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歯科コラム

歯周病と虫歯では、どのような違いがありますか?

2020年04月13日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病と虫歯の違い」です。
歯周病と虫歯は、予防方法こそほぼ同じですが、病気としては全く別の病気です。

別の病気である以上は起こる症状も異なりますし、治療方法も異なります。
そこで、ここでは歯周病と虫歯のこうした部分の違いについて説明していきます。
特に歯周病は虫歯に比べて軽い病気に思われがちなので、この機会に歯周病の怖さを知っておきましょう。

病気の違い

歯周病と虫歯は全く別の病気です。ただ共通点もあり、それは最終的に歯を失ってしまうということです。

歯周病とは

歯周病は、歯の病気や歯肉の病気と思っている人もいますが、それは間違いです。
正確には歯の骨の病気であり、歯肉に炎症が起こることで発生した歯周ポケットに細菌が溜まって繁殖、やがてその細菌が歯を支える歯槽骨を溶かしていき、不安定になった歯が抜け落ちてしまいます。

虫歯とは

虫歯は、細菌の出す酸によって歯が溶かされてしまう病気です。
酸によって溶かされた歯は穴があきますが、この穴は虫歯の進行にともなって深くなっていきます。
やがて象牙質、神経にまで穴は到達、重症化することで歯は原型を失うほどボロボロに溶かされてしまいます。

まとめ

歯周病は歯の骨の病気、虫歯は歯の病気です。
それぞれ発症する箇所に違いはありますが、どちらの病気も重症化すれば歯を失ってしまいます。

症状の違い

歯周病も虫歯も、発症すれば自覚症状が起こります。

歯周病の自覚症状

静かなる病気と呼ばれる歯周病ですが、自覚症状が全くないわけではありません。
発症すると歯肉の変色や腫れが起こりますし、細菌の繁殖によって口臭もするようになるでしょう。
さらに進行すれば歯肉の退縮や知覚過敏、重症化すれば歯がグラつくなどの症状が起こります。

虫歯の自覚症状

虫歯には歯の痛みという分かりやすい自覚症状があります。
痛みは虫歯の進行に比例して酷くなっていき、歯の神経まで進行すると痛みは激痛に変わります。
ただ、完全に初期の虫歯には痛みはなく、歯も白く変色している程度の症状しか起こりません。

まとめ

歯周病と虫歯では自覚症状が異なりますが、ここにも共通点があります。
それは、病気が進行するにつれて自覚症状が変化していき、それも辛い自覚症状が起こることです。

治療方法の違い

歯周病も虫歯も歯科医院での治療となりますが、その治療方法は異なります。

歯周病の治療方法

歯周病治療の基本は口の中を清潔にすることです。
そのため歯石の除去や歯周ポケットの清掃、本人によるプラークコントロールを行います。
ただ、重症化した場合は歯肉の切開が必要になる、または抜歯が必要になるケースもあります。

虫歯の治療方法

虫歯治療の基本は患部を削って詰め物で処置することです。
ただし、虫歯の進行度によって削る範囲は変わり、詰め物ではなく被せ物で処置することもあります。
また、重症化している場合は根管治療や抜歯が必要になるケースもあります。

まとめ

歯周病にしても虫歯にしても、早期発見して初期段階で治療すれば簡単に治せます。
しかし進行するとそうはいかず、辛く感じる治療を行わなければなりません。

原因菌の違い

歯周病も虫歯も細菌の感染によって発症しますが、原因となる細菌は異なります。

歯周病の原因菌

歯周病の原因菌は、主に嫌気性菌と呼ばれるものです。
嫌気性菌の文字から連想できるとおり、この細菌は空気を嫌って酸欠の状態を好みます。
このため、口の中が乾燥していると嫌気性菌の働きが活発になり、歯周病発症のリスクが高くなります。

虫歯の原因菌

虫歯の原因菌は、主にミュータンス菌と呼ばれるものです。
この細菌は食べカスなどを取り込んで増殖し、歯のカルシウムやリンを攻撃します。
虫歯の原因菌は糖をエネルギーとしており、甘いものを食べると虫歯になりやすいのはそのためです。

まとめ

嫌気性菌もミュータンス菌も、主な原因菌として紹介しました。
実際には、歯周病も虫歯もその原因菌には多くの種類が存在しています。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病と虫歯の違いについてまとめます。

1. 病気の違い :歯周病は歯の骨の病気、虫歯は歯の病気
2. 症状の違い :歯周病は歯肉の変色や腫れ、虫歯は歯の痛み ※進行すればさらなる症状が起こる
3. 治療方法の違い :歯周病は歯石の除去やプラークコントロール、虫歯は歯を削って詰め物で処置する
4. 原因菌の違い :歯周病は主に嫌気性菌、虫歯は主にミュータンス菌

これら4つのことから、歯周病と虫歯の違いについて分かります。
このような違いのある歯周病と虫歯ですが、予防方法についてはほぼ同じです。
と言うのも、どちらの原因菌もプラークに含まれているため、
歯磨きによるプラークの除去、そして定期的な検診が予防のポイントになります。

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