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歯科コラム

歯はどうやって虫歯になるのでしょうか?

2020年05月25日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯の発症と流れ」です。
例えば風邪を引く場合、何となくの体調不良を感じて風邪を予感するでしょう。

寒気がする、身体がダルい、こうした症状が起こった末に風邪を引いてしまいますよね。
一方、虫歯の場合はこのような予兆はなく、いつの間にか発症しているケースが大半です。
それなら、健康な歯はどのようにして虫歯になっていくのでしょうか。

虫歯になるメカニズム

虫歯になるメカニズムを知るために必要なキーワード、それは「脱灰」と「再石灰化」と「プラーク」です。
まず、歯の表面には細菌の棲み処となるプラークが付着しており、そこには億単位の細菌が存在します。
そして、そんな細菌の一種であるミュータンス菌が虫歯の原因菌なのです。

ミュータンス菌は酸を出して歯の成分を溶かし、これを脱灰と呼び、脱灰は食事のたびに起こります。
脱灰が進めば歯は虫歯になってしまいますが、一方で起こるのが再石灰化であり、
再石灰化とは唾液が酸を中和して歯を元の状態に戻す現象を意味します。

このように、口の中では脱灰と再石灰化の戦いが繰り返されていて、
それぞれのバランスさえ保たれていれば虫歯になることはありません。
しかし、バランスが崩れて脱灰が優勢になってしまうと、歯に穴があいて虫歯になってしまうのです。

脱灰が優勢になる原因

虫歯は歯の脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、脱灰が優勢になることで起こります。
では、脱灰はどのような場合に優勢になるのか?…その答えこそ虫歯の原因と言えるでしょう。

原因1. 間食が多い

脱灰は食事のたびに起こるため、間食が多ければそれだけ脱灰も頻繁に起こります。
最も、脱灰に対して再石灰化も起こるのですが、間食が多いと再石灰化が完了する前に再び脱灰が起こり、
やがては再石灰化が追いつかなくなって脱灰が優勢になってしまいます。

原因2. プラークコントロールが不充分

歯磨きの時に磨き残しが多いなど、プラークコントロールが不充分だと、口の中に多くのプラークが残ります。
プラークが多く残るということは、ミュータンス菌もそれだけ多くの残るということになりますね。
そうなると多勢に無勢で再石灰化が追い付かなくなり、脱灰が優勢になってしまいます。

原因3. 糖の摂取量が多い

ミュータンス菌の出す酸によって起こる脱灰ですが、ミュータンス菌にとって酸を出すことは仕事であり、
仕事をするためにはエネルギーが必要です。そして、そのエネルギーとなるのが糖です。
つまり、糖の摂取量が多ければ脱灰が促進され、再石灰化が劣勢となってしまいます。

虫歯を予防するには

脱灰が優勢になれば虫歯になるのであれば、再石灰化が優勢になれば虫歯を予防できることになります。
ではどうすれば再石灰化を優勢にできるのか?…そのための方法こそイコール虫歯の予防方法です。

方法1. 歯磨きの精度を高める

歯磨きの精度が高まれば、それだけ磨き残しを減らし、プラークの量を減少させられます。
そこで、歯ブラシのみでなくデンタルフロスも使った歯磨きをしてください。
デンタルフロスなら歯と歯の隙間を磨けるため、歯ブラシの行き届かない箇所のプラークも除去できます。

方法2. 食生活を改善する

ポイントは、食事の時間をしっかりと決めることと、糖の摂取を控えることです。
食事の時間をしっかり決めることで脱灰の起こる機会を制限できますし、
糖の摂取を控えることでミュータンス菌の働きを抑制し、虫歯を予防しやすくなります。

方法3. 予防歯科を受診する

予防歯科では、文字どおり虫歯を予防するための治療を受けられます。
例えば、歯のクリーニングは通常の歯磨きでは対処しきれないプラークまで綺麗に除去できますし、
フッ素塗布は脱灰に負けない強い歯を作ることができ、再石灰化を優勢にできるでしょう。

虫歯予防につながる意外な方法

丁寧で精密な歯磨き、食生活の改善、虫歯の予防方法として効果的なこれらの方法ですが、
それ以外にも意外な方法が虫歯予防につながり、例えば次の方法が挙げられます。

方法1. 歯列矯正

歯並びを改善する歯列矯正には、審美性の向上以外にも虫歯予防を高める効果があります。
それは、歯並びの改善によって歯磨きがしやすくなるからで、歯磨きがしやすくなれば磨き残しを減らせます。
さらに、歯と歯の間に食べカスが詰まるなどの問題も解消できるでしょう。

方法2. 水分補給

身体の水分が不足すると、身体はそれを補うため唾液の分泌を抑制します。
唾液は歯の再石灰化に関わる働きを担っていますから、分泌量が低下すれば脱灰を進めてしまうでしょう。
その点、適度な水分補給を行えば唾液の分泌が抑制されることなく、充分な再石灰化が可能です。

方法3. 免疫力向上

充分な睡眠や休息、ストレスの解消などは身体の免疫力向上につながります。
言うまでもなく、免疫力の向上によって風邪などを予防しやすくなりますが、
実は虫歯もまた感染症の一種であり、そのため身体の免疫力向上は虫歯予防にもつながるのです。

まとめ

最後に、虫歯の発症と流れについてまとめます。

1. 虫歯になるメカニズム :歯の脱灰と再石灰化のバランスが崩れると虫歯になる
2. 脱灰が優勢になる原因 :間食が多い、プラークコントロールが不充分、糖の摂取量が多い
3. 虫歯を予防するには :歯磨きの精度を高める、食生活を改善する、予防歯科を受診する
4. 虫歯予防につながる意外な方法 :歯列矯正、水分補給、免疫力向上

これら4つのことから、虫歯の発症と流れについて分かります。
一見何の変化も起こっていないように思える口の中では、
食事のたびに脱灰と再石灰化が繰り返されており、脱灰が優勢になることで虫歯が起こります。
つまり言い換えれば、再石灰化が優勢にになれば虫歯は予防できるのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』