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歯科コラム

痛まない虫歯は治療しないでもいい?

2017年11月20日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「痛まない虫歯の治療の必要性」です。
虫歯の痛みに耐えきれずに歯科医院に行く方は、仮に痛みがなければ放置するのでしょうか。

実際、虫歯の進行状況によっては痛みを感じないため、「痛まない虫歯」という状況は普通に起こり得ます。
そしてこの場で結論を言ってしまえば、例え痛まない虫歯でも放置は厳禁です。
なぜなら、放置することで予想外の大きな問題を招いてしまうからです。

虫歯は自然に治らない

まず知っておいてほしいのは、虫歯は自然には治らないということです。
最も、本当に完全な初期段階の虫歯であれば歯の再石灰化で治ることもありますが、
一度進行した虫歯はいくら歯を綺麗に磨いたとしても治ることはありません。

では今の状態がずっと続くのか?…それも違います。
治療しなければ、虫歯はどんどん進行して酷くなっていってしまうのです。
仮に現状虫歯の初期段階で痛みがないとして、ここから放置するとどうなっていくのかをお話ししていきます。

痛みが酷くなる

虫歯を放置して進行させてしまえば、痛まない虫歯も痛むようになります。
進行することで虫歯の穴が深くなって象牙質まで到達すれば痛みを感じるようになりますし、
冷たいものや熱いものを飲食した時にも痛みやしみを感じてしまいます。

また、さらに進行すればやがては歯の神経まで虫歯が到達してしまい、
そうなると痛みどころか眠れないほどの辛い激痛が常に起こります。
こうした痛みは冷やすなどの応急処置で一旦おさめることはできますが、またすぐに痛むようになります。

歯の神経が死んでしまう

激痛を感じる虫歯を放置すれば、今度は歯の神経が死んでしまいます。
最も、歯の神経が死ぬことで痛みは感じなくなるため、それをプラスに考える方もいるかもしれません。
しかし、死んでしまった歯の神経はどう治療しても再生させることはできないのです。

神経が死ねば例え虫歯が治っても、神経が死んだ影響でその歯に栄養が届きにくくなります。
そうなると歯は脆くなり、さらに変色して見た目も悪くなってしまいます。
また、痛みという自覚症状を失うことは歯の危険に気付くきっかけを失うことにもなるので危険です。

歯を失う

最後まで虫歯を放置すれば、やがては虫歯によって歯はボロボロの状態になります。
治療しても詰め物はもちろん、被せ物を立てることもできないので抜歯するしかないですし、
抜歯した歯にできる処置はブリッジや入れ歯やインプラントをするしかありません。

入れ歯に抵抗ある方は多いでしょうし、インプラントは治療費が高額です。
だからといって放置しても歯はボロボロで、虫歯菌も生きたままの状態になってしまいます。
仮に5本虫歯があったとしたら、放置することで最終的に5本の歯を失うことになるのです。

命にかかわる病気を招く

最終的に歯をボロボロにさせてしまう虫歯ですが、それで終わりではありません。
治療しない限り虫歯菌は生き続け、むしろここからが虫歯が本当の怖さを見せることになります。
末期段階を経た後に虫歯菌は血液の中に入り込み、そうなると血管を通じて全身にまわります。

この時、虫歯菌が脳にまわってしまえば脳梗塞が起こる危険性がありますし、
心臓にまわってしまえば心筋梗塞が起こる危険性があるのです。
稀なケースではあるものの、実際に虫歯の放置がこうした病気を招いて死亡した例もあります。

治療に影響する

虫歯の治療というのは進行状況によって内容が異なります。
痛まないほどの初期の虫歯なら、簡単な治療でなおかつ短期間で治すことができるでしょう。
しかし、放置して進行した虫歯がそうはいきません。

虫歯が進行して症状が酷くなればそれだけ大きな治療が必要になってきます。
そして、大きな治療が必要ということはそれだけ治療期間も長引くということになりますし、
治療期間が長引くということは治療費も高くなってしまうということになるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、痛まない虫歯の治療の必要性についてまとめます。

1. 虫歯は自然に治らない :一度でも進行した虫歯は、いくら歯を綺麗に磨いても自然には治らない
2. 痛みが酷くなる :放置すれば虫歯は進行し、痛まない虫歯もやがては痛むようになる
3. 歯の神経が死んでしまう :虫歯が歯の神経に到達すると痛みは激痛に変わり、やがて歯の神経も死ぬ
4. 歯を失う :末期段階まで進行させてしまうと、抜歯でしか対処できなくなる
5. 命にかかわる病気を招く :虫歯の放置は後に脳梗塞や心筋梗塞を招く要因になる
6. 治療に影響する :放置すれば虫歯は進行し、虫歯の進行に比例して治療も大掛かりなものになる

これら6つのことから、痛まない虫歯の治療の必要性が分かります。
虫歯は細菌による感染症ですから、その意味では風邪と似たようなイメージを抱くかもしれません。
しかし風邪と同じだと捉えてはならず、虫歯は風邪のように自然には治らないのです。
放置すればそれだけ症状は悪化し、痛みが増すどころか思わぬ病気を招きます。
このため痛まない虫歯でも放置は厳禁ですし、放置することに何のメリットもないのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』