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歯科コラム

なぜ虫歯になると歯が痛くなるのでしょうか?

2019年11月22日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯で歯が痛くなるのはなぜか」です。
虫歯になると歯が痛くなることは、既に誰もが知っている事実でしょう。

しかし、なぜ虫歯になると歯が痛くなるのか?…よく考えてみるとその理由はあまり解説されていませんね。
子供の頃、虫歯の菌が歯を工事して痛みをもたらすような絵本を読んだ経験がある人も多いと思いますが、
ここでは改めてなぜ虫歯になると歯が痛くなるのかについて説明していきます。

エナメル質と象牙質と神経

虫歯で歯が痛くなる理由を知るには、先に歯の構造を簡単に知っておくと理解しやすいでしょう。
歯の表面にはエナメル質があり、エナメル質はその奥にある象牙質を保護しています。
そして、象牙質の下には神経があり、これが歯の簡単な構造です。

このうち歯の中心となっているのは象牙質で、この象牙質は刺激に対して敏感ですし、
その下にある感覚を伝える神経はそれ以上に敏感になっています。
つまり、歯の大半の部分は刺激に対して敏感であり、エナメル質はそんな歯を刺激から保護しているのです。

虫歯の進行と知覚過敏

虫歯は最初、歯の表面に発症しますが、この時に痛みを感じることはありません。
これは上記で説明したとおり、歯の表面にはエナメル質があって歯を保護しているからです。
しかし虫歯が進行すると歯に穴があき、そうすると患部はエナメル質が失われてしまいます。

と言うのも、エナメル質はあくまで歯の表面のみにあるものですから、
穴があいてしまえばその箇所はエナメル質が失われ、象牙質が露出してしまうでしょう。
この状態になると象牙質が直接刺激を受けてしまい、知覚過敏が起きて歯がしみる…つまり痛むのです。

虫歯の進行と神経

虫歯が象牙質まで進行すると歯に痛みを感じ、それは象牙質が刺激を受けることによる知覚過敏です。
そしてさらに虫歯が進行すると、今度は神経まで虫歯の菌に侵されてしまい、
そうなると神経が炎症を起こして激しい痛み…文字どおり激痛をもたらします。

この時の痛みは知覚過敏以上に辛く、また常にズキズキと痛むため夜も眠れないほどでしょう。
神経まで進行した虫歯の痛みはあまりに激しいことから痛み止めを飲んでも効きづらく、
また安静にしたところで痛みが軽減されるわけでもありません。

虫歯で歯が痛まないケース

虫歯で歯が痛む理由は、象牙質まで進行した場合の知覚過敏と神経まで進行した場合の歯髄炎です。
ただ、虫歯になると必ず歯が痛むというわけではなく、逆に一切歯が痛まないケースもあり、
その場合は辛い痛みは感じないものの、虫歯を自覚しづらいという問題があります。

まず初期の虫歯はエナメル質の保護によって歯が痛むことはなく、
また進行しすぎて神経が死んでしまった場合も痛みを一切感じません。
厄介なのは神経を失った歯の虫歯の再発で、こうした虫歯の再発を二次虫歯と呼びます。

虫歯の痛みに対する応急処置

虫歯で痛みを感じる以上、その虫歯は進行しており、一度でも進行した虫歯は自然には治りません。
ですから、痛みを我慢することなく必ず歯科医院で治療を受けてください。
とは言え、歯が痛むタイミングによってはすぐに歯科医院に行けないこともあるでしょう。

そんな場合は応急処置で一時的に痛みを軽減することができ、
例えば「歯を冷やす(頬側から)」、「痛み止めを飲む」、「正露丸を詰める」などの方法が効果的です。
ただしあくまでこれらは応急処置、治療としての効果は一切ないため後日必ず歯科医院に行きましょう。

虫歯の怖さは「歯の痛み」ではない

虫歯による歯の痛みは辛いものですが、虫歯の本当の怖さは「歯の痛み」ではありません。
神経まで虫歯が進行するとズキズキと歯が痛みますが、さらに進行すると一変して痛みがおさまります。
これをプラスと考える人がいますが、放置すれば虫歯はなお進行していきます。

さらに虫歯が進行すれば歯はボロボロに溶かされ、もはや歯としての機能は果たせなくなってしまうでしょう。
そして歯を完全に破壊した後も虫歯の菌は生き続け、やがては血液に入り込んで全身に回ってしまうのです。
場合によってはそれが原因で脳梗塞や心筋梗塞が起こる危険性もあります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯で歯が痛くなるのはなぜかについてまとめます。

1. エナメル質と象牙質と神経 :歯の表面にはエナメル質があり、その奥に象牙質、その下に神経がある
2. 虫歯の進行と知覚過敏 :虫歯が進行すると歯に穴があき、象牙質が露出して知覚過敏が起こる
3. 虫歯の進行と神経 :象牙質からさらに虫歯が進行すると、神経が炎症を起こして激痛をもたらす
4. 虫歯で歯が痛まないケース :初期の虫歯、神経が死んだ虫歯、神経を失った歯の二次虫歯
5. 虫歯の痛みに対する応急処置 :「冷やす」、「痛み止めを飲む」など。ただし治療としての効果はない
6. 虫歯の怖さは「歯の痛み」ではない :虫歯を放置すると歯を失い、脳梗塞や心筋梗塞の危険性もある

これら6つのことから、虫歯で歯が痛くなるのはなぜかについて分かります。
虫歯で歯が痛むケースは2つあり、1つは象牙質まで虫歯が進行したことによる知覚過敏、
もう1つはさらに虫歯が進行したことによる神経の炎症…すなわち歯髄炎です。
どちらにしてもその虫歯は既に進行しており、治療しない限り虫歯の菌は生き続けています。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』