歯科コラム
詰め物はずっと使い続けることができますか?できないならどれくらい長持ちしますか?
2020年03月19日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「詰め物の劣化」です。
人工物である詰め物は歯の代わりを果たしますが、天然の歯との最大の違いは確実な寿命があることです。
つまり詰め物を永久に使うことは不可能であり、ただ詰め物の素材によって寿命には差があります。
そこで、ここでは詰め物の劣化をテーマにして、
どの素材の詰め物がどのくらい使えるのか?…一般的な見解でお伝えしていきます。
詰め物の寿命
最初に断っておきますが、詰め物の寿命はケア次第で異なります。
ですから、ここでお伝えするのは毎日のケアを前提とした一般論であり、必ずしもその年数とは限りません。
まず保険診療の銀歯ですが、これは一般的に3年~5年が寿命とされており、寿命としては長くない方です。
と言うのも、同じ保険診療のレジンなら5年ほどが寿命であり、銀歯よりも長持ちしやすいでしょう。
一方で長持ちしやすいのがセラミックなのですが、
ただセラミックにはいくつかの種類があり、その中で最も寿命が長いとされているのはオールセラミックです。
オールセラミックの寿命は10年~20年とされていて、保険診療の素材に比べて2倍以上長持ちします。
最も、いくらオールセラミックでもケアが必要なのは例外ではなく、
ライフスタイルやケアを怠ればそこまで長持ちしないですし、個人差による違いもあるでしょう。
詰め物の劣化を知るには
自身の目で詰め物の劣化を確実に知ることはまず不可能です。
毎日詰め物の状態をチェックする人はいないでしょうし、チェックしたとしても異常に気づくのは難しく、
そもそも奥歯の詰め物に至っては確認することすらできませんからね。
また、上記でお伝えした寿命をそのまま参考にするのもおすすめできず、
何度も言うようにライフスタイルやケアによって寿命の長さは大きく変化するからです。
例えば、銀歯の寿命は3年~5年ほどですが、一切ケアしなければもっと早く劣化してしまいます。
ではどうやって劣化を知れば良いのか?…それは歯科医院で検診を受けることです。
検診では歯科医が口腔内の健康状態を確認、その際に詰め物の状態もチェックします。
そのため劣化していればその時点で気づきますし、新品のものへの交換が可能です。
詰め物の劣化を早める行為
詰め物の寿命はライフスタイルやケアによって劣化を早めてしまいますが、具体的な要因を挙げてみましょう。
要因その1は毎日の歯磨き、いくら歯磨きしても磨き残しが多ければ充分なケアとは言えません。
要因その2は歯並びの問題、歯並びが悪ければ歯磨きがしづらく、そのため磨き残しも増えてしまいます。
要因その3は噛み合わせの悪さ、噛み合わせが悪いと噛んだ時に歯に負担を与えてしまい、
当然歯に入れてある詰め物にも負担がかかり、場合によっては破損してしまうことも考えられるでしょう。
そして要因その4は治療の精度、これは完全に歯科医院側の問題になります。
詰め物を製作する時に精度が低いとサイズや高さに誤差が生じてしまい、
しっかりと接着していなければ劣化を早めてしまいますし、高さが合わなければ噛み合わせが悪くなります。
このような要因によって詰め物は劣化しやすく、それはどの素材においても言えることです。
詰め物が劣化するとどうなるか
詰め物が劣化するのは仕方ないとして、問題となるのはそれをそのまま放置することです。
劣化した詰め物をそのまま使えば詰め物の機能は充分に果たせなくなり、
接着が剥がれたり弱まったりすることで虫歯の再発…すなわち二次虫歯を引き起こしてしまうでしょう。
本来、詰め物はセメントや専用の接着剤によって歯としっかり接着されていますが、
詰め物が劣化すれば接着が弱まってきますし、そうなると詰め物と歯との間に隙間を生じさせてしまうのです。
そしてその隙間は細菌が入り込むスペースとなり、詰め物に入り込んだ細菌が悪さをしてしまいます。
こうして起こる二次虫歯は何度でも繰り返され、
例え治療したとしてもその都度歯を削っていてはやがて歯は失われてしまうでしょう。
つまり、詰め物の劣化を放置する行為は歯を失う要因になるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、詰め物の劣化についてまとめます。
1. 詰め物の寿命 :ケア次第で変わる。目安は銀歯が3年~5年、レジンが5年、セラミックが10年~20年
2. 詰め物の劣化を知るには :自分で知ることは難しく、定期検診の受診が望ましい
3. 詰め物の劣化を早める行為 :精度の低い歯磨きや歯科治療、歯並びや噛み合わせの悪さ、
4. 詰め物が劣化するとどうなるか :接着が剥がれて細菌が入り込み、二次虫歯を引き起こす
これら4つのことから、詰め物の劣化について分かります。
詰め物の劣化を防ぐことはできないため、大切なのはその劣化を知ることと、
劣化した詰め物を新品のものに交換することです。
そもそも永久に使える物など存在せず、詰め物においてもその例外ではないのです。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』