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歯科コラム

鏡を見たら、歯が長くなったような気がします

2020年09月25日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病の進行と自覚症状」です。
自分の歯が長くなったように見えるのであれば、それは歯周病が原因かもしれません。

例え成長期の子供でも、ある日突然歯が長くなったことを自覚できるとは思えず、
それでも歯が長くなったように見えるのであれば歯周病を疑ってください。
また、歯周病が発症していた場合はその歯周病はある程度進行しています。

歯肉退縮

歯が長くなったのは歯肉退縮が起こったためです。本来、歯は歯肉に埋まっている部分が多いのですが、
歯肉が退縮して高さが下がれば、それまで歯肉に埋まっていた分の歯が露出します。
つまり、本来歯肉に埋まっているはずの部分が露出することで、歯が長くなったように見えるのです。

ここで問題となるのは歯肉退縮が起こった原因ですが、最も可能性が高いのは歯周病でしょう。
しかし、加齢や歯磨きの仕方の悪さによって歯肉退縮が起こることも考えられ、
そのため「歯が長くなったように見える=歯周病」と100%断言することはできません。

歯周病で歯肉退縮が起こる理由

歯周病が発症すると歯肉に炎症が起こりますが、あくまでそれは発症時の症状です。
歯周病は虫歯と同じく進行する病気であり、進行度によって全く別の症状が起こります。
中期段階まで歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が溶かされてしまいます。

そして、歯槽骨が溶かされるとそれにあわせる形で歯肉も退縮してしまうのです。
これが歯周病によって起こる歯肉退縮の流れであり、歯肉退縮によって歯肉の高さが下がるため、
歯肉に覆われていた歯の根が露出して歯が長くなったように見えるのです。

歯肉退縮と知覚過敏

歯肉退縮が起こることで、同時に起こるようになる症状が知覚過敏です。
知覚過敏とは象牙質が刺激を受けた時に一瞬歯がしみる症状であり、
主に虫歯が進行した場合に見られる症状なのですが、歯周病による歯肉退縮でも起こります。

これは、歯肉退縮によって露出した歯の根にエナメル質が存在しないのが理由です。
エナメル質の存在しない歯根は象牙質が剥き出しになっているため、
歯根が刺激を受けることで知覚過敏が起こります。つまり、知覚過敏は歯周病でも起こるのです。

歯周病の自覚症状

歯肉退縮は進行した歯周病における自覚症状の一つです。
もっとも、歯周病の自覚症状はそれだけでなく、次の症状も起こります。

歯肉が変色する・腫れる

初期の歯周病で起こる症状で、歯周病が発症すると歯肉に炎症が起こって見た目も変化します。

歯肉から出血しやすくなる

初期の歯周病で起こる症状で、炎症を起こした歯肉は血液が集中するため出血しやすくなります。

口臭がする

歯周病が発症した状態の口の中は細菌が繁殖しており、歯磨きでも解消できないキツイ口臭がします。

歯が動く

重度段階まで歯周病が進行すると、歯槽骨が溶かされたことで歯は不安定になってグラつきます。

噛み合わせた時に痛みを感じる

歯がグラつくほど歯周病が進行した場合、歯が支えられていないことで噛み合わせた時に痛みます。

歯肉から出血した時の歯磨き

歯肉から出血すると、歯磨きすることに抵抗を感じるかもしれません。
しかし、歯周病が発症すると口の中では細菌が繁殖しており、
そのため口の中を清潔な状態にしなければならず、歯磨きはしなければなりません。

とは言え、同じ歯磨きの方法では再び歯肉から出血する可能性が高く、
そこで歯磨きを工夫する必要があります。この時、基本はやわらかめの歯ブラシを使用することです。
また、磨き方も優しくマッサージをするイメージで磨いてください。

もっとも、このような歯磨きをしてもやはり歯肉から出血することがありますが、
やわらかめの歯ブラシで優しい歯磨きを繰り返していれば、いずれ出血しなくなるでしょう。
もちろん、歯肉からの出血が止まったとしても必ず歯科医院で診察を受けてください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の進行と自覚症状についてまとめます。

1.歯肉退縮:歯が長くなって見えるのは歯肉退縮が原因。歯肉が下がって歯が伸びて見える
2.歯周病で歯肉退縮が起こる理由:歯槽骨が溶かされることで歯肉も退縮してしまう
3.歯肉退縮と知覚過敏:歯肉退縮で歯根が露出、歯根が刺激を受けると知覚過敏が起こる
4.歯周病の自覚症状:歯肉の変色や腫れ、歯肉から出血しやすくなる、口臭がする
5.歯肉から出血した時の歯磨き:やわらかい歯ブラシで優しくマッサージするように磨く

これら5つのことから、歯周病の進行と自覚症状について分かります。
歯周病が原因で歯肉退縮が起こった場合、その歯周病は少なくとも中期段階まで進行しており、
歯槽骨が溶かされたことで歯肉退縮が起こっています。

この場合、治療しなければ歯槽骨はさらに溶かされていき、
やがては歯が抜け落ちるほどの症状が起こってしまうでしょう。
歯が長くなって見えるのは歯周病の自覚症状と受け止め、歯科医院に行って診察を受けてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』