吸っている人は禁煙することで歯周病になるリスクを大幅に減らせます。
他にも、鼻呼吸を意識することは唾液の蒸発を防いで歯周病の原因菌を繁殖しづらくさせます。

定期検診の重要性

歯周病を予防する、さらには重症化させないためには定期検診の受診が欠かせません。
そもそも、歯周病には目立った自覚症状がないことから発症しても気づかない人が多く、
そのため重症化させて歯を失ってしまう人が多いのです。

その点、定期検診を受診していればその都度口の中の健康状態を確認できるため、
例え歯周病が発症していても医師が確実に気づくことができるでしょう。
また、ブラッシング指導など予防効果が高まる治療も受けられます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯肉からの出血と歯周病についてまとめます。

1.歯周病とは:歯の病気ではなく歯の骨の病気。進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされてしまう
2.歯周病になると歯肉から出血する理由:歯肉に炎症が起こることで出血しやすくなるため
3.歯周病の自覚症状:歯肉からの出血以外にも、歯肉が腫れる、口臭がするなどの自覚症状がある
4.歯周病の予防方法:精密な歯磨き、身体の免疫力を高める、生活習慣の改善
5.定期検診の重要性:歯周病の予防効果が高まる上、発症時にも早期発見が可能になる

これら5つのことから、歯肉からの出血と歯周病について分かります。
「歯肉からの出血=歯周病」の断言はできませんが、原因として最も可能性が高いのは歯周病です。

もっとも、例え他の原因であったとしても口の中の健康状態に問題があるのは確かなため、
歯肉から出血した時には必ず歯科医院に行って診察を受けてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』