歯科コラム
「ホワイトニングは歯を白く見せる」とはどういう意味ですか?
2019年05月22日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「ホワイトニングの仕組み」です。
ホワイトニングは歯を白くする治療ですが、その説明の中には「見せる」の表現が使われます。
「歯が白くなったように見える」、「歯を白く見せる」…こうした表現に注目すると、実際には歯が白くなったわけではないように思えます。
そこで、ここではホワイトニングの仕組みについて説明します。
歯が変色している状態とは
ホワイトニングの仕組みを解説する前に知っておいてほしいのが、
そもそも歯が変色しているとはどのような状態なのかということです。歯の構造を簡単に説明すると、表面にはエナメル質、その奥には象牙質があります。
例えば、カレーライスを食べて歯が着色している場合、これは歯の表面が変色しているわけですから、歯磨きによってその変色は解消できます。
しかし、象牙質が変色している場合は歯磨きによる解消は不可能です。
なぜなら歯磨きで磨けるのは歯の表面…すなわちエナメル質のみであり、奥の象牙質は磨けないからです。
ホワイトニングとは、このように象牙質の変色を解消するための治療であり、
歯磨きしても白くできない歯を白く見せることができるのです。
ホワイトニングの仕組み
結論から言うと、ホワイトニングは象牙質を白くするわけではありません。
つまり最初に記述したとおり、「歯が白くなったように見える」、「歯を白く見せる」が正しい表現です。
では、どうやって変色した象牙質を白く見せているのでしょうか。
そもそも象牙質の変色がうつってしまうのは、表面のエナメル質が透明ガラス状態になっているからです。
そこで薬剤を使用して、エナメル質の構造を角ばった形状から丸みを帯びた形状に変化させます。
そして、この構造変化によってエナメル質が光を乱反射するようになります。
エナメル質…つまり、歯の表面に光の乱反射の効果をもたらすことで変色した象牙質がうつらなくなり、歯が白くなったように見えるのです。
要するに、透明ガラス状態のエナメル質を曇りガラス状態に変化させることで歯を白く見せているのです。
分かりやすい例え
ホワイトニングの仕組みが分かりづらい人は、この例えで考えるとよく分かると思います。
浴室を想像してみてください。浴室の窓が透明ガラスなら、入浴している姿がそのままうつってしまいます。
とは言え、入浴している人に服を着せることはできません。
ではどうすれば良いか?…それは、透明ガラスを曇りガラスに交換すれば良いのです。
曇りガラスならその奥をうつさなくなるため、浴室で入浴している姿を隠すことができますからね。
実は、ホワイトニングはこれと全く同じことをしているのです。
見せたくない浴室…つまり象牙質を隠すために、窓ガラスを曇りガラスに交換する…つまりエナメル質を曇りガラス状態に構造変化させるのです。
実際に象牙質が白くなるわけではないですが、この仕組みによって違和感のない白さを再現可能です。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングには3つの種類があります。
どの種類のホワイトニングも構造は同じですが、治療方法や効果において違いがあります。
オフィスホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングであり、歯科医が治療を行うため濃度の高い薬剤を使用できます。
このため効果が出るのが早く、早く歯を白くしたい人におすすめです。
ただし、その一方で後戻りするのも早く、白さを維持するには定期的にホワイトニングする必要があります。
ホームホワイトニング
自宅でマウスピースを装着して行うホワイトニングで、薬剤など一式は歯科医院での受け取りになります。
自身で薬剤を使用するため、安全性を考えて薬剤の濃度は薄めに設定されています。
このため歯が白くなるまでに時間がかかるものの、白くなった後はそれを長く維持できます。
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用したホワイトニングです。
「効果が出るのが早い」、「白さが長続きする」、それぞれのホワイトニングのメリットを活かせるため、効果の高さで比較すれば最も優れた方法です。ただし、その分だけ費用が高いのが欠点です。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングの仕組みについてまとめます。
1. 歯が変色している状態とは :表面の奥の象牙質が変色している場合、歯磨きでは対処できない
2. ホワイトニングの仕組み :薬剤によってエナメル質を構造変化させ、変色した象牙質をうつらなくさせる
3. 分かりやすい例え :透明ガラスを曇りガラスに変化させ、その奥をうつらなくさせるのが仕組み
4. ホワイトニングの種類 :オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニング
これら4つのことから、ホワイトニングの仕組みについて分かります。
この仕組みによるホワイトニングは歯科治療のホワイトニングのみであり、市販のホワイトニング歯磨き粉は全くの別物です。
また、ホワイトニングは健康状態によってできない治療ですし、ホワイトニングしても歯が白くならないケースがあります。
このため、ホワイトニングを検討している人は歯科医院で相談してみると良いでしょう。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』