ホーム > 歯科コラム > 歯が痛い場合、歯周病の可能性はゼロですか?

歯科コラム

歯が痛い場合、歯周病の可能性はゼロですか?

2019年11月15日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病と歯の痛みについて」です。
歯周病は「静かなる病気」と呼ばれており、それは目立った自覚症状がないためです。

実際、歯が痛む場合は虫歯の可能性が高いのですが、あくまでそれは確率の話であり、
実は歯周病が原因で歯が痛むこともあります。
そこで、ここでは歯周病と歯の痛みの関係について分かりやすく説明していきます。

知覚過敏

知覚過敏とは歯が一瞬ピシッとしみる症状のことで、その多くは虫歯の進行などによって起こります。
本来、歯の表面はエナメル質で覆われており、刺激に敏感な象牙質を保護しているのが正常な状態です。
しかし、何らかの原因でエナメルが破損した場合、象牙質が直接受けて知覚過敏が起こります。

虫歯で知覚過敏が起こるのは、虫歯の進行によって歯に穴があき、その穴が象牙質に到達したためですが、
歯周病でも知覚過敏が起こるのです。これは、歯周病が進行して歯肉退縮が起こった場合に言えることで、
つまり歯周病で知覚過敏が起こった場合、その歯周病はある程度進行していることになります。

歯肉退縮と知覚過敏

さて、次になぜ歯周病になると知覚過敏が起こるのかを説明しましょう。
歯周病による知覚過敏の場合、虫歯のようにエナメル質が破損、失われて起こるわけではありません。
歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされますが、それにあわせて歯肉が下がっていきます。

これは歯肉退縮と呼ばれる症状で、歯肉の高さが下がることで歯の根が露出した状態になるのです。
ただ、露出した歯の根には元々エナメル質がなく、象牙質が剥き出しの状態になっており、
そのため歯の根が刺激を受けることで知覚過敏が起こります。これが歯周病で知覚過敏が起こる理由です。

噛み合わせた時の痛み

歯周病が進行すると、歯槽骨が溶かされて歯が不安定な状態になります。
そして、この状態で噛み合わせると歯が痛むことがあり、これも歯周病によって歯が痛むケースです。
この場合で問題なのは、歯の痛みよりも歯がグラついているという状態にあります。

ここまでの状態から推測すると歯周病は重症化しており、そのままにしておくと歯は抜け落ちてしまうでしょう。
また状態によっては治療しても歯が残せない可能性もあり、その場合は抜歯するしかありません。
このため、噛み合わせたタイミングで歯が痛んだ時にはすぐに歯科医院に行ってください。

歯が痛まない時の健康状態

虫歯はもちろん、歯周病でも歯が痛むことはあり、その理由は上記で説明したとおりです。
では、逆に歯が一切痛まない状態では、その歯は健康と断言できるのでしょうか。
答えはノーで、「歯が痛くない=歯が健康」とは限らず、虫歯や歯周病がある可能性は否定できません。

まず、歯周病では歯肉退縮や歯のグラつきが起こらない限り痛みはないですし、
虫歯の場合も初期の虫歯や神経を失った歯の二次虫歯では痛みがありません。
このため、歯が痛くないことは歯の健康だという根拠にはならないのです。

定期検診のすすめ

歯が痛い場合はもちろんとして、歯が痛くない場合も歯が健康とは限りません。
そこで気になるのが「歯の健康状態を確実に知る方法」ですが、それは歯科医院で定期検診を受けることです。
定期検診では、歯科医が患者さんの口の中の健康状態を毎回確認します。

このため、痛みのない虫歯や歯周病があってもそれを発見できますし、発見した時点で治療が可能です。
実際、初期の虫歯や歯周病を自分で発見するのは難しく、
虫歯や歯周病の早期発見と早期治療のためには定期検診の受診が欠かせないでしょう。

歯周病の低年齢化

歯周病の話をすると、若い人ほど興味を示さない傾向があり、
おそらくそれは「年齢的に自分はまだ歯周病になることはない」と思っているからではないでしょうか。
確かに、歯を失うという点で歯周病は年配の人、もしくは高齢の人に限った病気に思えるかもしれません。

しかしそれは間違いで、歯周病は年齢関係なく発症しますし、
初期の歯周病に相当する歯肉炎に至っては小さな子供でもかかります。
実際、歯周病の低年齢化が問題になっており、歯周病は年齢関係なく国民的病気とまで言われているのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と歯の痛みについてまとめます。

1. 知覚過敏 :歯が一瞬ピシッとしみる症状で、歯周病による歯の痛みの原因の一つである
2. 歯肉退縮と知覚過敏 :歯周病が進行して歯肉退縮が起こると、歯の根が露出して知覚過敏が起こる
3. 噛み合わせた時の痛み :歯がグラついた状態になると、噛み合わせた時に強く痛む
4. 歯が痛まない時の健康状態 :「歯が痛くない=虫歯も歯周病もない」とは断言できない
5. 定期検診のすすめ :痛みの感じない虫歯や歯周病も発見できる
6. 歯周病の低年齢化 :初期の歯周病に値する歯肉炎に至っては小さな子供でも発症する

これら6つのことから、歯周病と歯の痛みについて分かります。
「静かなる病気」と呼ばれる歯周病でも、進行すれば歯に痛みを感じることがあります。
具体的には、歯肉退縮によって歯の根が露出したことでの知覚過敏、
歯が不安定な状態で噛み合わせたことによる痛みが挙げられます。
つまり、歯に痛みを感じた時は100%虫歯とは限らず、歯周病である可能性も否定できません。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』