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歯科コラム

被せ物をすると歯肉が黒く変色すると聞きましたが、どうにか対処できないですか?

2018年08月15日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「被せ物による歯肉の変色と対処方法」です。
「被せ物を使用すると歯肉が黒く変色する」…そんな問題を聞いた方はいないでしょうか。

これは事実ですが、だからと言って被せ物をなしにすることはできません。
最も、こうした事態が起こる原因は分かっているため対処することは可能です。
そして、その対処のポイントは被せ物の材質の選択です。

原因は銀歯

被せ物で歯肉が黒く変色する原因は銀歯です。銀歯は銀…すなわち金属を材質とした被せ物であり、
年数が経過することで劣化によって金属イオンが溶け出してしまいます。
その金属イオンの溶け出しが原因で歯肉が黒く変色してしまうのです。

この問題については2つの対処方法があります。1つは劣化する前に銀歯を新品に交換することですが、
正直この対処方法はあまりおすすめできません。と言うのも、自分で劣化を判断するのは難しいからです。
おすすめなのはもう1つの方法で、被せ物の材質を銀歯ではなくセラミックにすることです。

セラミック治療について

セラミック治療とは被せ物をセラミックにする治療で、詰め物をセラミックにする場合もこれに含まれます。
最初に被せ物の処置する際にセラミックにすることもできますし、
既に銀歯を使用している方がセラミックに交換することも可能です。

セラミックにすることで金属イオンの溶け出しが起こらなくなるため、歯肉の変色の問題は解消できます。
ただしセラミックと銀歯を比較した場合、異なる点がそれ以外にもいくつかあるため、
セラミック治療を希望するのであればセラミックの特徴を知っておきましょう。

セラミックの特徴

セラミックの特徴はいくつかあるため、分かりやすく長所と短所に分けて説明します。

<セラミックの長所>

・審美性が高い
これがセラミックの最大の長所です。
セラミックは見た目が美しく、ただ白いだけでなく天然の歯に近い光沢まで再現しています。
また白さにおいても種類が豊富なため、自分の歯に合った白さにできます。

・二次虫歯を予防しやすい
セラミックは材質的に表面がツルツルしており、プラークが付着しにくくなっています。
さらに歯としっかり接着し、作業工程においても被せ物のサイズを歯とピッタリ合わせることが可能です。
このため歯との間に隙間が生じにくく、細菌の侵入を防ぐため二次虫歯を予防しやすいのです。

・金属アレルギーが起こらない
セラミックの材質は陶器ですから、日常で使用する茶碗や湯呑みと同じです。
つまり金属を使用しておらず、金属アレルギーの方でも安心して使えます。
ただし、例外としてメタルボンドと呼ばれるタイプは一部金属を使用しています。

・寿命が長い
いくら美しいセラミックでも人工物ですから、被せ物として永久に使うことはできません。
年数が経過すれば劣化していき、いずれ寿命がくると交換が必要です。
しかし肝心の寿命は銀歯に比べて長く、銀歯の3年~5年に対してセラミックの寿命は10年以上です。

<セラミックの短所>

・費用が高い
セラミックは基本的に健康保険が適用されないため、銀歯に比べると費用が高くなります。
最も、費用の高さについては方法次第である程度抑えることも可能です。
例えば「医療費控除の申請」や「ハイブリッドセラミックにする」などの方法です。

・欠けたり割れたりすることがある
セラミックも充分な耐久性を誇っているものの、あまり強い力で噛むと欠けたり割れたりする事故が起きます。
このため、単純な強度においては金属である銀歯に多少劣るのです。
ただしメタルボンドやジルコニアセラミックなど、耐久性の高さを特徴にしたセラミックもあります。

セラミックの種類

上記で説明した「セラミックの特徴」は、全てのセラミックに共通したものです。
しかしセラミックには種類があり、種類ごとで独自の特徴もあります。
セラミック治療時にはセラミックの種類を選択できるため、種類ごとの特徴もある程度知っておくと便利です。

・オールセラミック…最も美しいタイプ。審美性と機能性が秀でている分、費用は高い
・ハイブリッドセラミック…レジンが混ざっているため年数経過で変色するが、費用は安くてお手軽
・メタルボンド…金属を使用しており耐久性が高く、奥歯におすすめ。金属アレルギーの対象になる
・ジルコニアセラミック…人工ダイヤモンドを使用しており耐久性が高く、奥歯におすすめ

まとめ

いかがでしたか?
最後に、被せ物による歯肉の変色と対処方法についてまとめます。

1. 原因は銀歯 :銀歯の金属イオンが溶け出すことで歯肉が黒く変色する
2. セラミック治療について :非金属であるセラミックにすれば歯肉の変色は起こらない
3. セラミックの特徴 :長所は審美性の高さなど。短所は費用の高さなど
4. セラミックの種類 :オールセラミック、ハイブリッドセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミック

これら4つのことから、被せ物による歯肉の変色と対処方法について分かります。
被せ物で歯肉が黒く変色するのは、銀歯の金属イオンが溶け出すことが原因で、
つまり銀歯を被せ物にした場合に起こる問題です。

このため、対処方法は銀歯ではなく別の材質の被せ物にすることです。
そこでおすすめなのがセラミックです。セラミックなら歯肉の変色が起こらないのはもちろん、
被せ物自体の見た目も美しく、さらに二次虫歯を予防できるなどのメリットもあります。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』