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歯科コラム

小学生の子供でも歯周病になりますか?

2018年09月07日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「小学生の子供が歯周病になる可能性」です。
歯周病は歯肉の病気ですから、歯肉がある時点でその人は歯周病になる可能性があります。

その意味では、例えば小学生の子供でも歯周病になることになります。
しかし、歯を失うという点から歯周病は高齢の人がなる病気のイメージもあります。
では、実際に小学生の子供でも歯周病になるのでしょうか。

歯肉炎と歯周病の関係

歯周病はともかく、小学生の歯科検診では歯肉炎と診断される子供がいます。
さて、この歯肉炎とはどのような病気なのでしょうか。
実は歯肉炎はイコール歯周病であり、正確には初期段階の歯周病を意味します。

歯周病は初期段階と中期段階と重度段階の3段階の進行度に分けられていますが、
以前はそれぞれの進行度において病名がつけられていたのです。
そして、初期段階の歯周病のことを歯肉炎と呼んでいたのです。

ちなみに中期段階の歯周病を歯周炎、重度段階の歯周病を歯槽膿漏と呼んでおり、
これらの呼び方は今でも使用されることがあります。
このため小学生の子供でも歯肉炎…つまり、初期段階の歯周病になる可能性はあるのです。

乳歯の子供が歯周病になる可能性

歯肉がある時点で歯周病になる可能性があるとすれば、小学生よりもっと小さい子供はどうなのでしょうか。
例えば、まだ乳歯の子供が歯周病になる可能性はあるのでしょうか?…その答えはイエスです。
ただし、歯周病菌は歯と歯肉の隙間で繁殖するため、歯がない環境では生きられなくなっています。

このため、例えば生後数か月でまだ歯が生えていない乳児なら、歯周病になることはありません。
最も、小学生の子供や乳歯の子供が歯周病で歯を失うことはまずないでしょう。
と言うのも、子供は代謝が活発なために歯槽膿漏…つまり重度段階まで進行することはまずないからです。

とは言え、歯肉炎が続いたまま大人になればそれが進行する可能性は充分あるため、
将来子供の歯を守るためにも歯周病は絶対に予防しなければなりません。
仮に歯肉炎になってしまった時は、早期治療しなければなりません。

歯周病の低年齢化

厚生労働省の報告による過去のデータをお伝えすると、5歳から9歳の子供のおよそ4割、
10歳から15歳の子供のおよそ5割が歯肉に何らかの問題を抱えているとされています。
さらにお伝えすると、20歳から30歳の成人は歯周病であることが当然のような結果になっています。

高齢の人がなる病気のイメージがある歯周病ですが、
実際には若い人がこれだけの割合で歯周病になっており、事実歯周病の低年齢化が問題になっています。
ではなぜ歯周病の低年齢化が起こっているのか?…その理由として次のことが考えられます。

家族間での感染

歯周病は唾液を介して人から人にうつります。正確には、歯周病菌が人から人にうつるのです。
唾液を介す行為を考えると、「食器の共用」や「歯ブラシの接触」や「回し飲み」などが挙げられます。

ストレスの蓄積

現代の子供は、ひと昔前の子供に比べてストレスの蓄積しやすい生活習慣にあります。
勉強に追われる日々、SNSでの人間関係などでストレスを溜める子供は少なくないでしょう。
こうしたストレスの蓄積が身体の免疫力を低下させ、歯肉炎に感染するリスクを高めているのです。

子供の歯周病の予防方法

子供の歯周病を予防する上でポイントとなるのは、「歯磨き」と「食生活」と「歯科医院での検診」の3つです。

歯磨き

子供は歯磨きの技術が未熟ですし、そもそも歯磨きの大切さを分かっていないこともあります。
このため、子供が歯磨きをする時には必ず親が仕上げをしてあげましょう。
そうすれば磨き残しが減りますし、仕上げをする親の姿を見た子供は歯磨きの大切さを学びます。

食生活

歯周病の予防を目的とした子供の食生活で注意する点は2つです。
1つは糖の摂取のしすぎに注意することで、甘いものばかり食べさせないようにしましょう。
もう1つは余分な糖の摂取やプラークの蓄積を防ぐため、おやつの時間をきちんと決めてあげましょう。

歯科医院での検診

歯科医院は症状を改善する治療だけでなく予防する治療も行っています。
子供が小さなうちは歯周病に限らず虫歯になるリスクも高いため、
定期的に検診を受けて予防治療をしましょう。また、検診を受けていれば歯周病の早期発見と治療が可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、小学生の子供が歯周病になる可能性についてまとめます。

1. 歯肉炎と歯周病の関係 :歯肉炎は初期段階の歯周病とイコール
2. 乳歯の子供が歯周病になる可能性 :歯と歯肉がある状態なら、例え乳歯の子供でも歯周病になる
3. 歯周病の低年齢化 :5歳から9歳の約4割、10歳から15歳の約5割が歯肉に何らかの問題を抱えている
4. 子供の歯周病の予防方法 :歯磨き、食生活、歯科医院での検診の3つがポイント

これら4つのことから、小学生の子供が歯周病になる可能性について分かります。
まとめると、確かに小学生が歯を失うほどの歯周病になることはまずないでしょう。
しかし、初期段階の歯周病である歯肉炎になる可能性はあります。
このため小学生でも歯周病の予防は必要ですし、
もっと小さな子供でも歯が生えている状態なら、やはり歯周病になる可能性があるのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』