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歯科コラム

虫歯を予防するには、朝昼夜の食後に毎回歯磨きしないとダメですか?

2020年02月08日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯磨きと虫歯の予防」です。
食後の歯磨きは虫歯予防の基本ですが、ただこれを厳守するのは意外に難しいかもしれません。

特に昼食の場合、子供は学校で大人は会社で食事しますから、その後の歯磨きの時間を確保するのは不可能なケースも珍しくないでしょう。しかし、仮に毎食後に歯磨きするとすれば、虫歯は確実に予防できるのでしょうか。

頻度と精度の比較

歯磨きにおいて大切なのは頻度よりも精度、そのため1日の歯磨き回数はそれほど重要ではありません。もちろん食後の歯磨きは大切ですが、その時の歯磨きに精度が伴っていなければ虫歯予防は難しく、磨き残しが多い歯磨きなら何回磨いても虫歯になるリスクは依然変わらないのです。

例えば、歯ブラシのみで歯磨きしている人にお伝えすると、ブラッシングによるプラークの除去率は約6割で、つまり約4割ものプラークを磨き残していることになります。これでは精度の高い歯磨きとは言えず、精度を高めるためにはデンタルフロスや歯間ブラシを使っての歯磨きが必要となるでしょう。

また、ブラッシングの技術を高めるために定期検診や予防歯科を受診するのもおすすめです。これらの中ではブラッシング指導を行っているので、正しい歯磨きの仕方を学べますし、定期検診や予防歯科を受診すること自体、虫歯の予防効果を高められます。

食生活の問題

朝昼夜の食事、それはつまり朝食・昼食・夕食を意味していますが、それ以外のタイミングで行う飲食、さらには食事の仕方によっても虫歯になるリスクは高まります。間食として頻繁にお菓子やジュースを飲食すれば、いくら食後に歯磨きしても虫歯の予防は難しいでしょう。

また、虫歯の原因菌である糖を摂取すればそれだけで虫歯になりやすく、よく噛まずに食事することも唾液の分泌を抑制させてしまって虫歯になるリスクを高めます。他にもダラダラ食いは歯の脱灰ばかりを進めてしまうため、これもやはり虫歯になるリスクを高める要因です。

このように、食生活次第では虫歯になるリスクはいくらでも高くなってしまい、そのため「朝昼夜の食後に歯磨きする」だけでは虫歯の予防効果は未知数です。歯磨きも大切ですが、食生活を見直しと改善なくして虫歯の予防はできないでしょう。

虫歯と歯の痛み

虫歯になると歯が痛むため、多くの人は「歯が痛い=虫歯がある」、「歯が痛くない=虫歯がない」と考えます。しかしそれは間違いで、歯が痛くない場合でも虫歯になっている可能性があり、
つまり歯の痛みの有無は虫歯の有無を示す根拠として不充分なのです。

そもそも虫歯で歯が痛むのは、その虫歯が象牙質まで進行したことによる知覚過敏が原因であり、
そのため歯が痛む時点でその虫歯は既に進行していることになります。実際、初期の虫歯には痛みがなく、歯に痛みがない人でも初期の虫歯に感染している可能性があります。

また、何らかの理由で神経を失った歯が虫歯になった場合は、虫歯が進行しても痛みは感じません。それどころか神経を失った歯は虫歯の進行も早く、なぜなら歯に栄養が供給されていないからです。このようなケースの虫歯ではいずれも歯に痛みはなく、「歯が痛くない=虫歯がない」とは断言できません。

二次虫歯

虫歯のパターンとして特に成人に多いのが二次虫歯で、これはいわゆる虫歯の再発です。二次虫歯は一度虫歯治療した歯が再度虫歯になるパターンであり、虫歯治療の際に処置した詰め物や被せ物に隙間が発生することで起こります。

さて、この二次虫歯の場合は初めての虫歯と予防方法が少々異なります。毎日の歯磨きが予防となる点は同じですが、二次虫歯は詰め物や被せ物の劣化に注意する必要があり、そのためには定期検診を受けて、こうした人工物の状態を歯科医に確認してもらわなければなりません。

また、人工物の素材をセラミックにすれば、それだけで二次虫歯を予防しやすくなります。詰め物や被せ物の素材は銀歯が一般的ですが、保険診療の銀歯は材質的に二次虫歯になりやすく、少々高額になったとしてもセラミックにした方が二次虫歯を予防しやすいのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯磨きと虫歯の予防についてまとめます。

1. 頻度と精度の比較 :歯磨きにとって大切なのは回数の頻度よりも精密さの精度
2. 食生活の問題 :間食が多い、糖の摂取が多いなどの場合、例え食後に歯磨きしても虫歯の予防は難しい
3. 虫歯と歯の痛み :虫歯でも歯が痛くないケースがあり、「歯が痛くない=虫歯がない」とは限らない
4. 二次虫歯 :虫歯の再発である二次虫歯は、詰め物や被せ物の劣化に注意する必要がある

これら4つのことから、歯磨きと虫歯の予防について分かります。確かに歯磨きは虫歯予防の基本ですが、あくまで基本である以上それだけで予防するのは難しく、食生活の見直しと改善や定期検診・予防歯科を受診しなければ充分な予防効果は得られません。また、歯磨きは頻度よりも精度が大切ですから、デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯磨きが必要です。

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