ホーム > 歯科コラム > 冷たいものの飲食で歯がしみる時には、どんな歯の病気が考えられる?

歯科コラム

冷たいものの飲食で歯がしみる時には、どんな歯の病気が考えられる?

2018年05月22日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「冷たいもので歯がしみるのはなぜか」です。
冷たいものを飲食した時に歯がしみることがあります。

この場合、最も可能性が高いのは虫歯でしょうが、
虫歯になると冷たいものがしみるというのは誰もが知っていることだと思います。
そこで、ここでは敢えて他の原因について考えてみます。

歯の現在の状態を考える

本来歯の象牙質とは刺激に対して非常に敏感で、冷たさもまた象牙質にとって刺激となります。
しかし、普段冷たいものを飲食してもしみないのは、象牙質が保護されているからです。
では象牙質は何で保護されているのか?…それは歯の表面のエナメル質です。

つまり私達が普段食事の時に歯がしみないのは、歯の表面のエナメル質が象牙質を保護しているからです。
と言うことは、冷たいものがしみるのは患部が何らかの原因でエナメル質に保護されていないことになります。
エナメル質に保護されておらず象牙質が剥き出しになっているため、冷たいものでしみてしまうのです。

知覚過敏

エナメル質に何らかの異常があると、刺激が象牙質に直接伝わってしまいます。
象牙質には知覚がありますから、そこに刺激が伝わることで痛みを感じてしまいます。
さらに歯の神経は冷たさも痛みに変換してしまうため、象牙質に冷たい刺激が加わることで痛みを感じます。

そして、このような症状を知覚過敏と呼びます。
ここで問題なのが、何が原因でエナメル質に異常が起こっているのかです。
エナメル質は自己修復していきますが、異常が起こった原因を究明しなければ何度でも繰り返されるでしょう。

エナメル質に異常が起こる原因

以下のような原因でエナメル質は傷つき、象牙質が剥き出しの状態になってしまいます。
そして象牙質が剥き出しになることで刺激に対して敏感になるため、知覚過敏が起こります。

・歯磨きの仕方が悪い
歯を強く磨きすぎるとエナメル質を傷つけてしまいます。
そうなると象牙質の一部が剥き出しになり、知覚過敏が起こってしまいます。
ちなみに、正しい歯の磨き方は予防歯科や定期検診を受けることで指導してもらえます。

・歯周病
歯周病でエナメル質が傷つくことはないですが、進行すると歯肉が下がってしまいます。
歯肉が下がることで歯の根元が露出しますが、この歯の根元は元々エナメル質に覆われていません。
つまり象牙質が剥き出しの状態になっており、冷たいものでしみたり痛んだりしてしまいます。

・外傷
歯を強くぶつけるなどした場合はもちろん、
それ以外にも強く噛み過ぎる、歯ぎしりをするなどによってエナメル質は傷つきます。
特に噛み合わせが悪い場合、ただ噛むだけでエナメル質を傷つけてしまうことがあります。

知覚過敏への対処方法

知覚過敏が起こった場合、以下の方法で対処できます。

・ガムを噛む
ガムを噛むと唾液の分泌量が高まり、傷ついたエナメル質の修復が早まります。
これは、唾液にリン酸などの歯を修復する成分が含まれているからです。
とは言え、ガムを噛むと虫歯になるリスクが高まるため、キシリトール配合のガムを噛むようにしてください。

・歯ブラシや歯磨き粉にこだわる
硬い歯ブラシを使用するとエナメル質が傷つきやすいため、やわらかめの歯ブラシを選択しましょう。
また、歯磨き粉においても知覚過敏用のものが販売されています。
いずれも薬局で購入できるため、薬剤師さんと相談して自分に合うものを選んでください。

・マウスピースを使用する
就寝中に歯ぎしりをするクセがある人は、それが原因でエナメル質を傷つけてしまいます。
とは言え、就寝中のクセは無意識に行うものですから、自分で注意することはまず不可能です。
この場合は専用のマウスピースで対処できるため、その旨を歯科医院で相談すると良いでしょう。

冷たいものがしみる時は歯科医院に行く

冷たいものがしみた時、必ずしなければならないのは歯科医院に行くことです。
確かに、軽い知覚過敏が原因なら知覚過敏用の歯磨き粉を使用するなどして改善が可能です。
しかし知覚過敏はあくまで1つの可能性…診断してみないことには原因の特定はできません。

例えば虫歯によるものなら虫歯の治療が必要になりますし、歯周病によるものなら歯周病の治療が必要です。
さらに歯髄炎によるものだと悪化することで痛みはさらに酷くなってしまいます。
このため、軽い知覚過敏と決めつけずにまずは歯科医院に行って診察を受けましょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、冷たいもので歯がしみるのはなぜかについてまとめます。

1. 歯の現在の状態を考える :冷たいものがしみるということは、歯の表面のエナメル質が傷ついている
2. 知覚過敏 :エナメル質が傷ついて象牙質が剥き出しになることで、冷たさによる刺激で痛みを感じる
3. エナメル質に異常が起こる原因 :歯磨きの仕方が悪い、歯周病、外傷
4. 知覚過敏への対処方法 :ガムを噛む、歯ブラシや歯磨き粉にこだわる、マウスピースを使用する
5. 冷たいものがしみる時は歯科医院に行く :知覚過敏はあくまで可能性の1つにしか過ぎない

これら5つのことから、冷たいもので歯がしみるのはなぜかについて分かります。
冷たいものがしみる場合、知覚過敏をはじめとして様々な原因が考えられます。
特に虫歯や歯周病なら治療しなければならないですし、放置することで症状はさらに悪化します。
このため、「冷たいものがしみた時にはまず歯科医院に行く」…このことを覚えておいてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』