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歯科コラム

「歯周ポケット」とは何ですか?

2020年04月06日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病と歯周ポケット」です。
歯周病の説明の中では、よく「歯周ポケットで細菌が繁殖する」と解説されています。

ここで気になるのは「歯周ポケット」で、それが何か分からない人も多いのではないでしょうか。
歯周病について詳しく知りたいなら、歯周ポケットの知識は必須であり、
そこでここでは歯周ポケットについて説明していきます。

歯周ポケットとは何か

歯周ポケットは元々存在するわけではなく、歯周病が発症することで発生します。
ですから、仮にあなたが歯周病でなければ歯周ポケットは存在しないのです。
歯と歯肉の境目に注目してみると、そこには僅かな隙間があり、歯と歯肉が密着しているのが分かります。

しかし、その僅かな隙間に細菌が付着することで、密着した歯と歯肉は剥がれて溝が発生します。
さらに歯肉に炎症が起こった場合、発生した溝の周囲が膨らんで空間ができるのです。
空間は袋状になっており、この袋状の空間が歯周ポケットになります。

要するに、歯周ポケットとは歯肉の炎症によって発生する歯と歯肉の境目の溝に発生した空間ですが、空間の深さは一定ではなく、歯周病の進行に比例して深くなっていきます。
ですから、歯と歯肉が密着せずに剥がれている人は、歯周病に注意する必要があるのです。

歯周ポケットの発生と症状

歯周ポケットが発生してもそれは目に見えませんが、次の症状が起こります。

知覚過敏が起こる

歯周ポケットが発生した場合、そこに水分が入り込むことがあります。
この時、歯周ポケットに入り込んだ水分は歯の根に接触する可能性があり、
歯の根は象牙質が剥き出しになっているため、水分の温度が刺激となって知覚過敏が起こります。

口臭が起こる

口の中を清潔にしていなければ口臭が起こります。
最も、歯に付着した細菌は歯磨きで除去できますが、歯周ポケットに入り込んだ細菌は除去できません。
このため歯周ポケットが発生すると細菌が繁殖してしまい、口臭がするようになるのです。

歯周ポケットが深くなった場合

歯周病治療の基本は口の中を清潔にすることで、
歯科医院では専用の医療器具を使って歯周ポケットの細菌も綺麗に除去します。
しかし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなった場合、状態によっては医療器具でも対応できません。

この場合、歯周ポケットを清掃するには歯肉を切開するしかなく、
歯肉を切開して歯根を露出させた状態で直接歯周ポケットを清掃します。
この治療方法はフラップ手術と呼ばれるもので、歯周病が重症化した場合に行うことがあります。

歯周ポケットと歯槽骨

歯周ポケットが深くなれば、そこには多くの細菌が繁殖するでしょう。
また歯周ポケットが深くなれば、繁殖した細菌は歯を支える骨にまで悪さをし始めます。
歯を支える骨とは歯槽骨と呼ばれるもので、細菌はこの歯槽骨を溶かしてしまいます。

そして、歯槽骨が溶かされてしまえば、歯は支えを失うことになるでしょう。
そうなると歯は不安定になってしまい、グラグラと動くようになるのです。
さらに歯槽骨が溶かされてしまえば歯を抜け落ちてしまい、これが歯周病で歯を失う理由です。

歯間ブラシのすすめ

歯磨きをする時、デンタルフロスを使用している人も多いと思います。
確かに、ブラッシングだけの歯磨きでは磨き残しが多く、虫歯予防のためにはデンタルフロスは欠かせません。
ただ、歯周病予防のためにはデンタルフロスよりも歯間ブラシが効果的な場合もあります。

歯間ブラシとは歯と歯肉の境目を磨くだけのもので、
つまり歯周ポケットが発生する原因となる箇所を綺麗に磨けます。
デンタルフロスだけでなく、時には歯間ブラシを使って磨けば、虫歯も歯周病も予防しやすくなるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と歯周ポケットについてまとめます。

1. 歯周ポケットとは何か :歯と歯肉の境目に溝ができ、歯肉が炎症を起こした時にその溝に発生する空間
2. 歯周ポケットの発生と症状 :歯根に水分が接触すると知覚過敏が起こる、細菌繁殖による口臭が起こる
3. 歯周ポケットが深くなった場合 :医療器具で対応できず、フラップ手術が必要になることもある
4. 歯周ポケットと歯槽骨 :歯周ポケットで繁殖した細菌が歯槽骨を溶かすと、歯が抜け落ちてしまう
5. 歯間ブラシのすすめ :歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨くもので、歯周病予防に効果的

これら5つのことから、歯周病と歯周ポケットについて分かります。
歯と歯肉と境目に細菌が溜まってしまうと、その境目に溝が生じてしまいます。
そして、その溝に発生する袋状の空間が歯周ポケットであり、歯周ポケットの発生は歯周病の発症を意味します。

また、歯周ポケットは歯周病の進行に比例して深くなっていき、
一定以上深くなると歯周ポケットで繁殖する細菌を従来の方法で除去できなくなってしまいます。
その場合は手術が必要になるため、歯周病の予防はもちろん、発症時には早期治療が必要です。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』