歯科コラム
メタルボンドとは何ですか?
2018年01月26日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「メタルボンドについて」です。
歯科においても審美治療を希望する人が多い今、セラミック治療を知っている人も多いでしょう。
ではメタルボンドはどうでしょうか?…これについては聞き覚えがない人が多いでしょうが、
実はメタルボンドはセラミックの一種であり、セラミック治療を希望する人にとっては必要な知識になります。
そこで、ここではセラミックをテーマにしてメタルボンドについての説明をしていきます。
セラミック治療とは
メタルボンドを説明する上であらかじめ知っておかなければならないのが、セラミック治療についてです。
セラミック治療とは詰め物や被せ物の材質をセラミックにする治療で、
分かりやすく言えば銀歯の代わりにセラミックを使用する治療です。
以前はこうした詰め物や被せ物は銀歯が一般的でしたが、
最近では3つの理由からセラミックを希望する人が増えているのです。
ちなみにその3つの理由とは以下のとおりです。
審美性が高い
二次虫歯になりにくい
長持ちする
審美性の高さは言うまでもないですが、セラミックには二次虫歯になりにくい特徴があります。
これはセラミックの表面がツルツルしているためプラークが付着しにくいのと、
歯としっかりと接着するため歯との間に隙間が生じにくいことが理由になっています。
またセラミックは寿命が長く、一般的にきちんとケアしていれば10年以上は使用できます。
…このセラミック治療において関係してくるのがメタルボンドです。
セラミックの種類とメタルボンドの特徴
セラミック治療で使用するセラミックには、現状4つの種類があります。
具体的にはオールセラミック、ハイブリッドセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミックの4つです。
つまりメタルボンドはセラミックの種類の中の1つであり、セラミック治療の時に希望することができます。
さて、セラミックの特徴について上記で簡単に挙げましたが、
それ以外にそれぞれのセラミックならではの特徴もあります。
ではここで、今回のテーマであるメタルボンドの特徴について説明します。
メタルボンドの特徴
メタルという名前から連想できるとおり、メタルボンドはセラミックでありながら一部金属を使用しています。
そのため外見は少々特殊になっており、見える表側がセラミック、見えない裏側が金属になっています。
そもそもセラミックは陶器ですから、銀歯に比べて割れや欠けが起こりやすいのが短所と言われていました。
その点メタルボンドは一部金属をしているため、セラミックでありながら金属の頑丈さを備えているのです。
これについては金属の使用ならではの長所と言えますが、
その一方で金属を使用していることが短所になっている部分もあります。
それは金属アレルギーの対象になってしまうことです。
中には金属アレルギーを理由に銀歯からセラミックに交換を希望する人がいますが、
ここでメタルボンドを選択してしまうと銀歯同様に金属アレルギーが起こってしまうのです。
ジルコニアセラミックとの比較
ここ最近、ジルコニアセラミックという新しい種類のセラミックが登場しました。
このジルコニアセラミックはメタルボンドと似た特徴を持っており、
メタルボンドの後継的存在になりつつあります。
ジルコニアセラミックの最大の特徴は硬さで、その点で頑丈さを長所とするメタルボンドと似ています。
ただしジルコニアセラミックは金属を使用しておらず、人工ダイヤモンドであるジルコニアを使用しています。
このためメタルボンド以上の硬さを誇りますし、審美性の高さもメタルボンドを上回っています。
そして何より金属を使用していないため、
メタルボンドと違って金属アレルギーの人でも使用できる長所があります。
…こう説明するとメタルボンドに価値がないと思うかもしれませんが、そうでもありません。
と言うのも、ジルコニアセラミックには現状2つの短所があるからです。
1つはセラミックの中でも費用が高額に設定されていること、
もう1つは新しいセラミックであるため、取り扱っている歯科医院がまだ少ないことです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、メタルボンドについてまとめます。
1. セラミック治療とは :詰め物や被せ物の材質をセラミックにする治療
2. セラミックの種類とメタルボンドの特徴 :金属を使用しており、審美性の高さに加えて硬さも備えている
3. ジルコニアセラミックとの比較 :ジルコニアセラミックは硬くて美しいが、費用が高いなどの短所もある
これら3つのことから、メタルボンドについて分かります。
ジルコニアセラミックが登場したことで、メタルボンドが不要だという意見があります。
確かに、審美性においても機能性においてもジルコニアセラミックが上なのは事実でしょう。
しかし、審美性や機能性に劣るからこそ費用が安いという長所がありますし、
金属アレルギーの問題さえなければメタルボンドもまだまだセラミック治療の選択肢の1つに含まれます。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』