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歯科コラム

虫歯について詳しく教えてください

2020年05月04日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯の状態・症状・予防方法」です。
虫歯について改めて考えると、症状などは知っていてもその理由までは知らない人が多いと思います。

例えば「虫歯になると歯が痛くなる」は誰もが知る事実ですが、
ではなぜ虫歯になると歯が痛くなるのか?…その理由は皆さんご存知でしょうか。
そこで、今回は虫歯の状態・症状・予防方法などを理由も含めて分かりやすく解説していきます。

虫歯とはどのような状態を意味するのか

虫歯とは、細菌の出す酸によって歯が溶かされる病気であり、
これを「状態」と表現するなら「歯が酸によって溶かされた状態」になります。
ここで疑問は2つ、1つ目に「細菌とは何なのか?」、2つ目に「酸はどうやって出るのか?」です。

細菌とは?

口の中には様々な細菌が含まれており、その一つがミュータンス菌で、これが虫歯の原因菌になります。
ミュータンス菌は歯に付着するプラークを棲み処にしており、そこから酸を出して歯を溶かします。
歯の表面を触るとヌルヌルした感触がすることがありますが、それがプラークです。

酸はどうやって出る?

ミュータンス菌にとって酸を出すことは仕事です。
ただ、仕事をするからにはエネルギーが必要で、そのエネルギーとなるのが糖であり、
つまりミュータンス菌は糖を吸収して酸を出し、これが甘い物を食べると虫歯になりやすい理由にもなります。

虫歯になるとなぜ歯が痛くなるのか

虫歯になると歯が痛くなりますが、ただ「虫歯=歯が痛む」とは限りません。
と言うのも、初期の虫歯には痛みが一切なく、つまり歯が痛むということはその虫歯は進行しているのです。
では、なぜ虫歯になると歯が痛くなるのでしょうか。

象牙質と刺激

歯の象牙質は刺激に対して敏感であり、少し触れただけでも痛みを感じます。
そんな象牙質を刺激から守っているのがエナメル質なのですが、
虫歯が進行して虫歯の穴が象牙質に到達すれば、象牙質が刺激を感じるようになってしまうのです。

知覚過敏

象牙質が刺激を感じるようになると、ささいな刺激で痛みを感じるようになります。
例えば指で触れる、風が当たる、熱いものや冷たいものを飲食する、
こうした刺激で痛みを感じることを知覚過敏と呼び、この知覚過敏が虫歯の痛みの正体です。

ズキズキと痛むようになるのはなぜか

知覚過敏はあくまで象牙質が刺激を感じた時のみに起こる症状です。
ですから、虫歯の痛みは「常」ではなく「時折」であり、その時折とは象牙質が刺激を感じた場合です。
しかし、虫歯がさらに進行すると常にズキズキと激しい痛みを感じるようになります。

神経の炎症

虫歯が象牙質まで進行すると知覚過敏が起こりますが、さらに進行することで神経に到達。
そうすると神経が炎症を起こしてしまい、ズキズキとした激しい痛みを感じます。
つまり、虫歯の痛みが激痛に変化した場合は、その虫歯は神経まで進行したことを意味します。

痛みが解消される理由

ズキズキと激しい痛みを感じるようになった場合、
それでも虫歯を治療しなければ今度は一変して痛みを一切感じなくなります。
これは神経が死んでしまったのが理由で、神経を失って感覚が失われたために痛みを感じなくなるのです。

虫歯の予防方法

虫歯予防の基本は歯磨きですが、ただ磨けば予防できるというわけではありません。
例えば「1日3回歯磨きしている」と予防に自信を持っている人がいますが、
歯磨きにおいて大切なのは「精度」であり、「頻度」や「回数」ではないのです。

デンタルフロスを使って精度を高める

歯ブラシだけで歯磨きした場合、一般的なプラークの除去率は60%程度とされています。
つまり、ブラッシングオンリーでは歯磨きしても40%の磨き残しがあるのです。
一方、デンタルフロスを使えばプラークの除去率がさらに20%程度高まります。

プラークテスターを使って磨き残しを確認する

そもそもなぜ歯磨きしても磨き残してしまうのか?…それはプラークが無色透明だからです。
そんな無色透明のプラークですが、プラークテスターを使えば染色させられるため、
プラークを目に見える状態にして目で見て磨き残しを確認できます。

まとめ

最後に、虫歯の状態・症状・予防方法についてまとめます。

  1. 虫歯とはどのような状態を意味するのか :歯が虫歯の原因菌の出す酸によって溶かされた状態
  2. 虫歯になるとなぜ歯が痛くなるのか :象牙質が露出することで刺激に対して知覚過敏が起こるため
  3. ズキズキと痛むようになるのはなぜか :虫歯が神経まで進行、神経が炎症を起こすため
  4. 虫歯の予防方法 :歯磨きは頻度よりも精度を大切にして、デンタルフロスなどを使用する

これら4つのことから、虫歯の状態・症状・予防方法について分かります。
今回特に覚えておいてほしいのは、虫歯で歯に痛みを感じるということは、
その虫歯は進行しているという点です。初期の虫歯では歯に痛みはなく、
つまり歯が痛くない人でも初期の虫歯にかかっている可能性があるのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』