ホーム > 歯科コラム > 女性が歯周病になりやすいのは本当ですか?

歯科コラム

女性が歯周病になりやすいのは本当ですか?

2020年04月01日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病へのなりやすさ」です。
歯周病になりやすい人の特徴を挙げた時、そこには「女性」が挙げられます。

つまり、男性より女性の方が歯周病になりやすいことになりますが、
この見解を諸説のように捉えている人も少なくありません。
しかしこれは事実であり、女性は歯周病になりやすく、もちろんそれには理由があります。

なぜ女性は歯周病になりやすいのか

「女性は歯周病になりやすい」と表現すると説明不足かもしれません。
と言うのも、女性が歯周病になりやすい時期は限られており、その時期とは妊娠中です。
ではなぜ妊娠中の女性は歯周病になりやすいのか?…その理由として3つのことが挙げられます。

理由1. 女性ホルモンの分泌が過剰になる

妊娠すると女性ホルモンのバランスが変化するため、時には過剰な分泌が起こることがあります。
ここで問題なのは、歯周病の原因菌は女性ホルモンをエネルギーにしているという点です。
分泌が過剰になれば歯周病の原因菌はより多くのエネルギーを得るため、働きが活発になるのです。

理由2. 食生活の変化

妊娠すると、好物が変わる、特定のものを食べたくなる、食事の頻度が高くなるなど食生活が変化します。
そして、このような食生活の変化は歯周病になるリスクを高めてしまいます。
例えば、糖の摂取が多くなってしまえば、それだけで歯周病になりやすくなってしまうでしょう。

理由3. 悪阻(つわり)の影響

妊娠すると、女性によっては悪阻で苦しむ時期があり、この期間中は歯周病になりやすくなります。
と言うのも、悪阻が起これば口の中が汚れてしまいますし、
悪阻によって歯磨きも思うようにできず、細菌が繁殖しやすくなってしまうからです。

「男性=歯周病になりにくい」は間違い

女性は歯周病になりやすい…だとすれば、男性は歯周病になりにくいのでしょうか。
その答えはノーで、男性でもきちんと予防しなければ歯周病になってしまいますし、
特に次のことに該当する人は性別関係なく歯周病になりやすいでしょう。

充分な睡眠をとっていない

充分な睡眠をとっていなければ疲労は蓄積され、身体の免疫力は低下してしまいます。
歯周病は細菌による感染症ですから、身体の免疫力が低下すれば感染しやすくなるのです。
同じ意味で考えれば、ストレスが溜まっている人も身体の免疫力が低下するため、歯周病になりやすいでしょう。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪いと、噛み合わせた時に特定の歯に過剰な力がかかってしまいます。
それは歯に対する負担になると同時に、歯の下にある歯肉に対する負担にもなります。
そして、歯肉に負担がかかると炎症が起こりやすく、初期の歯周病に相当する歯肉炎になってしまうのです。

口呼吸をしている

口呼吸をすると、乾燥した空気が直接口の中に取り込まれ、細菌を身体に送りやすくなってしまいます。
しかし、それ以前に口の中が乾燥してしまい、唾液が蒸発して口の中が酸欠状態になるのです。
それは歯周病の原因菌が好む環境に等しく、そのため歯周病の原因菌の働きが活発になってしまいます。

歯周病の自覚症状

自分は歯周病かもしれない…そう不安に思う人に向けて、簡単な自己診断の方法をお伝えします。
次に挙げるのはいずれも歯周病の自覚症状であり、該当する人は歯周病になっている可能性があるでしょう。
最も、あくまで自己診断ですから、正確な診断をするには歯科医院で診察を受けてください。

口臭がする

口臭の原因は様々ですが、原因として最も可能性が高いとされているのは歯周病です。
これは口の中で細菌が繁殖しているためで、歯周病による口臭は特にニオイがきついとされています。

歯肉に異変が起こっている

歯肉が腫れている、変色している、歯肉から出血するなどが挙げられます。
これらはいずれも歯周病の初期症状であり、歯周病によって歯肉に炎症が起こっているのが原因です。

歯が長くなった

実際に歯が長くなることはなく、これは錯覚です。
歯周病が進行して歯肉退縮が起こり、歯根が露出したことで歯が長くなったように見えるのです。

知覚過敏が起こる

知覚過敏は虫歯の自覚症状でもありますが、歯周病になった場合でも起こります。
これは歯周病の進行で歯根が露出したのが原因。歯根は象牙質が露出しているため知覚過敏が起こるのです。

歯が動く

非常に分かりやすい自覚症状です。
問題はこの自覚症状が起こっている場合、その歯周病は重症化している可能性が高いことです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病へのなりやすさについてまとめます。

1. なぜ女性は歯周病になりやすいのか :妊娠時における女性ホルモンの過剰な分泌などが理由
2. 「男性=歯周病になりにくい」は間違い :男性でも、睡眠不足が続く場合などは歯周病になりやすい
3. 歯周病の自覚症状 :口臭がする、歯肉に異変が起こっている、歯が長くなった、知覚過敏が起こるなど

これら3つのことから、歯周病へのなりやすさについて分かります。
女性は妊娠すると歯周病になりやすく、また妊娠中の歯周病は早産の危険性を高めます。
このため、歯周病は確実に予防する必要がありますが、
しっかりと予防方法を実践すれば歯周病は予防できるため、歯科医院にご相談ください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』