虫歯の症状を教えてください

中央区月島勝どきの歯医者さん、ＹＵＺ ＤＥＮＴＡＬ ｔｓｕｋｉｓｈｉｍａです。
今回のテーマは「虫歯の症状について」です。
「虫歯の症状は？」と聞かれた時、多くの方は「歯が痛む」と答えると思います。

しかし、「歯が痛む」というのは正確には自覚症状であり、虫歯の症状そのものとは違います。
そうではなく、虫歯自体が歯にどんな症状をもたらすのか？…それについての説明が今回のテーマです。
虫歯の症状を知ることで虫歯の怖さが分かるため、これが予防意識を高めるきっかけになれば幸いです。

虫歯とは

虫歯は、虫歯の原因菌に感染することで起こる…いわば細菌による感染症です。
虫歯にかかるまでの流れを説明すると、
まず虫歯の原因菌が糖分を糧にしてプラークと呼ばれる棲み処を歯の上につくります。

そこから酸を出して歯が溶かされてしまうことで虫歯にかかってしまうのです。
最も、歯には再石灰化という修復能力があるため、虫歯の原因菌の酸で即虫歯にかかるわけではありません。
この再石灰化がうまく行われないことで状態が酷くなると歯に穴があき、その時点で虫歯にかかるのです。

ＣＯ段階の虫歯

ＣＯの「Ｏ」はオーと発音するので、「シーゼロ」ではなく「シーオー」と呼びます。
ＣＯは虫歯の完全な初期段階を示しており、症状としては患部が変色する程度です。
穴もあいていない上に痛みもないため、この時点で異変に気付くのは難しいでしょう。

この段階なら治療せずとも歯の再石灰化で治る見込みも高いため、
大抵の場合は様子見で経過観察していきます。
虫歯というよりは、虫歯になりかけの状態と考えれば良いでしょう。

Ｃ１段階の虫歯

Ｃ１段階では症状として歯に穴があくものの、穴の範囲は歯の表面のエナメル質のみです。
このため痛みはほとんどないですし、あるとすれば冷たいものの飲食で一瞬しみる程度の症状です。
基本的には削って治しますが、削る範囲は小さいので治療における痛みもほとんどありません。

また、症状の度合いによってはこの時点でも削らずに治せる可能性はあります。
削った場合は詰め物を入れて対処します。
このＣ１段階までに虫歯を発見できれば、そこまで大きな治療に至ることはありません。

Ｃ２段階の虫歯

Ｃ２段階になると虫歯の穴が象牙質まで到達します。象牙質はエナメル質と違って刺激に対して敏感なので、
ここまで虫歯が進行すると痛みを感じるようになります。大抵の方は歯に痛みを感じて虫歯を自覚しますが、
その時の虫歯の状態はこのＣ２段階であることがほとんどです。

治療方法としてはＣ１段階同様に「歯を削って詰め物を入れる」ですが、
Ｃ１段階に比べて虫歯が進行しているため削る範囲も大きくなり、そのため治療の際にも痛みを感じます。
このため、痛みへの対処として治療時は麻酔を使用することになります。

Ｃ３段階の虫歯

Ｃ３段階は虫歯が象牙質のさらに奥にある歯髄まで進行した状態です。
歯髄とは歯の神経であり、すなわち神経が虫歯の原因菌に侵されてしまうことになるため、
痛みどころかズキズキとして激痛を感じるようになります。

虫歯によって歯髄は炎症を起こしているため、歯を削っただけでは虫歯を治すことはできません。
炎症を起こした歯髄を除去し、根管の治療を行う必要があります。
また、治療において歯髄を除去することで痛みは治まります。

Ｃ４段階の虫歯

Ｃ４段階は虫歯の末期段階とイコールです。ここまで進行すると歯はボロボロの状態になっており、
歯が残っているかどうかも確認しづらいほど形を失っています。
虫歯の原因菌を除去するために治療は必要なものの、歯を残すことはまず不可能です。

このため抜歯をし、その後はブリッジや入れ歯、もしくはインプラントで対応することになります。
ここでも治療しなければ虫歯の原因菌は血液に入り込んでしまい、
そうなると血管を通じて全身に虫歯の原因菌がまわって大きな病気を招く危険性があります。

まとめ

いかがでしたか？
最後に、虫歯の症状についてまとめます。

１.　虫歯とは　：虫歯の原因菌の出す酸によって歯が溶かされ、穴があいてしまうことでかかる病気
２.　ＣＯ段階の虫歯　：虫歯になりたての状態。患部が変色するが痛みはなく、再石灰化で治る可能性が高い
３.　Ｃ１段階の虫歯　：エナメル質に穴があいた状態。痛みはほとんどなく、少し削るだけで治せる
４.　Ｃ２段階の虫歯　：象牙質まで進行した状態。痛みを感じるため、ほとんどの人がこの段階で虫歯を自覚する
５.　Ｃ３段階の虫歯　：歯髄まで進行した状態。ズキズキとした激痛を感じ、歯髄の除去が必要になる
６.　Ｃ４段階の虫歯　：末期状態。歯は原型を失っており、抜歯するしかない

これら６つのことから、虫歯の症状について分かります。
このように、虫歯は放置することでどんどん症状が酷くなっていきます。
また、虫歯が酷くなるにつれて治療も辛いものになり、最終的には抜歯が必要になるケースもあるのです。

そして追記しておくと、一度進行した虫歯は自然に治ることはありません。
つまり虫歯を自覚しながらも放置してしまえば、
いずれ必ずＣ３段階やＣ４段階の症状をもたらしてしまうことになるのです。