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歯科コラム

歯周病でも虫歯のように歯が痛くなりますか?

2020年04月20日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病の自覚症状」です。
歯周病と虫歯を比較した時、多くの人は虫歯の方が怖いと回答します。

その理由として挙げられるのが「歯の痛み」であり、虫歯になると歯が痛くて辛く、
そのため虫歯の方が怖い病気だと考えるのですが、この意見には2つの間違いがあります。
1つは歯周病も怖い病気だということ、そしてもう1つは歯周病でも歯に痛みを感じるということです。

歯周病で歯が痛むケース

確かに、初期の歯周病なら歯が痛むことはありませんが、進行した場合は歯に痛みを感じます。
では、進行した歯周病ではどのような理由で歯が痛むのでしょうか。

中期段階への進行で歯が痛む理由

歯周病が中期段階まで進行すると、歯肉退縮が起こって歯の根…つまり歯根が露出します。
この歯根はエナメル質に覆われておらず、言わば象牙質が剥き出しの状態になっています。
このため刺激を受けると知覚過敏が起こり、虫歯の痛みのようなしみる痛みを感じるのです。

重度段階への進行で歯が痛む理由

歯周病が重度段階まで進行すると、歯を支える歯槽骨が溶かされて歯がグラつきます。
つまり歯は正常な位置に留まらなくなり、そのため噛み合わせた時に強い痛みを感じます。
例えば、歯が斜めの向きになった状態で噛めば歯肉に食い込みますから、それによって痛みを感じるのです。

…このように、歯周病でも中期段階や重度段階まで進行すれば歯に痛みを感じます。
これを言い換えれば、歯周病で歯に痛みを感じる場合、
その歯周病は最低でも中期段階まで進行していることになります。

歯周病はどうやって治すのか

歯周病を治すためには、口の中を清潔な状態に保たなければなりません。
そうなると真っ先に連想するのが歯磨きだと思いますが、
歯周病が発症してしまうと歯磨きだけで治すのは難しく、歯科医院での治療が必要です。

と言うのも、歯周病が発症すると歯周ポケットが発生してそこに細菌が溜まります。
歯周ポケットとは歯と歯肉の境目の溝に発生する空間ですから、歯ブラシでは届きません。
ですから専用の医療器具で清掃する必要があり、そのため歯科医院に行かなければならないのです。

また、歯周病になると大抵は歯石ができており、歯石とはプラークが石灰化した物質です。
歯石は歯ブラシが届く箇所に付着していますが、ただいくら歯磨きしても除去できません。
これもまた歯科医院で除去しなければならず、歯磨きだけでは口の中を清潔な状態にできないのです。

歯周病はどうやって予防するのか

歯周病になった場合はすぐに治療する必要がありますが、それ以前に予防しなければなりません。
歯周病を予防するには次の3つの方法が効果的で、全て実践すれば大抵の歯周病は予防できるでしょう。

歯磨きの精度を高める

歯周病を予防する基本は毎日の歯磨きです。
ただ、予防効果の高い歯磨きをするには極力磨き残しを減らす必要があります。
つまり精度の高い歯磨きが求められますが、そのためにはデンタルフロスや歯間ブラシを使うことです。

生活習慣を改善する

歯周病は生活習慣病ですから、生活習慣を改善することは予防につながります。
例えば、疲労やストレスの解消をすることで身体の免疫力が高まり、歯周病の原因菌に感染しづらくなります。
また、喫煙はそれだけで歯周病が発症しやすくなるため、禁煙もまた歯周病予防になるのです。

定期検診を受ける

定期検診を受ければ、歯のクリーニングやブラッシング指導など、
歯周病の予防効果を高めるための治療を受けられます。
また、口の中の健康状態を確認してもらえるため、歯周病をいち早く発見でき、重症化を防ぎます。

歯周病を予防しやすくなる意外な方法

次の方法は一見歯周病と無関係ながらも、いずれも予防効果を高められます。

適度な水分補給

身体の水分が不足すると、唾液の分泌が抑制されて口の中が乾きます。
歯周病の原因菌は空気を嫌うため、口の中が乾燥することで歯周病が発症しやすくなるのです。
つまり、身体の水分不足を防ぐ必要がありますが、そのためには適度な水分補給をすることです。

鼻呼吸

口呼吸をすると、口の中に乾燥した空気が直接取り込まれるため、口の中が乾きます。
上記で説明したとおり、口の中が乾燥すると歯周病が発症しやすく、
そこで乾燥を防ぐために鼻呼吸を意識すべきです。

噛み合わせの改善

噛み合わせが悪いと、噛んだ時に特定の歯に負担がかかります。
この時、負担がかかるのは歯だけではなく、その下の歯肉にも負担がかかるのです。
負担がかかった歯肉は炎症を起こし、初期の歯周病を示す歯肉炎になってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の自覚症状についてまとめます。

1. 歯周病で歯が痛むケース :中期段階や重度段階まで進行すると痛みを感じる
2. 歯周病はどうやって治すのか :口の中を綺麗にすることが基本
3. 歯周病はどうやって予防するのは :歯磨きの精度を高める、生活習慣の改善、定期検診の受診
4. 歯周病を予防しやすくなる意外な方法 :適度な水分補給、鼻呼吸、噛み合わせの改善

これら4つのことから、歯周病の自覚症状について分かります。
「歯が痛む=虫歯」とは限らず、歯周病でも進行した場合は歯が痛みます。
また「歯が痛くない=健康」とは限らず、歯が痛くなくても初期の歯周病になっている可能性があるでしょう。
今回のお話で特に覚えておいてほしいのは、この2つの事実です。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』