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歯科コラム

歯肉炎と歯周病は同じと聞きましたが、なぜ名前が違うのでしょうか?

2018年07月23日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯肉炎と歯周病の関係」です。
歯肉炎は歯肉に炎症が起こる病気ですが、それは歯周病と同じだと言われています。

しかし、歯肉炎が歯周病と同じならなぜ別名になっているのでしょうか。
歯肉炎と歯周病が同じなら、歯肉炎で歯を失うことがあるのでしょうか。
そこで、ここでは歯肉炎と歯周病の関係について説明していきます。

歯周病の進行度と病名

歯周病は3つの進行度に分けられており、具体的には初期段階と中期段階と重度段階の3段階です。
しかし、以前はこれら3段階においてそれぞれ病名がつけられていました。
初期段階の歯周病のことを歯肉炎と呼び、中期段階の歯周病のことを歯周炎と呼び、
重度段階の歯周病のことを歯槽膿漏と呼んでいたのです。

それが最近では全てひっくるめて歯周病と呼ぶようになったのです。
つまり歯肉炎は初期段階の歯周病のことを指しており、その意味で「歯肉炎=歯周病」です。
しかし歯肉炎は初期段階の歯周病ですから、歯肉炎で歯を失うことはありません。
失うとすれば歯肉炎が進行して歯周炎となり、さらに進行して歯槽膿漏になった場合です。

歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏と呼ぶ理由

上記でお伝えしたとおり、歯肉炎と歯周炎と歯槽膿漏は以前の呼び方で、
今では全てひっくるめて歯周病と呼んでいます。
では、なぜ今でも歯科医によっては以前の呼び方を使う人がいるのでしょうか。

正直その理由は歯科医に確認しなければ分からないですし、大した理由はないと思います。
おそらくですが、以前の呼び方を使う理由は次のどちらかだと考えられます。

以前のクセがそのまま残っている

長く歯科医をやっている人は、以前使っていた歯肉炎や歯周炎や歯槽膿漏の呼び方がクセになっており、
むしろ歯周病と呼ぶことに慣れていない人もいます。

患者さんに危機感を持ってもらうため

患者さんに歯周病に危機感を持ってもらうため、わざと以前の呼び方を使う歯科医もいます。
特に、「歯の骨から膿みが漏れる」と書く「歯槽膿漏」はインパクトがあるでしょう。

歯周病は若くても発症する

歯肉炎と歯周病…2つの呼び名があることは単に以前の言い方か今の言い方かの違いです。
このため深い意味はなく、その点は1つの知識として覚えておく程度で問題ないでしょう。
しかし、このことから分かる大切なことが1つあり、それは若くても歯周病は発症するということです。

ここでお伝えしたように、歯肉炎は初期の歯周病とイコールです。
歯周病は歯を失うという点から高齢の人に発症するイメージがありますが、
小学校の歯科検診で歯肉炎と診断される子供は少なくないですからね。

つまり歯周病は若くても発症するということです。
最も、小学生の年齢だと代謝も活発なのでさすがに歯を失うほど進行することはありません。
しかし歯周病が発症するのは事実であり、事実歯周病の低年齢化も問題になっています。

歯周病の予防方法

歯周病は若くても発症するという以上、年齢関係なく予防を徹底しなければなりません。
そこで、歯周病の予防に効果的な3つの方法をお伝えします。

歯磨きの精度を高める

毎日の歯磨きは歯周病予防の基本ですが、1日3回磨いていても歯周病を予防できるとは限りません。
なぜなら、歯磨きにおいて大切なのは回数ではなく精密さだからです。
デンタルフロスを使用する、ブラッシング指導を受けるなどして歯磨きの精度を高めましょう。

日常生活の過ごし方を見直す

歯周病は生活習慣病であり、発症の要因が日常生活の中に多々潜んでいます。
そこで、日常生活の過ごし方を見直して改善してください。
例えば睡眠不足やストレスの蓄積は、身体の免疫力低下を招いて歯周病菌に感染するリスクを高めます。

歯科医院で定期検診を受ける

歯科医院で行う治療は、病気を治すためのものだけではありません。
病気を予防するための治療も行っており、それが定期検診です。
歯のクリーニング、ブラッシング指導、生活習慣改善のアドバイスなどによって歯周病の予防効果が高まります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯肉炎と歯周病の関係についてまとめます。

1. 歯周病の進行度と病名 :初期段階の歯周病のことを歯肉炎とも呼ぶ
2. 歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏と呼ぶ理由 :以前の呼び方のクセがそのまま残っているなどの理由
3. 歯周病は若くても発症する :「歯肉炎=初期段階の歯周病」である点から、歯周病は若くても発症する
4. 歯周病の予防方法 :歯磨きの精度を高める、日常生活の過ごし方を見直す、定期検診を受ける

これら4つのことから、歯肉炎と歯周病の関係について分かります。
まとめると、歯周病は進行度によって3段階に分けられていますが、以前は初期段階の歯周病を歯肉炎、
中期段階の歯周病を歯周炎、重度段階の歯周病を歯槽膿漏と呼んでいたのです。
このため歯肉炎は歯周病とイコールであり、正確には初期段階の歯周病とイコールです。
そして歯肉炎は小学生でも発症するため、歯周病は若くても発症するということが分かります。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』