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歯科コラム

歯医者の診療科目に「予防歯科」がありますが、何を治療するのですか?

2020年02月15日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「予防歯科の説明」です。
おそらく、ほとんどの人は歯科医院に行く目的は虫歯や歯周病を治すためと解釈しているでしょう。

つまり病気や症状の改善を目的に通院する人が多いのですが、実際には病気や症状を予防するためにも通院できることをご存知でしょうか。それが予防歯科の受診であり、予防歯科では虫歯や歯周病の予防治療を行います。

予防歯科の費用

病気の治療目的ならともかく、予防目的の治療で費用を支払うのは勿体ないと思う人もいるかもしれません。そこで予防歯科の費用をお伝えすると、一般的には保険適用で3500円程度が相場となっていますね。ただしこの概念は少々複雑で、まず予防歯科は原則自由診療として扱われています。

と言うのも、そもそも健康保険は病気を治すための最低限の治療費に適用されるものですから、
病気を治すためではなく予防するための治療費は適用外となるのです。ただし、歯周病に悪影響を及ぼす可能性があるなどと診断された場合は例外的に健康保険が適用されます。

その場合、1ヶ月に1回に限り保険診療で予防歯科を受診できるようになっており、虫歯や歯周病の検査も実施した上でおよそ3500円程度になると考えてください。もちろん自由診療で受診することもでき、その場合の相場は一概には言えませんがおよそ10000円程度です。

歯磨きの磨き残しと虫歯・歯周病の有無を確認

では、ここからは予防歯科での治療内容を順に説明していきましょう。まず行うのは口腔内の健康状態の確認で、患者さんが歯磨きをしてプラークチェッカーで確認します。プラークチェッカーによってプラークが染色されるため、患者さんには目で磨き残しを確認してもらいます。

この時点で患者さんの歯磨きの仕方における問題点や弱点が分かりますから、医師が正しい歯磨きの仕方を指導、これがいわゆるブラッシング指導と呼ばれるものです。その後、口腔内の健康状態の確認として虫歯や歯周病の有無を確認します。

この時、何も異常がなければ次の予防治療に進みますが、仮に虫歯や歯周病が発見された場合は、予防治療よりも虫歯や歯周病の治療が優先となります。原則自由診療の予防歯科ですが、虫歯や歯周病の治療にはもちろん健康保険が適用されます。

PMTCで歯をクリーニング

プラークは歯の至る箇所に付着するため、毎日の歯磨きで全て除去するのは不可能ですし、プラークが石灰化して歯石になってしまえば、それはいくら歯磨きしても除去できなくなります。そこで行うのがPMTCと呼ばれる歯のクリーニングで、超音波などを使用することもあります。

基本的には専用の医療器具で歯を徹底的にクリーニング、本来なら除去できない箇所にあるプラークや歯石を綺麗に除去できるのです。こうして口腔内を清潔な状態にすることで、虫歯や歯周病になるリスクを減らします。

ちなみに、PMTCを行えば歯の表面に付着している着色も落とすことができますし、歯の表面も触って分かるほどツルツルになるため、プラークも付着しにくくなるでしょう。口の中の細菌を減らせるため細菌の増殖も防ぎ、健康な状態を保つ効果も得られます。

フッ素塗布で歯を強くする

仕上げとなるのがフッ素塗布で、フッ素が虫歯予防に効果的なことはみなさんもご存知でしょう。
実際、今ではほとんどの歯磨き粉にフッ素が配合されていますが、予防歯科で塗布するフッ素はそれに比べて濃度が高く、当然虫歯予防の効果も高いものになります。

フッ素塗布にとって歯の再石灰化が促進されますから、歯は虫歯の原因菌の出す酸に簡単に溶かされないほど強くて丈夫になるのです。また、PMTCを行った後の歯はフッ素が浸透しやすい特徴があるため、それもまた予防効果を高めてくれます。

最も、PMTCで超音波を使用した場合は歯の表面が一時的にザラザラしているため、その場合は歯の表面を綺麗に磨いてからフッ素塗布へと進みます。ザラザラのまま放置してしまうと、例えフッ素塗布を行ってもプラークが付着しやすくなるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、予防歯科の説明についてまとめます。

1. 予防歯科の費用 :保険適用で3500円ほどだが、健康保険適用には一定の条件がある
2. 歯磨きの磨き残しと虫歯・歯周病の有無を確認 :磨き残しを確認した上でブラッシング指導を行う
3. PMTCで歯をクリーニング :歯磨きでは除去しきれないプラークや歯石を綺麗に除去して細菌を減らす
4. フッ素塗布で歯を強くする :歯磨き粉に配合されているものよりも濃度の高いフッ素を塗布する

これら4つのことから、予防歯科の説明について分かります。予防歯科の費用が高いという意見もありますが、一概そうとも言えません。仮に虫歯や歯周病で歯を失ってしまえばそれを取り戻すことはできず、例えインプラントにしたとしても天然の歯と全く同じ感覚は得られないでしょう。

またインプラント自体の費用が高額ですし、予防のための治療を受けることは決してマイナスではありません。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』