ホーム > 歯科コラム > 虫歯と診断されましたが痛みもありません。診断は合っていますか?

歯科コラム

虫歯と診断されましたが痛みもありません。診断は合っていますか?

2018年10月22日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯についての知識」です。
例えば歯科医院の検診などの際、歯が痛くないのに虫歯と診断された経験のある方もいると思います。

そんな時、その診断に納得できるでしょうか。
おそらくほとんどの方が「虫歯=歯が痛い」のイメージを持っているため、
歯が痛くないのに虫歯と診断された場合、その診断が正しいのか疑問に思うのではないでしょうか。

歯が痛まない虫歯

「痛みがないのに虫歯と診断されたが、その診断は合っているのか?」…この問いには即答できません。例えば他院でそう診断された方が当院に来院してその質問をしたとして、やはり診断しないことには回答できないですからね。確かに間違いの可能性はゼロではないでしょう。

しかし、「痛みがないのに虫歯の可能性はあるか?」と質問された場合、その答えはイエスです。つまり、痛みがないのに虫歯になっている可能性はあり、具体的には次のようなケースが考えられます。

初期の虫歯

虫歯になると歯に穴があいて痛むイメージがありますが、それは進行した虫歯です。初期の虫歯…つまり虫歯になりたての状態では歯の表面だけが虫歯になっています。そして歯の表面はエナメル質に保護されているため痛みを感じず、さらに穴もあいていないのです。

神経が死ぬほど進行した虫歯

虫歯が進行するほど痛みは酷くなりますが、神経が死ぬと逆に痛みを感じなくなります。つまり、神経が死ぬほど進行した虫歯の場合、痛みは一切感じないのです。最も、この場合はそれまでに痛みを感じる機会があるため、虫歯を自覚できないはずはありません。

神経を除去した歯の二次虫歯

一度虫歯治療した歯が再び虫歯になることを二次虫歯と呼びます。そして、最初の虫歯の治療時に神経を除去した場合、その歯はもう痛みを感じることがありません。つまり、神経を除去した歯が二次虫歯になると痛みを感じないのです。

…このようなケースでは、虫歯でも歯が痛むことはありません。と言うことは、例え歯が痛くなくても虫歯になっている可能性があるわけで、歯の痛みの有無は虫歯の有無の完全な判断基準にはならないのです。

定期検診の重要性

「虫歯でも歯が痛まないケースがある」…この事実において厄介なのが、こうしたケースの場合は虫歯を自覚しにくいことです。考えてみると、虫歯を自覚する…つまり虫歯に気づくきっかけは大抵の場合が歯の痛みです。

歯が痛むことで虫歯に気づき、その時点で歯科医院に行って治療を受けます。逆に言えば、歯が痛くなければ虫歯に気づかないことになり、虫歯を放置する結果になってしまいます。ではどうすれば痛みのない虫歯に気づけるのか?…それは歯科医院で定期検診を受けることです。

定期検診では歯科医が口の中の健康状態をチェックするため、痛みのない初期の虫歯でも発見できます。また、詰め物や被せ物の状態も確認するため、二次虫歯が起こっている場合も同様に発見可能です。定期検診はこうした虫歯の早期発見が可能ですし、何より虫歯の予防効果が高まります。

虫歯の予防方法

虫歯の早期発見は大切ですが、それ以上に大切なのはしっかりと予防することです。虫歯を予防するには、次の3つを実践すると効果的です。

精密な歯磨き

効率良くプラークを除去するための精密な歯磨きを行ってください。ブラッシングだけだと磨き残しが増えるため、デンタルフロスを使った歯磨きが効果的です。

食生活の改善

ダラダラ食いや糖の摂取など、食生活によっては虫歯になるリスクが高まります。時間を決めて食事をし、糖が含まれる甘いものの食べ過ぎには注意しましょう。

定期検診

上記で説明しましたが、虫歯の予防において定期検診は大変重要です。歯のクリーニングによってプラークを綺麗に除去できますし、正しい歯の磨き方も学べます。

歯周病にも痛みがない

今回は歯が痛まない虫歯をテーマにしていますが、実は歯周病も歯に痛みはありません。特に歯周病は目立った自覚症状がないことから、「静かなる病気」とも呼ばれています。元々歯周病は歯ではなく顎の骨の病気ですから、歯が痛むことはないのです。

このため、歯が痛くないだけでその人の口の中が健康とは限りません。初期の虫歯や二次虫歯が起こっている可能性がありますし、歯周病の可能性だってあるのです。だからこそ、虫歯や歯周病の予防や早期発見が可能な定期検診を受けることは大変重要です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の知識についてまとめます。

1. 歯が痛まない虫歯 :初期の虫歯や神経を失った歯の虫歯などの場合、虫歯になっても歯が痛まない
2. 定期検診の重要性 :痛まない虫歯に気づくには定期検診を受けること
3. 虫歯の予防方法 :精密な歯磨き、食生活の改善、定期検診
4. 歯周病にも痛みがない :歯周病の場合も痛みを感じない

これら4つのことから、虫歯の知識について分かります。虫歯でも痛みがないケースがあり、その場合に問題なのは虫歯だと気づきにくいことです。いつの間にか虫歯になり、それが気づかない間に進行する…考えるとゾッとしますよね。そんな事態を防ぐには、定期的に検診を受けて虫歯がないか歯科医に直接チェックしてもらいましょう。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』