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歯科コラム

インプラントでは保険は適応されますか?

2017年09月15日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「インプラントと保険適用の有無」です。
インプラントは失った歯を取り戻せる魅力的な治療方法ですが、現実的なことを言えば費用も掛かります。

そこで気になるのが、インプラントでは保険が適用されるのかということです。

さて、結論から言うとインプラントでは基本的に保険が適用されないのですが、
「基本的に」という表現どおり、一部保険が適用されるケースもあります。

1. 保険が適用されないケースとその理由

「歯周病で歯が抜けたからインプラントにしたい」…多くの方はこうした理由でインプラントを希望されますが、
このケースでは保険は適用されません。そもそもインプラントに限らず、
健康保険適用には「健康を手にする上で必要な最低限の治療であること」が条件になっています。

確かに、歯を失った対処としてインプラントするのは健康を手にする上で必要な治療です。
しかし、最低限の治療かと言えばそうではなく、他に入れ歯などの方法があるわけです。
このため、インプラントは審美目的を兼ねた最低限以上の治療と扱われ、健康保険は適用されないのです。

2. 保険が適用されるケースとその基準

平成24年の4月から、一部のケースにおいてはインプラントでも保険が適用されるようになりました。
これは健康保険適用の条件に基づき、「健康を手にする上でインプラントが必要なケース」のみです。
ただしその基準は個人や医師による判断ではなく、国が定めた基準によるものになっています。
具体的には以下の基準のいずれかを満たした方のみ、インプラントで保険が適用されます。

  1. 医科の保険医療機関の主治医によって生まれつきの病気と診断され、顎骨の1/3以上が連続して欠損している場合
  2. 腫瘍や顎骨骨髄炎などの病気、もしくは事故によって顎骨の1/3以上を失った場合
  3. 顎の骨の形成不全であること

…このようなケースではインプラントで保険が適用されます。
しかし顎の骨が欠損した理由、さらには欠損の範囲まで細かく基準が決められているため、
実際には保険が適用されるケースはごく稀と言えるでしょう。

3. 歯科医院の基準

仮に上記の基準を満たしていたとしても、保険適用のためにはもう1つの基準があります。
それは歯科医院の基準で、以下の条件を全て満たしたところで治療を受けなければ、保険は適用されません。

  1. 病院(入院用のベッドは20床以上ある施設)になる歯科、もしくは口腔外科である
  2. 下記のいずれかに該当する歯科医師が、常勤で2名以上配置されている/li>
    1. 「その病院の歯科、または口腔外科で5年以上の治療経験を持つ」
    2. 「インプラント義歯の治療経験を3年以上持つ」
  3. 当直体制、国が定めている医療機器、医薬品などの管理が整備されている

…この点から分かるとおり、一般の歯科医院ではインプラントの治療で保険を適用させることはできません。
ただし、「どこの歯科医院に行けばいいのか?」や「自分の症状は保険適用の対象になるのか?」など、
インプラント治療に対応した歯科医院ならこうした相談をすることはできます。

4. 保険が適用されるケースでの注意点

インプラントで保険が適用されるケースでも、その対象になるのはあくまで治療費のみになります。
インプラント治療の中では治療費以外に様々な費用が発生し、
例えば材料費やメンテナンス費、場合によっては入院費などが掛かります。

しかし、保険適用となるのは治療費のみになるため、これらの費用において保険は適用されないのです。
その点から考えると、保険が適用されるケースだとしても従来の歯科治療の費用よりは高額になります。
ちなみに保険適用の有無関係なく、インプラントは医療費控除の対象にはなります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントと保険適用の有無についてまとめます。

1. 保険が適用されないケースとその理由 :審美目的など、インプラントが絶対に必要と言い切れないケース
2. 保険が適用されるケースとその基準 :事故や病気が原因で、さらに国が定めた基準の顎骨の欠損がある
3. 歯科医院の基準 :環境や医師など、国が定めた基準を全て満たす歯科医院であること
4. 保険が適用されるケースでの注意点 :保険適用の対象となるのは治療費のみで、それ以外の費用は自費

これら4つのことから、インプラントと保険適用の有無が分かります。
今回のインプラントの保険適用の有無の説明を読んでくださった方の中には、
「他の歯科医院のサイトでは保険適用されないと書いてあったのに」と疑問に思った方もいるかもしれません。

これは、インプラントが保険適用の対象になると決まったのが平成24年であることが理由だと思われます。

具体的には、それ以前のタイミングでこの件について説明してある歯科医院のサイトでは、
情報がその当時のものになっているため、保険が適用されないという説明になってしまっているのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』