ホーム > 歯科コラム > 歯の神経は抜かないほうがいい?

歯科コラム

歯の神経は抜かないほうがいい?

2018年01月10日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯の神経を抜くことについて」です。
虫歯治療の際、歯科医から「歯の神経を抜いた方がいい」と言われた経験のある人もいると思います。

しかし、虫歯治療の全てのケースにおいて歯の神経を抜くというわけではないですから、
その点から考えれば本当に歯の神経を抜いてもいいのか心配に思うでしょう。
そこで、ここでは歯の神経を抜く必要性…さらには歯の神経の役割についても説明していきます。

 歯を神経は抜くべきか

歯の神経を抜いた方がいいのか、抜かない方がいいのか?…その答えは後者です。
歯の神経を抜けばその箇所の神経は永遠に失われてしまい、それに対するメリットは一切ありません。
では、なぜ歯科医は虫歯治療の際に神経を抜く提案するのでしょうか。

それは、神経を抜かざるを得ない状態にまで虫歯が進行しているからです。
つまり歯の神経を抜く提案をされたなら、それだけ虫歯が酷い状態になっているのだと考えてください。
また、歯の神経を抜く以前に虫歯の進行によって神経が死んでしまっているケースもあります。

 虫歯治療で神経を抜くケース
虫歯が進行すると歯に穴にあき、その穴は進行することでどんどん深くなっていきます。
その穴が象牙質まで達すると痛みを感じるようになり、さらに奥の神経まで達すると痛みは激痛に変化します。
このように歯の神経、もしくは神経付近まで虫歯が進行した場合、歯の神経を抜くことが必要になります。

と言うのも、ここまで虫歯が進行すると歯の神経が虫歯菌に感染しているからです。
虫歯菌に感染した神経は除去しなければならないため、すなわち神経を抜くことになるのです。
この場合は根管治療を行い、根管内の神経を除去した後に消毒し、さらに薬剤を詰めることになります。

歯の神経の役割

歯の神経には以下のような役割があります。

栄養の供給
歯の神経は血管やリンパ管などから構成されており、それらを通って栄養を歯に運びます。
さらに栄養だけでなく水分や酸素も歯に運びます。

痛みを感じる
神経があることで痛みを感じます。このため虫歯になると歯が痛いと感じますし、
こうした痛みを感じることでそれが自覚症状となって虫歯に気付けます。

食事を楽しめる
神経は熱に反応します。つまり冷たさに熱さに反応するわけで、
こうした温度差を感じられるため、私達は普段食事を楽しむことができるのです。

歯を細菌から守る
歯の神経は歯を強くして、さらに歯の組織を作る役割も持っています。
歯を強くするのも歯の組織を作るのも、細菌が歯に入り込んでくるのを防ぐためです。

…歯の神経にはこのような役割があります。
つまり歯の神経を抜いてしまえばこれら全ての役割が失われてしまうわけですから、
その点から考えて歯の神経を抜くことにメリットはありません。

このため、「歯の神経は抜いた方がいい?」と聞かれれば、当然「抜かない方がいい」が答えです。
ただし虫歯の進行度によっては、どうしても歯の神経を抜かなければならなくなるのです。

定期検診のすすめ

歯の神経を抜くことを考えると、虫歯治療が怖く思えるかもしれません。
しかし虫歯を放置することさえしなければ、例え虫歯になっても歯の神経を抜くような事態にはなりません。
虫歯の痛みを感じる時、それは虫歯が象牙質まで進行した時です。

この時点で確実に治療を受ければ、歯の神経を抜く必要はないのです。
一方、ここで放置してしまうと虫歯は歯の神経まで進行し、そうなると神経を抜かなければなりません。
さらに言えば、虫歯が初期段階の時点で治療すれば歯の神経はもちろん、削らずに治せることもあるのです。

とは言え、痛みを感じない初期段階の虫歯は気付くことが困難なのが欠点です。
そこで大切なのが、歯科医院で定期検診を受けることです。
定期検診を受ければ予防効果が高いのはもちろん、こうした初期段階の虫歯も発見して治療できます。

このため、定期検診を受けていれば歯の神経を抜くような事態にはなりません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯の神経を抜くことについてまとめます。

1. 歯の神経は抜くべきか :抜かない方がいいが、虫歯の進行上、抜かなければならないことがある
2. 虫歯治療で神経を抜くケース :虫歯が歯の神経、もしくはその付近まで進行していた場合
3. 歯の神経の役割 :栄養の供給、痛みを感じる、食事を楽しめる、歯を細菌から守るなど
4. 定期検診のすすめ :定期検診を受けていれば、歯の神経を抜くほどの虫歯にはならない

これら4つのことから、歯の神経を抜くことについて分かります。
決して良いことではないですが、歯を失った場合は人工の歯で対処できます。
しかし、歯の神経については代わりとなるもので補うことはできません。

このため虫歯が歯の神経まで進行した時点で、患部の神経は永久に失われてしまいます。
そう考えると怖い事態ですが、虫歯を放置することさえしなければそんな問題は起こりません。
定期検診を受け、進行する前に虫歯を発見して治療すればこうした大きな問題にはならないのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』