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歯科コラム

歯周病を治すために手術をすることもあると聞きました

2018年04月14日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病と手術」です。
歯周病の治療方法の基本は、プラークや歯石の除去と患者さん自身によるプラークコントロールです。

最も、初期段階の歯周病ならこれらの治療で治りますが、
中期段階以降まで進行するとプラークと歯石の除去やプラークコントロールだけでは治せません。
そこで必要になってくるのが手術で、ここでは歯周病治療において必要な手術について説明していきます。

フラップ手術

歯と歯肉の境目にある歯周ポケットの溝は、歯周病になることで深くなります。
さらに言えば、歯周病の進行度に比例して歯周ポケットの溝も深くなっていきます。
この歯周ポケットの溝にはプラークや歯石が溜まるため、歯周病治療の際には専用の器具で除去します。

しかし歯周病が進行して歯周ポケットの溝が深くなりすぎると、
プラークや歯石を外側から器具で除去することができなくなるのです。
そこで必要になるのがフラップ手術です。

フラップ手術は歯肉を切開する手術で、
歯根が見えるほど歯肉を切開してそこから歯周ポケットの溝に溜まったプラークと歯石を除去するのです。
目で見て歯周ポケットの溝を清掃できるため、徹底的に綺麗にできるのがフラップ手術のメリットです。

ただし、フラップ手術の目的はあくまで歯周ポケットの溝の清掃のみになります。
このため既に破壊された歯周組織を元に戻すことはできないですし、
歯周組織の破壊状況によってはフラップ手術をすると歯肉が下がってしまうこともあります。

エムドゲイン法

エムドゲイン法は歯周病を治すための手術ではなく、
歯周病で溶かされた歯槽骨を再生させるための手術です。
このため絶対に必要と言うわけではなく、そのため保険外の自由診療となります。

まず麻酔をして歯肉を切開し、その後歯の周りのプラークや歯石を綺麗に除去します。
この清掃を怠ると歯槽骨が再生できないこともあるため、丁寧に清掃しなければなりません。
清掃後、エムドゲインを入れて歯肉を閉じ、糸で縫って手術は終わりです。

ちなみに、エムドゲインとはスウェーデンの幼弱な豚の歯の芽から抽出できるタンパク質です。
このエムドゲインを使用すると歯が生えてくる時と同じ環境を作り出せるため、
患部に使用することで溶かされた歯槽骨の再生を促します。

ただしこの治療方法は万能ではなく、どんな状態でも使用できるわけではありません。
部分的に骨が吸収された場合しか効果がなく、
例えば歯の周囲全ての骨が水平に下がっている場合は再生できません。

GTR法

GTR法とは歯周病で破壊された歯周組織…すなわち歯根膜や歯槽骨の再生を誘導する治療です。
歯周病で破壊された歯根膜や歯槽骨は例え歯周病を治しても再生されません。
これは再生前に周囲の歯肉が回復するためで、歯肉の回復によって再生スペースが失われてしまうからです。

つまり歯根膜や歯槽骨が再生される前に歯肉が回復してしまい、
本来歯根膜や歯槽骨が再生されるはずの箇所を歯肉が埋めてしまうのです。
GTR法とは、そんな歯根膜や歯槽骨の再生スペースを確保するための手術です。

歯肉を切開した後に歯根膜や歯槽骨が不足した箇所を人工の膜で覆い、そこに歯肉が混入するのを防ぎます。
そして歯肉を閉じ、後は粘膜の侵入を防ぎつつ歯根膜や歯槽骨の再生を待つのです。
そうすると、数ヶ月ほどで歯根膜や歯槽骨が再生してきます。

再生後は人工の膜を取り除いて終わりですが、エムドゲイン法同様に万能な治療方法ではありません。
歯周組織の状態次第では再生できないこともあるため、
どんなケースでもGTR法で対応できるわけではないのです。

歯周病と手術の必要性

歯周病治療で手術が必要になるのは、歯周病が相当進行している場合に限られます。
初期段階の歯周病ならフラップ手術を行わなくても歯周ポケットの溝の清掃はできますし、
歯槽骨が溶かされていなければエムドゲイン法やGTR法は必要ありません。

ここでお伝えした手術はいずれも歯肉を切開するため、
患者さんとしては「やりたくない」というのが本音でしょう。
早い段階で歯周病を発見してその時点で治療すれば、こうした手術を行う必要性は全くありません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と手術についてまとめます。

1. フラップ手術 :中期段階以降まで歯周病が進行すると必要。歯肉を切開して歯周ポケットの溝を清掃する
2. エムドゲイン法 :溶かされた歯槽骨を再生させる手術。絶対に必要な治療ではないので自由診療となる
3. GTR法 :破壊された歯根膜や歯槽骨の再生を誘導する手術。エムドゲイン法同様に自由診療となる
4. 歯周病と手術の必要性 :初期段階で治療すれば、歯周病でこれらの手術を行うことはない

これら4つのことから、歯周病と手術について分かります。
今回3つの手術を紹介しましたが、歯周病の治療として必要になることがあるのはフラップ手術です。
エムドゲイン法とGTR法は歯周病治療とは直接関係なく、
歯周病によって失われた歯槽骨などを再生させるための手術…言わば再生療法となっています。
歯周病を治すために手術をすることもあると聞きました

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病と手術」です。
歯周病の治療方法の基本は、プラークや歯石の除去と患者さん自身によるプラークコントロールです。

最も、初期段階の歯周病ならこれらの治療で治りますが、
中期段階以降まで進行するとプラークと歯石の除去やプラークコントロールだけでは治せません。
そこで必要になってくるのが手術で、ここでは歯周病治療において必要な手術について説明していきます。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』