歯科コラム
奥歯をセラミックにすると割れてしまうのではないですか?
2018年11月08日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「セラミックと耐久性」です。奥歯は噛む力が強いため、そこにセラミックを使用するのは不安に感じる方もいます。
と言うのも、セラミックは陶器ですから割れてしまう可能性を考えるからです。セラミックは審美性が高いのが特徴ですが、奥歯はそれほど目立たないですし、割れてしまうことを考えると奥歯をセラミックにするのは間違った選択なのでしょうか。
セラミックの割れと対処
セラミックは陶器ですから、事故などで割れてしまうことはあります。噛む力が強い奥歯は、確かに他の歯をセラミックにする場合に比べて割れるリスクは高いでしょう。とは言え、セラミックが割れる問題については対処も可能です。
まず、対処方法の1つは修復しやすいセラミックを選択することです。メタルボンドと呼ばれるタイプは、外見はセラミックですが中身のフレームは金属でできています。仮にセラミックが割れた場合も金属のフレームが残るため、メタルボンドは修復しやすいとされています。
もう1つの対処方法は耐久性の高いセラミックにすることです。100%セラミックで仕上げたオールセラミック、人工ダイヤモンドを使用したジルコニアセラミック、これらはそれぞれ審美性だけでなく耐久性が高い特徴があります。
奥歯におすすめのセラミック
上記の説明の中でいくつかセラミックの名前が登場しましたが、改めて奥歯におすすめのセラミックとその特徴を紹介します。
オールセラミック
100%セラミックでできており、審美性も機能性もセラミックの中で最上位に位置します。以前はオールセラミックも脆さを指摘されていましたが、近年のものは丈夫になっており、奥歯に使用しても充分な耐久性の高さを持っています。
メタルボンド
外見はセラミックですが、フレームに金属を使用しているため耐久性が高くなっています。メタルボンドは劣化するとセラミックが剥がれて金属が露出しますし、その意味でむしろ目立たない奥歯におすすめのセラミックです。
ジルコニアセラミック
人工ダイヤモンドのジルコニアを使用しているため、耐久性の高さが特徴のセラミックです。このため、メタルボンド同様に奥歯におすすめのセラミックです。さらに金属を使用していないため、メタルボンドと違って金属アレルギーの心配もありません。
セラミックが割れやすい人の特徴
人によってセラミックが割れたことのない方もいれば、複数回割れた経験がある方もいます。その差は単に偶然の可能性もありますが、割れやすい方には共通した特徴があることも事実です。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある人
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、それによって摩擦で歯が削れます。そして歯が削れることで噛み合わせが悪くなってしまい、セラミックの部分だけが高くなってしまうと噛んだ時に割れやすくなります。
メンテナンスを怠る人
セラミック治療をした後は、定期的にメンテナンスのための通院をすることが大切です。メンテナンスを怠ると噛み合わせが悪くなってもそのままになってしまい、セラミックが割れやすくなります。また、メンテナンスをしっかりと行うことでセラミック自体の寿命も長くなります。
かたいものばかり食べる人
セラミックにすることでの食事制限はないため、かたいものでも安心して食べられます。しかし、かたいものばかり食べていてはどうしても割れてしまうリスクが高まってしまいます。元々かたいものが好きな人は、セラミックにする際に歯科医に相談してみると良いでしょう。
銀歯にした場合
単純な強度においてはセラミックよりも銀歯の方が長けているため、奥歯にするなら銀歯にした方が良いと考える方もいるかもしれません。その最終判断をするのは患者さんですが、セラミックでなく銀歯にした場合は次のような問題が起こります。
二次虫歯になりやすい
銀歯はプラークが付着しやすく歯との間に隙間も生じやすいため、細菌が入り込んで二次虫歯が起こりやすくなります。
審美性が落ちる
奥歯は一見目立たなく思いますが、会話する時には意外に目立ちます。このため銀歯にすると審美性が落ちてしまい、口を開いた時の見た目が悪くなります。
長持ちしない
あくまでケア次第ですが、寿命の長さは銀歯よりもセラミックの方が相対的に長くなっています。このため銀歯にすると寿命が短くなってしまい、セラミックに比べて短い頻度での交換が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、セラミックと耐久性についてまとめます。
1. セラミックの割れと対処 :割れることはあるが修復は可能
2. 奥歯におすすめのセラミック :オールセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミックは耐久性が高い
3. セラミックが割れやすい人の特徴 :歯ぎしりや食いしばりの癖がある人、メンテナンスを怠る人など
4. 銀歯にした場合 :耐久性は高くなるが、二次虫歯になりやすいなどの問題が起こる
これら4つのことから、セラミックと耐久性について分かります。セラミックが脆いというのはひと昔前の話であり、最近は医療技術の進歩によってセラミックも高い耐久性を実現しています。
とは言え、陶器である以上はあまり強い力で噛むと割れてしまうことがあるのも事実です。しかしその点については充分な対処が可能になっており、割れた場合も修復が可能ですし、メタルボンドやジルコニアセラミックなど耐久性の高いセラミックにするのも効果的な方法です。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』