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歯科コラム

歯周病の自覚症状と、なぜその症状が起こるのかを分かりやすく教えてください

2018年09月14日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病の自覚症状」です。
歯周病は「静かなる病気」と呼ばれており、それは目立った自覚症状がないからです。

虫歯の痛みのような分かりやすい自覚症状がなく、
そのため自分が歯周病だと気づきにくくいつの間にか進行してしまうのです。
とは言え、歯周病の自覚症状もゼロではないため、ここでは歯周病の自覚症状について説明します。

歯肉が腫れる

歯周病になると歯肉が赤く腫れ、触った感触も張りがなくプヨプヨした状態になります。
これは歯周病によって歯肉に炎症が起こるためで、酷い場合だと中で膿みが溜まっていることもあります。
ただし「歯肉の腫れ=歯周病」とは限りません。歯周病である可能性が最も高いものの、
親知らずや口内炎が原因となって歯肉が腫れるケースもあります。

歯肉から出血しやすくなる

歯周病になると歯肉から出血しやすくなり、患部にささいな刺激を与えるだけ出血します。
このため、食事で硬いものを噛んだ時や歯磨きの時に歯肉から出血しやすくなります。
この症状が起こる理由ですが、歯周病になると細菌を駆除するために血液が集合するからです。
つまり患部に血液が集中した状態になるため、ささいな刺激で出血してしまうのです。

口臭がする

口臭の原因は様々なため、「口臭がする=歯周病」とは断言できません。
ただし歯周病による口臭は他のことが原因による口臭に比べて臭いがきついとされています。
ちなみに歯周病になると口臭がする理由ですが、臭いの原因になっているのは繁殖した歯周病菌、
さらには歯肉から出た血液や膿みなどであり、この場合の口臭は歯磨きやガムでは解消できません。

歯が長くなって見える

歯が長くなった気がする場合は歯周病の可能性が高く、しかもその歯周病はある程度進行しています。
これは実際に歯が長くなったわけではなく、歯肉が下がることで歯が長くなって見えるのです。
歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされていきますが、その影響で歯肉退縮が起こります。
つまり歯肉の高さが下がるわけで、歯肉が下がって歯根が露出した分、歯が長くなったように見えるのです。

熱いものや冷たいものがしみる

上記の「4. 歯が長くなって見える」で説明した歯肉退縮に関係する自覚症状です。
熱いものや冷たいものがしみるのは虫歯の自覚症状として一般的ですが、歯周病でも同じことが起こります。
これは歯肉退縮によって露出した歯根は表面のエナメル質がないからで、
そのため刺激に対して非常に敏感であり、熱いものや冷たいものが刺激となってしみてしまうのです。

歯が動く

歯周病の自覚症状の中でも分かりやすく、この自覚症状によって自分が歯周病であることに気づくでしょう。
しかし問題があり、この自覚症状が起こってから歯周病に気づくようでは遅すぎるという点です。
歯周病が進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされていき、やがて歯は支えを失います。
つまり、歯が動くということはそれだけ多くの歯槽骨が溶かされているということになるのです。

噛むと痛む

この自覚症状も歯周病が重症化していることを意味します。
歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされていき、やがて歯が不安定になってグラつくようになります。
つまりしっかりと歯が支えられていないため、その状態で噛むと強い痛みを感じます。
この場合、歯周病を治療しても噛み合わせの悪さは治らないため、その改善のためには別の治療が必要です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の自覚症状についてまとめます。

1. 歯肉が腫れる :歯周病によって歯肉が炎症を起こすため。ちなみに歯肉を触った感触も張りがなくなる
2. 歯肉から出血しやすくなる :歯周病菌を駆除するために血液が集まり、ささいな刺激で歯肉から出血する
3. 口臭がする :繁殖した歯周病菌、歯肉から出た血液や膿みなどが臭いの原因
4. 歯が長くなって見える :歯肉退縮が起こることで歯肉が下がり、歯根が露出するため歯が長く見える
5. 熱いものや冷たいものがしみる :露出した歯根にはエナメル質がなく、熱さや冷たさを感じるとしみる
6. 歯が動く :歯槽骨が溶かされて歯が不安定なため。この自覚症状で歯周病に気づくようでは遅すぎる
7. 噛むと痛む :歯槽骨が溶かされて歯が不安定な状態だと、噛み合わせた時に強い痛みを感じる

これら7つのことから、歯周病の自覚症状について分かります。
歯周病にはこれらの自覚症状がありますが、全ての自覚症状が同時に起こるわけではありません。
「歯が動く」などの分かりやすい自覚症状ほど、歯周病が進行している場合に起こるのです。

逆に言えば、進行前の初期段階の歯周病ではほとんど自覚症状がなく、
だからこそ歯周病に気づかず重症化させてしまう人が多いです。
初期段階で歯周病を発見するには自分では難しいため、定期検診の受診が欠かせないでしょう。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』