歯科コラム
セラミックにすることで銀歯とどのような違いがあるのですか?
2020年06月05日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「セラミックと銀歯の比較」です。
虫歯治療で歯を削った場合、その処置として人工物を詰めますね。
さて、こうした人工物の素材はイコール金属…すなわち銀歯をイメージする人が多いのですが、
近年では銀歯でなくセラミックを希望する人が増加傾向にあります。
そこで、ここでは銀歯を比較した上でセラミックの特徴を解説していきます。
詰め物で処置する目的
そもそもなぜ詰め物は必要なのか?…それは虫歯治療した患部を保護するためです。
本来、歯の象牙質は表面のエナメル質によって保護されていますが、
虫歯治療で歯を削ればエナメル質は失われ、象牙質は剥き出しになってしまいます。
そうすると、歯が刺激を受けた時に知覚過敏が起き、歯がしみてしまうのです。
また、象牙質が剥き出しの状態の歯は脆く、そのため細菌にもすぐ感染してしまいます。
詰め物はこうした状態の歯を保護するために必要で、つまり刺激や細菌から守る目的があるのです。
銀歯の問題点
詰め物で使用される銀歯は保険診療のため費用が安く、手軽な詰め物としては優秀かもしれません。
しかし銀歯を詰め物にした場合、次の2つの問題点が発生します。
二次虫歯が起こりやすい
虫歯の再発を防ぐための詰め物ですが、銀歯の場合その効果はさほど高くなく、
プラークが付着しやすい、接着が剥がれやすいなどの問題から二次虫歯が起こりやすくなります。
審美性が低い
いわゆる見た目の問題で、目立つ銀歯は決して審美性が高いとは言えません。
虫歯の再発を防ぐための最低限の効果のみで設計され、審美性は完全に無視したものになっています。
…「二次虫歯の起こりやすさ」と「審美性の低さ」、これらは銀歯の欠点とも言い換えられるでしょう。
セラミックの特徴
では次に、セラミックの特徴を解説します。
簡単に言えば、セラミックの特徴は銀歯の欠点を解消したものになっています。
二次虫歯を予防しやすい
セラミックにすることで二次虫歯を予防しやすくなります。
この理由は2つあり、1つ目にセラミックは患部にピッタリと接着して隙間が生じにくいため、
2つ目にツルツルとした材質であることからプラークが付着しにくいためです。
審美性が高い
セラミックの最大の特徴が、見た目の美しさ…つまり審美性の高さです。
ただ白いだけでなく天然の歯に近い白さを再現しており、
なおかつ白さの調節も可能なため、自分の歯の色に合った自然な白さにすることが可能です。
…これらはいずれも銀歯の欠点を解消したもので、さらにこれらに加えて次の特徴があります。
長持ちしやすい
セラミックは銀歯に比べて長持ちしやすく、これは自由診療の素材と保険診療の素材の質の差によるもの。
最も、いくらセラミックでもケアしなければ長持ちはしないでしょうから、
あくまでこれは毎日のケアを欠かさないことが前提となって言えることです。
金属アレルギーが起こらない
セラミックは陶器であり、要するに日常生活で使用する湯呑みや茶碗と同じ素材です。
そのため銀歯のように金属を使用しておらず、金属アレルギーの人でも安心して使えます。
ただしメタルボンドは例外で、セラミックの中でメタルボンドだけは唯一金属を使用しています。
セラミックの欠点
審美性、機能性ともに銀歯よりも優秀なセラミックですが、欠点が全くないわけではありません。
メリットがある一方でデメリットがあるのも事実であり、銀歯と比較すると次の欠点が挙げられます。
費用が高い
セラミックの最大の欠点が費用の高さで、これはそもそもセラミックが自由診療であることが理由です。
最も、方法次第である程度費用を抑えることは可能であり、
例えば「医療費控除を利用する」、「ハイブリッドセラミックを選択する」などの方法があります。
欠けることや割れることがある
セラミックは陶器ですから、あまり強く噛んでしまうと欠けることや割れることが想定されます。
実際、単純な強度だけで比較すれば、陶器であるセラミックよりも金属である銀歯の方が上でしょう。
ただし、セラミックの中にはジルコニアセラミックなど強度に長けたタイプのものも存在します。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、セラミックと銀歯の比較についてまとめます。
1. 詰め物で処置する目的 :患部を知覚過敏や細菌感染から守るのが目的
2. 銀歯の問題点 :二次虫歯が起こりやすい、審美性が低い
3. セラミックの特徴 :二次虫歯を予防しやすい、審美性が高い、長持ちしやすい、金属を使用していない
4. セラミックの欠点 :費用が高い、欠けることや割れることがある
これら4つのことから、セラミックと銀歯の比較について分かります。
健康保険が適用されるのは、健康目的とした必要最低限の治療であり、
つまり保険診療の銀歯には必要最低限の効果しか備わっていないのです。
一方、セラミックは自由診療のため確かに費用は高額かもしれません。
しかし自由診療である分、必要最低限以上の効果が備わっており、
それが「審美性の高さ」や「二次虫歯の予防のしやすさ」という特徴につながっています。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』