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歯科コラム

ホワイトニングはどうやって歯を白くするのですか?

2020年01月01日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「ホワイトニングで歯を白くする仕組み」です。
最近では、口元の審美を目的としていわゆる審美治療を希望する人も増えてきました。

そして、その代表とも言える治療がホワイトニングでしょう。
歯を白くするホワイトニングは以前までアイドル専用の治療のようなイメージでしたが、今では一般化しつつある治療であり、そこで今回ホワイトニングで歯が白くなる仕組みを解説します。

ホワイトニングは歯を白く見せている

ホワイトニングで歯が白くなるのは、歯を白く塗っているわけでもなく、削っているわけでもありません。
と言うより、そもそも歯は白くなっておらず、歯を白く見せているのがホワイトニングの仕組みです。
では、どうやって歯を白く見せているのでしょうか。

歯の変色は、着色や汚れでない限り表面ではなくその奥の象牙質が変色しており、そのためいくら歯磨きしても白くはならず、なぜなら歯磨きで磨けるのは歯の表面のみだからです。
象牙質を白くするのは歯科医療でも不可能で、そこで薬剤を使ってその効果で歯を白く見せています。

ホワイトニングの仕組み

歯の表面にはエナメル質があり、その奥に象牙質が存在します。この構造だと象牙質は見えないはずですが、表面のエナメル質が無色透明なため、その奥にある変色した象牙質も見えてしまうのです。
そこで、過酸化水素もしくは過酸化尿素を含めた薬剤を歯に浸透させます。

すると薬剤の効果によってエナメル質の構造が角ばった形状から丸みを帯びた形状へと変化、これによって象牙質に光が届かなくなり、変色した象牙質がうつらなくなるのです。
つまり、ホワイトニングはエナメル質の構造変化で象牙質をうつらなくさせ、歯を白く見せているのです。

分かりやすい例え

上記の解説が分かりづらいなら、浴室を例えに用いて考えると分かりやすいでしょう。
浴室の窓が透明ガラスの場合、それだと外側から入浴している姿がうつってしまいますよね。
この場合、浴室の窓を曇りガラスにかえてしまえば問題は解決、入浴している姿はうつらなくなります。

実はホワイトニングではこれと全く同じことをやっており、この例に沿って考えるなら「浴室の前=エナメル質」、「入浴している姿=象牙質」です。
エナメル質を構造変化させてマスキング効果をもたらし、それによって象牙質をうつらなくさせているのです。

市販のホワイトニング歯磨き粉

ホワイトニングの名を冠しているので紛らわしいですが、市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科医療のホワイトニングは全くの別物です。
そもそも、過酸化水素や過酸化尿素などの劇物は、歯磨き粉に配合することが認められていません。

市販のホワイトニング歯磨き粉で対処できるのは、歯の表面の着色や汚れのみであり、変色した象牙質を白くする効果はもちろん、それをうつらなくさせる効果もありません。
市販のホワイトニング歯磨き粉を使用するくらいなら、歯科医院で歯のクリーニングを受けた方が良いでしょう。

自宅でできるホワイトニング

ホワイトニングの中には自宅で行えるものもあり、それはホームホワイトニングと呼ばれる方法です。
歯科医院で専用のマウスピースと薬剤を受け取り、
自宅で薬剤を浸透させたマウスピースを1日2時間装着するのが治療の流れになります。

最も、自宅でホワイトニングできると言っても薬剤の受け取りや経過観察を目的とした通院は必要で、そのため「自宅でホワイトニングできる=一切通院が必要ない」というわけではありません。
ホームホワイトニングは歯が白くなるまでに時間がかかりますが、その分白さを長く維持できます。

ホワイトニングの後戻り

ホワイトニングの効果は永久ではなく、日数が経過することで後戻りが起こります。
これは、ホワイトニングがエナメル質を構造変化させる仕組みなのが理由であり、形が変わったエナメル質は時間をかけて元の形に戻ろうとするのです。

いわゆる後戻りであり、これを防ぐことはできません。ただしホワイトニングは重ねて行える治療ですから、定期的にホワイトニングすれば白さを維持することも可能です。
最も持続期間が短いのは歯科医院で行うオフィスホワイトニングで、効果はおおよそ3ヶ月~6ヶ月になります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングで歯を白くする仕組みについてまとめます。

1. ホワイトニングは歯を白く見せている :実際に歯は白くなっておらず、薬剤を使って白く見せている
2. ホワイトニングの仕組み :薬剤でエナメル質を構造変化させ、変色した象牙質をうつらなくさせる
3. 分かりやすい例え :浴室の窓を透明ガラスから曇りガラスにかえることをイメージすると分かりやすい
4. 市販のホワイトニング歯磨き粉 :歯科医療のホワイトニングとは別物。配合されている成分も異なる
5. 自宅でできるホワイトニング :ホームホワイトニングと呼ばれる方法がある
6. ホワイトニングの後戻り :構造変化したエナメル質はやがて元の形状に戻り、後戻りが起こる

これら6つのことから、ホワイトニングで歯が白くなる仕組みについて分かります。
今回の説明で、ホワイトニングの仕組みを含めた特徴がおおよそ理解できると思います。
一つだけ補足すると、ホワイトニングでも白くできないケースがあり、それはテトラサイクリンで変色した歯、詰め物や被せ物などの人工物などは白くできません。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』