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歯科コラム

どうして歯周病になると歯が抜けるのか

2018年04月07日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病で歯が抜けるのはなぜか」です。
歯周病になると歯が抜けると言いますが、それはなぜなのでしょうか。

また、歯を失う要因の1位は歯周病だと言いますが、なぜそこまで歯周病で歯を失う人が多いのでしょうか。
歯が抜けるという点から歯周病は高齢の人がなる病気のイメージですがそれは違います。
初期の歯周病…すなわち歯肉炎は小学生でもなる病気ですから、今回のお話は全ての人に関係します。

歯周病の症状

歯周病は「歯の周りの病気」と書きますが、文字どおり歯の周りにある歯肉の病気です。
歯周病になると歯肉が炎症を起こして変色や腫れが見られるようになりますが、
進行することで別の症状が起き、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

具体的に言うと、歯周病が進行すると上下の顎骨が溶かされてしまうのです。
この上下の顎骨は歯槽骨と呼ばれ、歯を支える役割を持っています。
つまり歯槽骨が溶かされることは歯が支えを失うことを意味するのです。

支えを失った歯は土台のない家に等しく、不安定になってグラついてしまいます。
やがて歯槽骨が完全に溶かされてしまえば歯は完全に支えを失って抜け落ちてしまうのです。
これが歯周病で歯が抜けてしまう理由です。

歯を失う要因の1位は歯周病

日本人が歯を失う要因の1位は歯周病で、しかもこの順位は長年変わりません。
ではなぜそこまで歯周病で歯を失う人が多いのでしょうか。
理由は2つで、1つは歯周病を軽く考えている人が多いことです。

歯周病は虫歯のような辛い痛みはないため、むしろ治療する方が辛いと考える人が多いのです。
つまり歯周病を放置する形になってしまい、その結果歯が抜けるまで進行させてしまうのです。
そしてもう1つの理由は、歯周病の自覚症状が分かりづらいことです。

全くないわけではないものの、歯周病には虫歯の痛みのような分かりやすい自覚症状がありません。
このため自分が歯周病だと気づかず、知らない間にどんどん進行してしまいます。
その結果気づいた時には末期段階まで進行しており、手遅れで歯が抜け落ちてしまうのです。

歯周病になる人が多い理由

歯周病で歯を失う人が多いということは、それだけ歯周病になる人が多いことになります。
口の中の病気と言えば虫歯が一般的ですが、それ以上に歯周病になる人が多いわけです。
そして、そこまで歯周病になる人が多いのにも理由があります。

最も考えられる理由は、歯周病の要因が日常生活の中にもあることです。
つまり、歯磨きをしていれば歯周病を予防できるというわけでもないのです。
例えばストレスや疲労で身体の免疫力を低下すれば、細菌の感染症である歯周病にも感染しやすくなります。

また、喫煙している人は喫煙自体が歯周病になるリスクを高めますし、同時に重症化するリスクも高めます。
さらに、女性は女性ホルモンの分泌が過剰になる妊娠時などには歯周病になるリスクが高まります。
日常生活の中にも歯周病になるリスクを高める要因が潜んでいることで、歯周病になる人が多いのです。

定期検診のすすめ

歯周病で歯を失わないためには、以下の2つがポイントになります。

歯周病を予防する
歯周病を早期治療する

…これら2つのポイントを満たす上で重要なのが歯科医院の定期検診です。
定期検診では口の中をクリーニングするため、プラークや歯石を綺麗に除去できます。
そしてプラークや歯石の除去は歯周病の予防につながります。

次に歯周病の早期治療ですが、早期治療するためには早期発見しなければなりません。
とは言え、目立った自覚症状のない歯周病を早期発見するのは困難です。
しかし定期検診なら歯科医が口の中の状態を確認するため、歯周病を確実に発見できるのです。

つまり、定期検診を受けることで歯周病の予防と早期治療ができるのです。
最も、定期検診は1度受けるだけでは効果がなく、文字どおり定期的に受ける必要があります。
3ヶ月に1回の頻度で定期検診を受ければ、少なくとも歯を失うほど酷い歯周病になることはありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病で歯が抜けるのはなぜかについてまとめます。

1. 歯周病の症状 :歯を支える歯槽骨が溶かされるため歯が抜けてしまう
2. 歯を失う要因の1位は歯周病 :痛みのない歯周病は軽視されやすく、さらに目立った自覚症状もない
3. 歯周病になる人が多い理由 :歯周病の要因が日常生活の中にもあるため
4. 定期検診のすすめ :歯周病で歯を失わないためには歯科医院の定期検診が効果的

これら4つのことから、歯周病で歯が抜けるのはなぜかについて分かります。
歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされ、歯がグラついて最終的に抜け落ちてしまいます。
さらに末期段階まで進行すれば治療しても歯を残せないケースがあり、抜歯によって歯を失います。
このため歯周病も虫歯同様、歯を守るために徹底予防と早期治療を心掛けなければなりません。

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