歯科コラム
痛みもないのに歯周病と診断されました。その診断は本当に正しいのですか?
2018年04月26日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病と自覚症状」です。
痛みというのは自覚症状で、私達は痛みを感じることで病気に気づいて自覚します。
頭の痛み、胃の痛み、お腹の痛み…こうした痛みは身体が病気であることを示すサインに等しく、
これは歯の痛みにおいても例外ではありません。
実際、虫歯に気づいて自覚した人のほとんどは歯の痛みがきっかけだと思います。
今回のタイトルで「痛みがないのに歯周病と診断されたが、その診断は正しいのか?」とありますが、
正しいかどうかは実際に診ていないので100%の断言はできません。
しかし「痛みがないのに歯周病」というのは普通に考えられるケースです。
歯周病と歯の痛み
そもそも口腔内の病気は必ずしも歯が痛むとは限りません。
虫歯の場合はそうですが、歯周病で痛みを感じることはほとんどないのです。
つまり、痛みの有無だけで歯周病の有無を判断するのはできないということです。
しかしそうなると、だったら歯周病になっても気づかないのはないかと思うでしょうがそのとおりで、
痛みの自覚症状がないため知らない間に歯周病が発症し、進行してしまう人が多いのです。
このため、歯周病は「静かなる病気」とも表現されることがあります。
歯周病の自覚症状
痛みのような分かりやすい自覚症状がないとは言え、自覚症状自体が全くないわけではありません。
歯周病になると以下のような自覚症状があります。
歯肉が腫れる、変色する
歯周病になると歯肉が炎症を起こすため、その影響で腫れや変色が見られます。
本来ピンクの歯肉が赤く腫れますが、これは歯周病菌と戦うために免疫細胞を含んだ血液が集まるからです。
歯肉から出血しやすくなる
炎症を起こして腫れた歯肉はちょっとした刺激で出血しやすくなります。
特に出血が起こりやすいのは食事や歯磨きの時です。
口臭がする
歯周病になると口の中で細菌が繁殖する上、歯肉から出た膿みや出血が原因で口臭がするようになります。
ちなみに歯周病の口臭は虫歯の口臭よりもきつく、周囲も感じるほどのものになります。
歯が長く見える
歯周病が進行すると顎骨である歯槽骨が溶かされ、その影響で歯肉が退縮して下がります。
歯肉が下がると歯の根元が露出するため、一見歯が長くなったように見えます。
冷たいものや熱いものがしみる
上記の「歯が長く見える」に関係する自覚症状です。
露出した歯の根元はエナメルに覆われていないため、冷たさや熱さの刺激でしみるようになります。
歯が動く、グラつく
最も分かりやすい自覚症状ですが、この自覚症状で歯周病に気づくのは遅すぎます。
歯が動いたりグラついたりするということは、歯槽骨が溶かされて歯周病も相当進行してしまっています。
定期検診の重要性
歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされ、不安定になった歯は抜け落ちてしまいます。
これが歯周病で歯を失う流れであり、多くの人が歯周病で歯を失っています。
事実、日本人が歯を失う要因として長年トップに君臨しているのがこの歯周病なのです。
最も、歯周病になっても早期発見と早期治療ができれば深刻な事態にはなりません。
例えば初期段階の歯周病なら、歯石の除去やプラークコントロールだけで治すこともできるのです。
しかし、目立つ自覚症状のない歯周病に初期段階で気づくのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが歯科医院での定期検診です。定期検診では歯科医が口の中をチェックするため、
目立つ自覚症状のない初期段階の歯周病も発見して治療できるのです。
何より定期検診を受けること自体、歯周病予防に大きな効果があります。
歯周病の予防方法
歯周病を予防するには3つのことを実践する必要があります。
1つ目に丁寧な歯磨きで、ただ磨くのではなくデンタルフロスを使って精密な歯磨きを行いましょう。
歯磨きの仕方にもコツがありますが、定期検診や予防歯科を受ければブラッシング指導を受けられます。
2つ目に定期検診を受けることで、これは上記でも説明したので省略しますが、
受ける頻度としては3ヶ月に1度を目安とすると良いでしょう。
最後3つ目は生活習慣の改善で、歯周病は生活習慣病とも呼ばれています。
乱れた食生活や疲労やストレス…これらは身体の免疫力を低下させるため、
歯周病菌に感染するリスクを高めます。さらに喫煙も歯周病になるリスクを高めるため、
日常生活の中に潜む歯周病になるこうした要因をできるだけたくさん取り除かねばなりません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病と自覚症状についてまとめます。
1. 歯周病と歯の痛み :痛みの有無は歯周病の有無の判断材料にはならない
2. 歯周病の自覚症状 :痛みはほとんどない。歯肉の腫れや変色、歯肉からの出血など
3. 定期検診の重要性 :目立った自覚症状がないため、歯周病を早期発見するには定期検診が欠かせない
4. 歯周病の予防方法 :精度の高い丁寧な歯磨き、定期検診を受ける、生活習慣の改善する
これら4つのことから、歯周病と自覚症状についてまとめます。
歯周病では痛みを感じることがほとんどないため、
痛みの有無は歯周病の有無を判断するための基準にはなりません。
痛みがなくても歯周病になっていることがあり、だからこそ「静かなる病気」とも表現されるのです。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』