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歯科コラム

歯周病治療における「プラークコントロール」とは何ですか?

2018年07月01日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「プラークコントロール」です。
歯周病治療の基本は2つで、歯石の除去とプラークコントロールです。

これらはどの段階の歯周病治療でも必要ですが、歯石の除去については想像できるでしょう。
そもそも歯石の除去は歯周病でない場合も、希望すれば歯科医院で行える治療ですからね。
そこで、ここでは歯周病治療のもう1つの基本であるプラークコントロールについて説明していきます。

プラークとは

まずプラークコントロールのプラークについて説明すると、プラークとは歯に付着している細菌の塊で、
指で歯に触れた時にヌルヌルした感触があればそれがプラークです。
目に見えず透明ではあるものの、プラークの中には億単位の数の細菌が存在しています。

いわばプラークは細菌の棲み処であり、プラーク1mgあたり1億個以上の細菌が含まれているのです。
歯に付着していて自然にはなかなか落ちないものの、プラークは歯磨きで除去できます。
歯周病の原因菌もプラークの中に存在するため、歯周病予防において歯磨きが重要なのはそのためです。

<プラークが残ったままだとどうなるの?>
プラークが残ったままだと、やがてそのプラークは石灰化して歯石へと変化します。
歯石とは歯と歯の間や歯と歯肉の境目あたりに付着している白い塊で、
一度歯石になってしまうと歯磨きでは除去できず、除去するためには歯科医院でスケーリングが必要です。

プラークコントロールとは

プラークコントロールとは、上記で説明したプラークを効率良く除去すること、
さらにはプラークの歯への付着を最大限防ぐことです。プラークを除去する意味が含まれるため、
歯科医院で行う歯のクリーニングなどもプラークコントロールに含まれます。

ただし歯周病治療におけるプラークコントロールは、患者さん自身によるプラークコントロールのことですから、
プラークを除去するための毎日の歯磨きや、プラークの付着を防ぐための食生活の改善などを意味します。
つまり、「歯周病治療におけるプラークコントロール=歯磨きや食生活の改善」と捉えれば良いでしょう。

歯磨きによるプラークコントロール

歯磨きでプラークは除去できますが、ただ適当に磨くだけではプラークコントロールとは言えません。
プラークを効率良く除去できてこそプラークコントロールと言えるため、実践には精密な歯磨きが必要です。
ではどうすれば精密な歯磨きが行えるのか?…そのために必要な3つのことをお伝えします。

正しい歯磨きの仕方を覚えよう

歯科医院の定期検診や予防歯科ではブラッシング指導を行っています。
このため定期検診や予防歯科を受けることで正しい歯磨きの仕方を覚えられますし、
歯周病治療の際にもプラークコントロールができるようブラッシング指導を行います。

<補足>
正しい歯磨きの仕方は、インターネットの動画や紹介サイトを見てもあまり参考になりません。
と言うのも、歯並びの状態によって正しい歯磨きの仕方が異なるからです。
このため必ず定期検診や予防歯科を受け、自分の歯並びに合った歯磨きの仕方を覚えましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯磨きしよう

余程の技術がない限り、ブラッシングだけの歯磨きでは6割程度のプラークしか除去できません。
歯と歯の隙間や歯と歯肉の境目など、
歯ブラシが届きにくい箇所を磨くためにデンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。

<補足>
デンタルフロスは歯と歯の間を磨くためのもので虫歯予防に効果的、
歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨くためのもので歯周病予防に効果的と言われています。
それぞれ使用することで、プラークの除去率が2割~3割も高まります。

プラークテスターを使おう

プラークテスターを使用することで、プラークを染め出すことができます。
これによって無色透明のプラークを目に見える状態にできるため、磨き残しを確実になくせます。
ちなみにプラークチェッカー、歯垢染色剤、歯垢染色液とも呼ばれています。

<補足>
プラークテスターを使用するなら、1度だけでなく数日間連続して使用することをおすすめします。
そうすれば毎回染色される箇所…つまり磨き残しのパターンが分かるため、
自分の歯磨きの弱点を知ることができるからです。

食生活の改善によるプラークコントロール

食生活を改善することはプラークの付着を防ぐことになり、イコールプラークコントロールにつながります。
ちなみに、食生活の改善で最も難しいのは何をどう改善すれば良いのは分かりづらいことです。
そこで、プラークコントロールのための食生活の改善のポイントをお伝えします。

間食に注意

間食と言えばおやつですが、お菓子は糖分が高い上に粘性が強いためプラークが付着しやすくなります。

繊維質はプラークの発生を抑制する

ニンジンなど、繊維質が豊富な食べ物はプラークの発生を抑制する効果があります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、プラークコントロールについてまとめます。

1. プラークとは :歯に付着している細菌の塊。無色透明で触るとヌルヌルする
2. プラークコントロールとは :プラークを効率良く除去しつつ、歯への付着を最大限防ぐこと
3. 歯磨きよるプラークコントロール :正しい歯磨きの仕方を覚え、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
4. 食生活の改善によるプラークコントロール :間食に注意、繊維質はプラークの発生を抑制する

これら4つのことから、プラークコントロールについて分かります。
分かりやすく言えば、プラークコントロールとは毎日の歯磨きや食生活の改善です。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用した精密な歯磨き、
糖の摂取を控えるなどの食生活の改善によってプラークコントロールが可能です。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』