歯科コラム
歯が一瞬痛みます。これはどんな原因が考えられますか?
2019年08月01日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯が一瞬痛む時の原因」です。
時折、何もしていないのに歯が一瞬ピシッとしみた、もしくは痛んだ経験のある人は多いのではないでしょうか。
そもそも、歯は健康な状態であればこうしたしみや痛みを感じることはなく、
そのため歯がしみたり痛んだりした時には何か原因があるのです。
そこで気になるのは「原因が何か?」という点であり、ここではその問題について解説していきます。
知覚過敏
歯が一瞬だけ痛むのは、知覚過敏と呼ばれる症状です。そもそも歯の象牙質は刺激に対して敏感であり、
普段している歯磨き、飲食時の熱さや冷たさでさえ刺激となってしみたり痛んだりします。
しかし、実際には歯磨きや飲食でそのような症状は起こらず、それは歯の表層にエナメル質があるからです。
つまり、普段刺激によってしみや痛みを感じないのはエナメル質の保護効果が働いているからで、
一方でそれが失われてしまうと、ささいな刺激に対して知覚過敏が起こってしまいます。
歯が一瞬痛むのは、症状から判断してこの知覚過敏によるものである可能性が高いでしょう。
知覚過敏の原因
知覚過敏において問題なのは、「なぜ知覚過敏が起こったか?」…つまり、その原因です。
何らかの理由で特定の歯においてエナメル質が失われ、象牙質が露出することで知覚過敏は起こりますが、
その「何らかの理由」が何か次第で対処方法が変わってきます。
歯が擦り減っている
例えば歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、頻繁に歯と歯に摩擦による力をかけてしまっており、
そのため歯が擦り減り、表層のエナメル質が傷ついて象牙質が露出することがあります。
歯磨きの仕方が悪い
歯磨きの時、ゴシゴシと強く磨くと表層のエナメル質が傷つき、象牙質が露出して知覚過敏が起こります。
定期検診や予防歯科を受診して、正しい歯の磨き方の指導を受けて改善しましょう。
歯が破損している
打撲など、歯に衝撃を与えてしまったことで歯が破損しているケースです。
歯にヒビが入った場合も同様で、象牙質が露出するため知覚過敏が起こります。
虫歯
虫歯が進行して歯に穴が空いた場合、その穴が象牙質に到達することで知覚過敏が起こります。
ここで治療しなければ症状はさらに悪化、今度は神経が炎症を起こして知覚過敏以上の激痛をもたらします。
歯周病
歯周病が進行すると、歯肉退縮が起こって歯根が露出します。
歯根は全層が象牙質でできているため、露出した時点で知覚過敏が起こります。
…軽い知覚過敏なら、知覚過敏用の歯磨き粉を使っての歯磨き、歯科医院での薬の塗布で改善されますが、
虫歯や歯周病が原因の場合はまずこれらを治療する必要があるでしょう。
つまり、知覚過敏を改善するには原因と特定して、それに応じた対処をしなければなりません。
知覚過敏の予防方法
残念ながら、知覚過敏を確実に予防できる方法は存在しませんし、
事故による歯の破損など、不可抗力で知覚過敏が起こってしまうこともあるでしょう。
ただ、虫歯や歯周病で知覚過敏が起こることを考えると、
これらの予防が知覚過敏の予防にもつながることが分かりますね。
つまり、知覚過敏の予防方法を考えるのではなく、虫歯や歯周病の予防を徹底していれば、
知覚過敏が起こる可能性も必然的に低下させることができるのです。
知覚過敏の治療方法
上記で解説したとおり、知覚過敏の治療方法はその原因によって異なります。
とは言え、実際に行う治療方法は限られているため、
知覚過敏の治療方法として行われているものを挙げていきます。
虫歯や歯周病の治療
原因が虫歯や歯周病だった場合、知覚過敏と言うよりはこれらの治療を行います。
虫歯や歯周病が治して原因を改善すれば、知覚過敏も治っていくでしょう。
薬剤の塗布
硝酸カリウムや「乳酸アルミニウム」など、知覚過敏の症状を軽減させる薬を塗布します。
硝酸カリウムは神経を鈍らせる、乳酸アルミニウムは象牙細管を塞ぐ効果があります。
コーティング
象牙質が露出している箇所を特定して、レジンなどでコーティングして象牙質をカバーします。
コーティングの効果は永久ではないため、その後は定期的に通院しなければなりません。
レーザー治療
レーザーを照射することで象牙細管を塞ぎます。
ただし、レーザー治療に対応した歯科医院は限られており、自由診療になるため費用は高くなります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯が一瞬痛む時の原因についてまとめます。
1. 知覚過敏 :刺激に敏感な象牙質が露出して、歯に触れた時や温度を感じた時に歯がしみる症状
2. 知覚過敏の原因 :原因は様々。歯の擦り減り、歯磨きの仕方が悪い、虫歯や歯周病などが考えられる
3. 知覚過敏の予防方法 :虫歯や歯周病を予防すれば、おのずと知覚過敏も予防しやすくなる
4. 知覚過敏の治療方法 :原因によって異なる。虫歯や歯周病の治療、薬剤の塗布、コーティングなどがある
これら4つのことから、歯が一瞬痛む時の原因について分かります。
症状から判断して、歯が一瞬痛む原因は知覚過敏です。
ただしその原因は様々で、虫歯や歯周病が原因の可能性もありますし、原因によって治療方法も異なります。
このため、知覚過敏が起こった時には歯科医院で診察を受け、原因の特定とそれに合った治療を受けましょう。
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