噛んだ時に激痛を感じる場合、原因は何が考えられますか？

中央区月島勝どきの歯医者さん、ＹＵＺ ＤＥＮＴＡＬ ｔｓｕｋｉｓｈｉｍａです。
今回のテーマは「噛んだ時に痛みを感じる原因」です。
普段歯の痛みがないのに噛んだ時にズキッと激痛を感じる…そんな経験がある人もいるでしょう。

このように、噛んだ時に激痛を感じるのにはもちろん原因がありますが、その原因は歯科医が診てみないことには断言できません。ただしいくつかの可能性は挙げられるため、ここでは噛んだ時に激痛を感じる原因として考えられるものをお伝えしていきます。

噛み合わせが悪い

噛み合わせというのは日常生活の中で乱れてしまうことがあり、以前は正常だった噛み合わせが現状悪くなっているケースは珍しくありません。
噛み合わせが悪いと噛んだ時に特定の歯に過剰な力が掛かり、その負担で痛みを感じることがあるのです。

これについてはある程度の自己診断も可能で、鏡で口の中をチェックしてみましょう。
この時今までと違うと感じる箇所があれば、その箇所の噛み合わせが悪くなっている可能性があります。
また、鏡で口の中をチェックする習慣を身につけておけば、歯肉の腫れなどにもいち早く気づけます。

歯根膜炎

歯根膜というのは食べ物の固さを判断する能力がありますが、この歯根膜に刺激や過剰な力が加わると痛みを感じることがあり、それを歯根膜炎と呼びます。
そして、噛んだ時に激痛を感じるという症状は歯根膜炎の症状によく似ています。

噛んだ時に痛む…すなわち過剰な力が掛かると痛むという点で一致していますし、ズキズキと激しい痛みを感じるという点も一致しています。
特に元々歯ぎしりや食いしばりのクセがある人は、歯根膜炎が原因の可能性が高いでしょう。

虫歯

虫歯になると常に歯が痛むイメージがありますが、実際にはそうとは限りません。
と言うのも、虫歯は進行度によって起こる症状が異なるからです。
確かに、神経まで虫歯が進行すれば常にズキズキとした痛みを感じるでしょう。

しかし、象牙質まで進行した虫歯の場合は常に痛むことはなく、
剥き出しになった象牙質…つまり患部に刺激が加わることで痛みを感じます。
このため虫歯が象牙質まで進行していて、噛む衝撃が患部に刺激となって痛んでいる可能性もあります。

歯周病

歯周病になると歯肉が炎症を起こしますが、この時点で痛みを感じることはありません。
しかし進行することで歯を支える歯槽骨が溶かされてしまい、
そうなると歯は支えを失うことで不安定になってグラつきます。

そして、この状態の時に噛むと痛みを感じることがあります。
つまり噛んだ時に痛む原因が歯周病だった場合、その歯周病は相当進行してしまっていると言えるでしょう。
この状態で放置すると痛みが続くだけでなく、歯は完全に支えを失って抜け落ちてしまいます。

根尖性歯周炎

「こんせんせいししゅうえん」と読み、歯の根の周りの組織が炎症を起こす症状です。
根尖とは歯の根の先を意味し、歯周とは歯の周りの組織、そして炎は炎症を意味します。
歯の神経が死ぬと血液が流れなくなるため、その影響で免疫機能の働きが失われてしまいます。

そうなると細菌を歯の根の外に排出する力も失われ、歯の神経が入っていた歯髄腔が細菌に感染します。
これによって歯の根の先…すなわち根尖から細菌が毒素を出すようになり、その毒素によって炎症が起こるのです。そして、この毒素が元で歯根膜炎が起こって噛むと痛むのです。

噛んだ時に痛む場合の応急処置

噛んだ時に痛む場合、応急処置として効果的なのが痛み止めを飲むことです。
これは歯科医院で処方されたものはもちろんですが、市販の痛み止めでも効果が得られます。
ただし痛み止めの効果はあくまで痛みを一時的に止めるだけであり、治療の効果は一切ありません。

特に噛んだ時に痛む場合はその原因を自身で特定しにくいため、必ず歯科医院に行かなければなりません。
治療しなければさらに別の深刻な症状が起こることもあるため、痛み止めはあくまで応急処置として捉え、少しでも早く歯科医院に行きましょう。

まとめ

いかがでしたか？
最後に、噛んだ時に痛みを感じる原因についてまとめます。

１.　噛み合わせが悪い　：特定の歯に過剰な力が掛かるため、それが負担となって噛んだ時に痛む
２.　歯根膜炎　：噛んだ時に激痛を感じる、ズキズキと激しく痛むのは歯根膜炎の症状と同じ
３.　虫歯　：象牙質まで進行した虫歯は、患部に刺激が加わることで痛む
４.　歯周病　：歯槽骨が溶かされていると噛んだ時に痛む。この場合歯周病は相当進行している
５.　根尖性歯周炎　：根尖性歯周炎によって歯根膜炎が起こる
６.　噛んだ時に痛む場合の応急処置　：痛み止めを飲むことだが、痛み止めに治療効果はない

これら６つのことから、噛んだ時に痛みを感じる原因について分かります。
あくまで可能性の話ですが、噛んだ時に痛む場合はその原因として歯根膜炎の可能性が高いでしょう。
しかし虫歯や歯周病の可能性だってありますし、噛み合わせの悪さが原因かもしれません。
それぞれ治療方法は全く異なるため、まずは原因を特定するためにも歯科医院で診察を受けましょう。