ホーム > 歯科コラム > 歯が痛くなった当日に歯医者に行ったのに虫歯が進行していました。進行はそんなに早いのですか?

歯科コラム

歯が痛くなった当日に歯医者に行ったのに虫歯が進行していました。進行はそんなに早いのですか?

2019年07月08日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯の痛みについて」です。
虫歯で歯が痛んですぐに歯科医院に行くことは、行動として何も間違ってはいません。

しかし、それで虫歯の早期治療になるかと言えばそうではなく、
早期治療を心掛けているなら歯科医院に行くタイミングは遅いでしょう。
虫歯の早期治療を心掛けるなら、歯が痛くなる前に歯科医院に行かなければなりません。

虫歯の痛み

虫歯になると歯が痛むは事実ですが、虫歯になった瞬間に歯が痛むわけではありません。
最初、虫歯は歯の表面にできますが、歯の表面にはエナメル質があって刺激から保護されています。
このため、歯の表面のみ虫歯の状態では痛みを感じることがないのです。

ではどうなると虫歯で歯が痛むのか?…それは虫歯がエナメル質の奥にある象牙質まで進行した時で、
象牙質は刺激に敏感なため、触れた場合はもちろん、熱さや冷たさの温度すら刺激となって痛みます。
さて、虫歯が象牙質まで進行した場合、患部は穴があいて象牙質が露出した状態になります。

ここに何らかの刺激を与えると歯は痛み、いわゆる知覚過敏と呼ばれる症状です。
これが虫歯で歯が痛むメカニズムであり、つまり歯が痛む時点で虫歯は象牙質まで進行しています。
ですから、歯が痛む時に虫歯治療を受けた場合、タイミングとしてその虫歯は既に進行しているのです。

歯が痛まない虫歯のケース

上記の説明から分かるのが、歯が痛まなくても虫歯になっている可能性があるということですが、
それは決して稀なケースではなく、他にも次のケースの虫歯では歯が痛むことがありません。

神経を失った歯の二次虫歯

二次虫歯とは虫歯の再発で、一度虫歯治療した歯が再度虫歯になることを意味します。
さて、最初の虫歯治療の際に神経を失っている場合、その歯が二次虫歯になっても歯は痛みません。
これは、神経を失っていることで痛みの感覚を感じなくなってしまうためです。

進行して神経が死んだ虫歯

虫歯が進行すると歯が痛むようになりますし、その痛みは虫歯の進行度に比例して強くなっていきます。
象牙質まで進行すると歯が痛み、さらに神経まで進行すると痛みは激痛へと変化するのです。
しかしその後は一変して痛みを全く感じなくなり、これは虫歯の進行で神経が死んでしまったのが原因です。

虫歯を早期発見する方法

痛みを感じる前に虫歯を発見すれば早期治療できますが、自分だけの力でそれを実践するのは難しく、
なぜなら痛みを感じなければそもそも虫歯の発症に気づかないからです。
ではどうすれば虫歯を早期発見できるのか?…最も確実な方法は定期検診を受けることでしょう。

定期検診の治療メニューの一つには「口腔内の健康状態の確認」がありますから、
これによって本来時分では気づかない虫歯も発見して治療できます。
さらに、詰め物や被せ物の状態も確認するため二次虫歯の早期発見も可能です。

また、定期検診を受診するメリットは虫歯を早期発見できることだけでなく、
虫歯そのものの予防効果を高められるメリットもあります。
これは、ブラッシング指導や歯のクリーニングなど、虫歯予防に効果的な治療を行っているからです。

「歯が痛まない=健康」とは限らない

初期の虫歯では痛みを感じないことから、歯が痛まないことは健康である根拠にならないことが分かります。
ですから、例えばあなたが自分には虫歯がないと思っているとして、
「歯が痛まない」をその理由にしているのであれば、本当に虫歯がないとは限らないということです。

もしかすると初期の虫歯が発症しているかもしれないですし、
過去に虫歯治療を行ってその時に歯の神経を失っているなら、二次虫歯が発症しているかもしれません。
また虫歯に限らずに考えれば、歯周病の場合もやはり歯が痛むことはないのです。

歯周病は静かな病気と呼ばれており、それは目立った自覚症状がないためです。
特に歯周病は虫歯と違い、進行しても気づかないことが多く、
そのため歯が痛くない人でも初期の虫歯や歯周病が発症している可能性があるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の痛みについてまとめます。

1. 虫歯の痛み :初期の虫歯には痛みがなく、象牙質まで進行することで痛みを感じるようになる
2. 歯が痛まない虫歯のケース :神経を失った歯の二次虫歯、進行して神経が死んだ歯
3. 虫歯を早期発見する方法 :定期検診。口腔内の健康状態を確認するため、初期の虫歯も発見できる
4. 「歯が痛まない=健康」とは限らない :歯が痛くなくても、初期の虫歯や歯周病の可能性がある

これら4つのことから、虫歯の痛みについて分かります。
まとめると、虫歯で歯が痛む原因は知覚過敏や神経の炎症によるもので、
最初に感じる痛みは虫歯が象牙質まで進行した時に起こる知覚過敏です。
つまり、歯が痛くなった時点で治療を受けてもその虫歯は既に象牙質まで進行しており、
早期治療を心掛けるのであればさらに前…痛みを感じる前の時点で虫歯を発見しなければなりません。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』