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歯科コラム

歯が痛い時の応急処置、「温める」と「冷やす」はどちらが正解?

2018年05月07日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯が痛む時は温めるべきか冷やすべきか」です。
歯が痛んだ時の応急処置で悩むのが、温めるべきか冷やすべきかの二択です。

体調が悪い時は身体を温めるのが基本ですし、その一方でケガをした時は冷やすのが基本です。
その意味では、どちらも一見正解のように思えるかもしれません。
だからこそ悩んでしまうわけで、ここではどちらの方法が正しいのかについて説明していきます。

「冷やす」が正解

歯が痛んだ時の応急処置で正しいのは「冷やす」です。
そもそも、歯が痛む原因として最も可能性が高いのは虫歯などによる炎症です。
もっと詳しく言うと、患部の血液が多くなって神経が圧迫されているのです。

と言うことは、神経を圧迫するほどの盛んな血液の流れを抑えれば、炎症もまた抑えられるわけです。
ではどうすれば血液の流れを抑えることができるのか?…それは冷やすことです。
このため、歯が痛んだ時には温めるのではなく冷やすのが正しい対処方法です。

<温めるのはなぜダメなのか?>
歯が痛む時には冷やすのが効果的なのは、血液の流れを遅くして神経の圧迫がやわらぐからです。
一方、温めると血液の流れが遅くなるどころか余計に神経が圧迫されて痛みが増してしまいます
これは温めることで血行が良くなるからで、運動や飲酒にも同じことが言えます。

正しい冷やし方

歯が痛む時には冷やすのが正解ですが、さらに言えば正しい冷やし方があります。
例えば氷を口に含んで患部に当てる、水で何度もうがいする…こうした冷やし方は間違いです。
この場合は冷やし過ぎになってしまい、血液の循環に障害をもたらしてしまう可能性があります。

正しいのは直接ではなく頬側から冷やすことで、濡れタオルや解熱シートを頬に当てて冷やしましょう。
最も、これらの方法で冷やせば歯の痛みは徐々に治まっていくでしょうが、
あくまで応急処置であって治療としての効果は全くなく、痛みが治まっても必ず歯科医院に行ってください。

冷やす以外の応急処置

歯が痛む時の応急処置と効果的なのは冷やすことだけではありません。
以下の方法でも歯の痛みを治める効果があるため、
濡れタオルや解熱シートが用意できない場面で痛んだ時に備えて知っておくと良いでしょう。

・痛み止めを飲む
歯科医院で処方されたものに限らず、薬局で販売されている痛み止めでも大丈夫です。
ただし痛み止めは即効性がないため、飲んですぐ痛みが治まることはありません。
また、神経まで進行した虫歯のように痛みが酷い場合、痛み止めでは完全に痛みが治まらないこともあります。

・正露丸を詰める
痛み止めとの大きな違いは使用方法で、痛み止めの場合は「飲む」ですが正露丸の場合は「詰める」です。
粘土状になっている正露丸を患部に押し込むように詰めてください。
しばらくすると痛みが治まり、詰めた正露丸はそのままにしておけば溶けていきます。

・ぬるま湯でうがいをする
食べカスや細菌によって歯が痛んでいる場合は、ぬるま湯でうがいをするのが効果的です。
「ぬるま湯」と表現したのは、上記で説明したとおり熱いお湯や冷水は逆効果になってしまうからです。
また、あまり強くうがいをすると患部を傷つけてしまうため、優しいうがいを繰り返すようにしてください。

救急歯科医療機関について

小さな子供がいる方などは、子供の急な発熱などで夜間救急医療機関を利用した経験があると思います。
実は、歯科においてもこうした救急医療機関があるのをご存じでしょうか。

土日、祝日、夜間など、歯科医院に行きたくてもいけないタイミングで歯が痛んだ場合、
さらに応急処置をしても痛みが治まらない場合は救急歯科医療機関を利用するのがおすすめです。

インターネットで「救急歯科医療機関 〇〇(住んでいる地域)」などと検索すれば、
最寄りの救急歯科医療機関を調べられるので、緊急時に備えて連絡先を控えておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯が痛む時は温めるべきか冷やすべきかについてまとめます。

1. 「冷やす」が正解 :温めると血行が良くなるため、神経が圧迫されて痛みが酷くなる
2. 正しい冷やし方 :患部を直接冷やすのは冷やし過ぎ。頬側から濡れタオルや解熱シートで冷やす
3. 冷やす以外の応急処置 :痛み止めを飲む、正露丸を詰める、ぬるま湯でうがいをする
4. 救急歯科医療機関について :救急歯科医療機関なら夜間や休日でも診療を行っている

これら4つのことから、歯が痛む時や温めるべきか冷やすべきかについて分かります。
正解は「冷やす」ですが、あくまでそれは応急処置としての効果です。
つまり治療としての効果はなく、痛みが治まるのは一時的でしかありません。

痛みそのものを解消するにはその原因を診断して治療しなければならないため、
例え冷やして痛みが治まったとしても歯科医院で治療を受けましょう。
そうしなければ症状はさらに悪化するため、今回のことは緊急時の応急処置として参考にしてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』